番なんて要らない

桜 晴樹

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気になるあいつ

気になるあいつ。でも嫌い15

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放課後の学校の廊下。下駄箱までの距離でも、ずっと手を離さないで俺を引っ張っていく。その後ろ姿が、格好良く見えた。俺は、そろそろ眼科に行った方が良いのかもしれない。それとも精神科?脳神経外科?何でもいいから、この、ふわふわした空気を変えたくてそんな事を思ってしまう。
そんな俺達を、校門で待ち構えていた者がいた。

「あ、拓人ー!会いたかった!!」

拓人に、体当たりの如く抱き付く少年。流石に拓人も、俺の手を離さずにはいられず、少年を受け止める。茶色の髪の、他校の制服を着た少年は、人懐っこい笑みを浮かべて、飼い主を待っていた犬の様な表情をする。俺、蚊帳の外なんですけど。

瑠衣るい‥。」

瑠衣と呼ばれた少年は、嬉しかったのか更に抱き着いた。俺よりも恋人同士に見える。

「ん、拓人。本当に、会いたかった!」

「何時も連絡はしているだろう?」

「でも、会って話すのは、久しぶりじゃんかー!」

何時も、その瑠衣って人と連絡してたのか‥。拓人さん、それってつまり、俺がいながら浮気ですか。付き合ってないけど、そんな気分になる。
少年達が抱き合う。その姿は、夕陽の中、黄昏色に染まった2人の少年は、正しく一枚の絵画の様な感じに見えなくもないが、俺は、そろそろ帰りたい。この中、声を掛けたくもないが仕方無い。

「あー、拓人さんや。知り合いきてんなら俺帰るな?また明日。」

このまま、直ぐに帰る!

「待って!」

俺が、走って帰ろうとするのを、拓人ではなく、瑠衣って人が呼び止めた。
なんでだー!
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