番なんて要らない

桜 晴樹

文字の大きさ
35 / 47
気になるあいつ

気になるあいつ。でも嫌い30

しおりを挟む
その日、拓人は休んだ。それはとても珍しい事だった。
αは、健康過ぎる程で風邪を引いても、直ぐに治ってしまう。それくらい、強い治癒力の持ち主だ。だからか、殆ど休む事なんて無い。現に今までも、俺と出会ってから、彼が休んだり、弱った姿を見た事はなかった。

休むなんて、余程の事が無い限りは‥。


日々、拓人が居ない日が増えていく。

あの日、拓人が暴走した日から、もう一月は経つ。あの後、なんとなく気不味くて、お互い何事もなかったかの様に、他愛無い会話をしながら帰った。だが、拓人からの、連絡が来なくなったのも、次の日からだった。休み出したのも、連絡が来なくなった日からだ。
そうして、拓人と会えなくなってから、俺はあの日の事は、何も無かったかのように思えてきてしまう。
いや、もしかしたら、その事が原因で、拓人が来なくなったのかも知れない。と、思ってしまう。

そう、悶々とした日々を過ごしていた俺に、修二さんが話しかけてきた。

修二さんの話だと、拓人の家は金持ちらしく、後継者問題があり、学校に通えなくなっているらしい。
因みに、ミキちゃんもその事で休みらしい。何故なんだ‥。
通えなくなる問題ってなんだ。
漫画みたいに、死闘でも繰り広げているのかと考えてしまう。

「えー拓人、大変なんですねー。」

棒読みになってしまうのも許してほしい。住む世界が違いすぎるんだ。

「君にも、関係ある事なんだけどね?」

なんで、俺が関係してくるのかが分からない。

「拓人君の家は、家柄とα至上主義なんだよ。」

「へー。」

じゃあ、なんで平民のΩの尻追いかけているの。運命の相手だから、本能に忠実になってたの?

アルファ・・・も大変なんですね。」

そんなの俺と関係ないじゃん。

「でもね。アイツは、どんなに家族に反対されても、君しか要らないって言うんだ。」

凄い愛されているね。

そう言った修二さんは満面の笑みを浮かべていた。

昼時に、そんな風に修二さんと、雑談した俺は、午後の授業を早退した。修二さんに、予め聞いておいた住所に向かった。

いや、なんで授業優先しなかったよ。俺が行っても迷惑だよな?帰るか!と、俺は、来た事を後悔した。
俺の想像以上に、大きな邸宅を前に、帰る事もチャイムを鳴らす事も出来ずに、只立ち尽くし怯んでいた。
しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

どうも。チートαの運命の番、やらせてもらってます。

Q矢(Q.➽)
BL
アラフォーおっさんΩの一人語りで話が進みます。 典型的、屑には天誅話。 突発的な手慰みショートショート。

届かない「ただいま」

AzureHaru
BL
いつも通りの変わらない日常のはずだった。 「行ってきます。」と言って出て行った貴方。1日が終わる頃に「ただいま。」と「おかえり。」を笑顔で交わすはずだった。でも、その言葉はもう貴方には届かない。 これは「優しさが奪った日常」の物語。

僕の幸せは

春夏
BL
【完結しました】 【エールいただきました。ありがとうございます】 【たくさんの“いいね”ありがとうございます】 【たくさんの方々に読んでいただけて本当に嬉しいです。ありがとうございます!】 恋人に捨てられた悠の心情。 話は別れから始まります。全編が悠の視点です。

【本編完結】αに不倫されて離婚を突き付けられているけど別れたくない男Ωの話

雷尾
BL
本人が別れたくないって言うんなら仕方ないですよね。 一旦本編完結、気力があればその後か番外編を少しだけ書こうかと思ってます。

僕の番

結城れい
BL
白石湊(しらいし みなと)は、大学生のΩだ。αの番がいて同棲までしている。最近湊は、番である森颯真(もり そうま)の衣服を集めることがやめられない。気づかれないように少しずつ集めていくが―― ※他サイトにも掲載

【完結】幼馴染から離れたい。

June
BL
隣に立つのは運命の番なんだ。 βの谷口優希にはαである幼馴染の伊賀崎朔がいる。だが、ある日の出来事をきっかけに、幼馴染以上に大切な存在だったのだと気づいてしまう。 番外編 伊賀崎朔視点もあります。 (12月:改正版) 8/16番外編出しました!!!!! 読んでくださった読者の皆様、たくさんの❤️ありがとうございます😭 1/27 1000❤️ありがとうございます😭 3/6 2000❤️ありがとうございます😭 4/29 3000❤️ありがとうございます😭 8/13 4000❤️ありがとうございます😭 12/10 5000❤️ありがとうございます😭 わたし5は好きな数字です💕 お気に入り登録が500を超えているだと???!嬉しすぎますありがとうございます😭

番を拒み続けるΩと、執着を隠しきれないαが同じ学園で再会したら逃げ場がなくなった話 ――優等生αの過保護な束縛は恋か支配か

雪兎
BL
第二性が存在する世界。 Ωであることを隠し、平穏な学園生活を送ろうと決めていた転校生・湊。 しかし入学初日、彼の前に現れたのは―― 幼い頃に「番になろう」と言ってきた幼馴染のα・蓮だった。 成績優秀、容姿端麗、生徒から絶大な信頼を集める完璧なα。 だが湊だけが知っている。 彼が異常なほど執着深いことを。 「大丈夫、全部管理してあげる」 「君が困らないようにしてるだけだよ」 座席、時間割、交友関係、体調管理。 いつの間にか整えられていく環境。 逃げ場のない距離。 番を拒みたいΩと、手放す気のないα。 これは保護か、それとも束縛か。 閉じた学園の中で、二人の関係は静かに歪み始める――。

ただ愛されたいと願う

藤雪たすく
BL
自分の居場所を求めながら、劣等感に苛まれているオメガの清末 海里。 やっと側にいたいと思える人を見つけたけれど、その人は……

処理中です...