邪神の使徒

６

「無事に復讐を成功されたようなので、こちらからのお願いを聞いてもらいましょう」
「世界に皇帝が死んだことを伝えるだっけか」
「ええ、その通りです」
アーデルシエは満足そうにうなずいた。
そして空中から、透明な球体と紙をとりだした。
「では全世界へ、放送を始めましょう。内容はそこに書かれていることを、お願いします」
紙には皇帝とその重臣達が死んだこと、そのため支配者がいないこと、邪神に認められた人が生まれたこと、が書かれていた。
「では始めましょう」
透明な球体を俺の前に置いた。
「話し始めてください」
「今日皇帝とその重臣達が死んだ。それ以外にも護衛の兵士が多く死んだ。そのため帝国には、強力な支配者がいない。皇帝と重臣達を殺したのは、邪神に認められた人間だ。そいつは民衆に紛れ込むために、連合へ向かっている。そいつは人類の敵だ」
アーデルシエは球体を回収して、笑った。
「すごいですね。私が伝えろと言ったものを伝えて、なおかつ自分の安全を少しは確保した」
「そうでもしないと俺が狙われるからな。これからどうすればいい」
「今のところやってもらいたいことはありません。それに契約はこれまでですしね。長生きして世界に混乱を生んでください。有り難う御座いました」
そう微笑みながら言うと、アーデルシエは消えた。
「これからどうするかな」
とりあえず金を回収してから城を早く出て、後の事はそれから考えよう。