真夜中の不思議なお店

桜 晴樹

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最近夢見が悪い。
坂本雅敏さかもとまさとしは、そう感じた。
それというのも、同僚の遠野悟とおのさとると、数日前に飲みに行ってからだった。
坂本は、普段ミスなど余りしないが、10日前に重大なミスをし、相手の会社にも迷惑をかけてしまった。
その事で、コンビを組んでいた遠野共々残業になってしまった。
自身が招いた事だったので、反省をし迷惑かけた方々にも誠心誠意謝った。
そして数日前に、遠野に謝罪の気持ちで飲みに誘って奢った。
だが、遠野は思った以上に下戸で、歩けない遠野を自宅まで送った。
その道すがら、奇妙な居酒屋を発見した。
その居酒屋に奇妙な感じを受けたが、足の赴くままに入った。
「にゃにゃ!お客さんにゃ!いらっしゃいませ!一名様ですね!カウンター席でいいかにゃ?」
猫耳少女が、坂本の手を握ってカウンター席まで案内した。
奥から、狸の耳をした中年の男が出てきた。
「いらっしゃい。何にします?」
狸男に聞かれ、カウンター席に座りながら、坂本は答えた。
「じゃあ、ビールと枝豆をお願いします。」
坂本は、居酒屋に入ると、決まってビールから頼む。枝豆の他には豆腐や焼き鳥も頼む。直ぐに注文した物が出された。摘みながら、日本酒や焼酎も頼む。
坂本は、誰よりも酒豪だ。酒をどんなに飲んでも酔わない。
だが、この居酒屋の酒は不思議な感覚がした。
初めての、ふわふわとした感覚。それは酩酊感というものではないのかと、坂本は思った。これは、坂本にとってとても楽しい出来事になった。店主であろう狸男に営業時間を聞いてみた。
「店主、この店の営業時間は?」
「へい、0時から4時迄の深夜営業で御座いますよ。」
「ほお。そんな時間でも、客は来るんだな。」
駅から遠いが、坂本はまた来ようと思った。
ほど良い酩酊感で、楽しくお酒を飲んで、いつの間にか帰宅をしていた。坂本は、会社が休みの日の前の日にもう一度、お店に足を運んだ。だが、そのお店の場所に行ってみてもそれらしいお店が見当たらない。
「?どういう事だ?」
まるでそれは、狐に化かされたかの様な不思議な感覚だった。
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