邪神の使徒

7

剣は駄目、王冠も駄目。
皇帝達が身に付けていた宝石類は、誰のかわかりそうだ。
金貨数枚しか、誰のか分からなそうな財産はなかった。
すぐ人が来そうだ。
急いでもといた部屋に戻る。
なんとか見付からずに戻れた。
ココン
部屋についてすぐ人が来た。
「おい、何か知ってるか」
「何があったんですか」
「城内が大混乱だ。兵の多くが死んだらしい。何か変なことがあったか」
「いいえ。特に何もなかったと思います」
「ちっ。役に立たん」
そう吐き捨てて、確認に来た兵士は帰っていった。
「よし」
とりあえず、俺がしたと知られていないようだ。
混乱が収まる前にさっさと城を出よう。
少しよりみちをしつつ、上に人が来ると言う条件で罠を張りながら出入口についた。
「何のようだ」
「私がここにいても邪魔になると思い、何か食べるものを買ってこようとおもいまして」
「金は」
「すでにいただいております」
「ほんの少しだが持っていけ」
門番は銀貨を数枚手渡して、門を開けた。
「良かったな」
金貨だけだと使いずらいし、怪しまれるかも知れない。
まず腹ごしらえをしてから、能力の確認と貸家を探そう。
大通りへ出ると、活気溢れた日常があった。
まだ皇帝達が死んだことを知らないようだ。
串焼きとパンを買って食べた。
食べている間に早馬が駆け抜けた。
そろそろ騒ぎだすか。
さっさと貸家をさがそう。