番なんて要らない

桜 晴樹

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気になるあいつ

気になるあいつ。でも嫌い18

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「で、ここに連れてきたのには訳があります。」

瑠衣から話しを切り出した。
でしょうね。訳も無く連れてこられたくは無い。

先程迄は、くだらない話で盛り上がって、当たり障り無い感じだった。
美味しいデザートを、奢って貰った手前、少しだけなら良いかと思った。

「あおいとは初対面だけど、拓人から聞いて思ったんだ。あおいは、拓人の事、どう思っているの?」

「おい、瑠衣!」

切り込んできましたね。初対面なんだから、放っておいてもらいたいのが本音だ。
拓人だって、放っておいてくれたのになー。
今だって、俺の傷を抉られたくないの分かっていて、止めようとしてくれている。
だけれどー‥。
お代わりした紅茶に口を付け、喉を潤してから、カップをソーサーに戻す。
カップを見た後に、意を決して、瑠衣を見た。

「拓人は、友人なら良いけど、番にはなりたくない。」

当初からずっといっている事だ。友人としてならば、それなりに好きですよ。優しいし、なんでもしてくれるし?でも、一生を添い遂げたくはない。それが運命の相手である拓人でも変わらないし、もし、他に誰かが、現れたとしても番っていうのが、そもそも嫌なんだ。
どうしようもないよね。
拓人も悲しそうな顔している。

「そもそもどうしてそんなに頑ななの?運命なんでしょ?受け入れれば良いじゃん。」

それを聞きたいのかよ。言いたくないんだよね。でも、ダメですよね。

「10歳の頃‥Ωの女性がαの男性に襲われたのを、目の前で見ちゃったんだよね‥。」

「でも、10歳の頃でしょ?今は見てないんだよね。」

あの時の衝撃は、どうしようもないほどに怖く、恐ろしい思いしたのは、その当事者の女性と、見てしまった俺くらいなんだろうな。
だから、気楽に言えるんだよね。

「怖いんだ‥。凄く、あの時の事がトラウマなんだよ。アンタには分かんないよね。」

「うん、分かんないよ。俺よく無神経って言われるから、分かるまで教えて欲しいよ。そしてね、貴方の力になりたいんだ。」

それは、トラウマを更に植え付けて、跳ね返せって事かな?そんなのやだよー。

「瑠衣、もう止めろ。他人のお前が口を出す事じゃない。」

本当に優しい拓人。なんで、俺が運命なんだろうね?ごめんね。こんなのが運命で。

「でもさ、拓人はそれで良いの?!」

「それは‥。あおいが決めた事だから‥。」

そう。俺が決めた事だ。例え誰だろうと、考えは変わらない。


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