気付いたら異世界でしたってそんな漫画みたいな（1話から修正中）

旅立ち。

隣国10

乙女ゲームとBLゲームに酷似している世界って、それなんて嫌な世界だ。
せめて男が喜ぶ、女の子にモテるハーレムゲームが良かった。
それが男にしかモテないなんて、俺には耐えられない！
そういえば、騎士団長が1番甘々だったのは、攻略対象で初めての人でも攻略出来る様に設定されているのか？
他の攻略対象者と思しき者達は、1人攻略したら次々開放されて、最後に全愛されルートになるとか？そんなルート嫌だ！
全てのフラグを折ってやる！
俺は、握り拳を作りながら、頑く心に誓ったのだった。







長い眠りに就いていた様な気がする。
豪華なベッドから飛び起きた俺に、魔術師団長のクロノさんが声をかけてきた。

「良かった！反応ないから、目を覚まさないかと思ったよ！」

涙ながらに、ぎゅうっと抱きついたクロノさんは、普段より幼く見えた。

「少し寝てただけじゃないですか。大袈裟ですよー。」

ぽんぽん頭を撫でる。うん、美人って頭の形も綺麗だな。

「大袈裟じゃない！タスクは、3日間も寝てたんだよ！」

ぐずぐず泣き出したクロノさんが可愛いくって、思わず聞き逃した。

「クロノさん可愛い‥。」

声に出してしまった俺に、クロノさんは、顔を真っ赤にしている。怒らせてしまったか？震え出したし。

「なっ、何言ってんだよ！俺の事より、タスクは、3日間寝てたんだから、何か身体がおかしかったりしない？大丈夫？」

真っ赤になりながら俺を心配するクロノさんが言った言葉が漸く脳内に響き渡った。

「え、俺そんなに寝てたの？？！」

「そうだよ！俺がずっと、タスクの生命維持してたんだからな！ばかっ！」

ぐずぐずに泣きながら、またも抱き着くクロノさんが可愛くって、どうしよう。
そして、魔法万能だな。

「まだ、3日だから良かったけど、タスクの身体が急速に弱って大変だったんだからな！」