番なんて要らない

桜 晴樹

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気になるあいつ

気になるあいつ。でも嫌い16

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呼び止められて、渋々ながらに振り向く。
少年瑠衣を、真っ直ぐに見た。茶髪の髪が、少し跳ねてふんわりしていて柔らかそうな猫っ毛の髪なのだろう。ナデナデしたくなる様な、可愛い顔立ちもしている。
そんな風に観察していると、にぱっ!って、効果音が出てきそうな笑顔を向けてきた。

「あんたが、拓人の番のあおいさん?」

番って、まだなってねーよ。

「いや、俺達、番じゃねーし。」

そっこー突っ込みました。拓人と目が合った。なんか拓人が怒っている。目が怖いから見ないようにしよう。
瑠衣って人だけを見る様に集中する。視線痛い。

「あれ?でも、拓人が、毎日電話で話している人の容姿にそっくりだよ?」

何を言ってんだー。怖い聞くに耐えない。

「いや、俺あおいって人とちゃいます。」

下手な関西弁で逃げ切る。方言関西のしか分かんないんだ。関西の方ごめんなさい。

「?さっきまで普通に喋ってたよね?」

「コイツは、あおいで合ってる。」

瑠衣が突っ込んでくる中、拓人が答える。いやーやめてー!折角、下手なりに関西弁で逃げ切ろうとしたのにー!かえって恥ずかしいよう‥。

「そうだけど、何か?」

仕方無く諦めたよ。
本当に仕方がないので、逃げる体勢をやめた。拓人の視線が間違いなく怒っている。俺も怒っているわ!瑠衣って人に、何を言ってくれてるのか、知らないけれど俺を巻き込むのはやめて頂きたい!

「俺、犬居 瑠衣いぬい るいって、いうんだ!瑠衣って呼んでくれよ!宜しくな!」

確かに、見た目が芝犬とか、犬を思い出すけど、まさかの苗字が犬‥。

「よ、よろしく?」

瑠衣は、明るい見た目と性格で、俺の肩に抱き付いてきた。なんか、犬に懐かれてる気分‥。

「何抱き付いてるんだ。」

背後から、ベリッ!と音がしそうな勢いで引き剥がす拓人を見てしまった。

「ひっ!」

今までの中で1番怒ってらっしゃる。俺、なにもしてないじゃん!飼い犬の躾は飼い主がしろよなー!

「拓人やきもちー?」

拓人に、殺意の篭った目を向けられても、平気でいるなんて、瑠衣は怖いもの知らずだ。

「あ、俺ね、コイツの幼馴染みなんだ。んで、親友な!近況報告してくれるのはいいんだけどさ。ずっと、あおいの事しか話さねーの。だから、俺が見に来たって訳!」

それで、どうして見に来たのかが、分からないんだけれど、野次馬根性かな?まあ、良いんだけどね。
ただ、今が下校の時間で校門前だから、道行く人々に見られている。人見知りには拷問の時間です。

「あの‥僕、用事があるので、先に帰りますね。瑠衣さん拓人さん、さようなら(永遠にな!)」

最近出してなかった必殺・猫被り!ぶりっ子で、苦行から離脱する!

「ええっ、帰っちゃうのー?やっと会えたのに、駅前の喫茶店で奢るよー?」

腕に絡みつかれて身動き取れない。

「こうなると、遊んでやるまで離れないぞ。」

「え、何それマジで犬じゃん。」

「声に出てるよー。」

声に出てたかー。でも性格も犬だなんて、なんてこった!

「じゃあ、喫茶店いこー!あ、拓人は自分の分は払ってねー。あおいの分は俺が払うからね!」

何時の間にか、俺は瑠衣に引き摺られて歩かされていた。それを諦めた目で、拓人が見ている。いや、飼い主よ、飼い犬の面倒ちゃんと見ろよ!諦めたらそこで試合終了ですよ!昔の漫画の有名な台詞だ!その通りだと思う。諦めないで!
いーやーだーかーえーりーたーいー!
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