邪神の使徒

10

「大丈夫か」
戦闘をする隊と隊を移動している間に俺たちは奇襲され分断されながら逃げた。
「アレス、ジュード、セクタどこにいるの」
いつもみんなを回復させているエルザが声をかけた。
「俺はここだ」
「しっ。ジュードはやられた」
俺、セクタが答えた。
奇襲してきたのは二十人ほど、奇襲じゃなければなんとかなるが、奇襲されたことで逃げれれば良いぐらいだろう。
「寄るなー俺に近寄るなー」
惨めに叫ぶ。
これで仲間は俺の近くに寄らず、敵は場所がわかり近付くはずだ。
周り、着ている物に罠を張る。
条件は直線上にセクタ、エルザ、俺がいないときに人がいること。
もしくは三十秒から五分でそこまで長くないようにし、セクタ、エルザがいるときも攻撃が出来るようにした。
予想どうり近付いてきているようだが森の中、日が沈み、残照だけで視界が確保されている。
幸いここらは激しい起伏がなく、奇襲されて分断されたが集合は容易だろう。
俺と一旦離れていた敵が近付き罠にかかる。
それで俺を追いかけてきた敵はあらかた殺せた。
さっさと二人を助けに行きたい。
まずはエルザからだな。
いくら聖具で回復できるとしても、戦闘能力は一番弱い。
森の中だからか飛び道具使いはあまりいない。
上方向にセクタ、エルザ、俺がいない時に発動する罠を少し前に声がした方向に張る。
探すと戦闘音がするためすぐわかった。
エルザの元へ駆ける。
剣と立ち回り、聖具を使った回復、俺がみんなに渡していた発動を願えば槍が出る罠を張った紙、それでなんとかしのいでいるようだ。