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第一章 「魔物使いとアナグラム遊び」
#4 虎使いとアナグラム
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白獣は美弥へと飛び乗り、その口から大きな舌出す。
次に映る惨状を予感した俺は、思わず目を閉じた。
ぺちゃぺちゃと響く音。
それは今行われている惨状を俺に伝えるようで、俺は身震いした。
そして聞こえる、きゃははと笑う美弥の声。
それはまるで地獄から美弥が俺をあざけ笑っているようで、俺は身震いした。
はは、やめてーやくすぐったいやん、と聞こえる美弥の声。
それはまるでペットとじゃれている女子高生のようで、俺は……首を傾げた。
「ん?」
恐る恐る目を開くと、見えた視界。
そこにはきゃははと笑う美弥と、その顔をぺろぺろと舐める白い虎。
そしてすりすりと身体をこすりつけ、美弥がくすぐったそうな表情を浮かべていた。
まるでペットの猫とじゃれるようなその光景に、俺は唖然としていた。
「何これ。どういう状況?」
「あはは、それはうちのってくすぐったいやん~!」
美弥は嬉しそうに悶えていた。
人懐っこいモンスターなのだろうか? デカい猫と思えば可愛いような気もするが?
そう思った俺もその白獣の元へ近づき、その毛並みを確かめようとする。
が。
「ぐるぅうううう!!」
凄い唸り声を上げた白獣は、毛を逆立たせ、こちらを威嚇してきた。
ひぃと、俺は情けない声をあげ、その場から飛び引いた。
「こら! いかんで!」
その美弥の叱り声に、くぅーんと白獣は項垂れた。
「お座り!」
そう美弥が言うと、まるで忠犬のように立派なお座りを披露するその白獣。
一糸乱れぬその姿はまるで石像のように動かない。
「彰~この子に悪気はないねん。根はいい子やねん~許してや」
ぽんぽんと白獣を叩きながら、美弥は柔和な表情を浮かべる。
まるで十年連れ添った飼い主と相棒犬のようなその光景。
俺は美弥と白獣を何度も交互に見やりながら、美弥に聞いた。
「……どういうことだよ」
「あれやな。うちのタイガー愛がついに実ったんやな」
うんうんと頷く美弥。
それにつられるようにうんうんと頭を上下させる白い虎。
「全く答えになっていないんだが……」
「いや当たらずとも十カラスやで」
中あたらずと雖いえども遠からずだろ、という突っ込みは野暮だと思った俺。
なんとなく言いたいことは分かったので、その言葉の続きを待った。
「この世界に来る前に、聞こえた言葉覚えとる?」
あの白い空間で脳へと響いた謎の声のことを言っているんだろう。
俺は頷いた。
「その時に言っていた言葉で、性格や趣味、持ち物で職種やスキルとかなんたらって話あったやん?」
それがこの状況にどうやってつながるのかという思考の前に、美弥がそれを出した。
【 名 前 】 ミヤ
【 職 種 】 魔物使い
【 レベル 】 1
【 経験値 】 0(次のレベルまで10)
【 H P 】 10/10
【 M P 】 10/10
【 攻撃力 】 19
【 防御力 】 8
【 俊敏性 】 5
【 運 】 5
「トラッキーに襲われた瞬間に気付いたんやけど、これがうちのステータスらしいねん」
「……魔物使いか」
「そうやねん。で本題やねんけど、一番下のこれ見てや」
【 スキル 】 虎A使い……【Aランクまでの虎系モンスターをペットにすることができる】
【 ペット 】 トラッキー《ユニコーンタイガー LV50》
美弥の指の先には、そのようなステータスが記されていた。
「トラッキーに触った瞬間、このスキルが発動したねん。結果、トラッキーとうちは熱い絆で結ばれてハッピーエンドという訳や」
ふん、と偉そうに鼻息を鳴らした美弥は、大げさに無い胸を張った。
「……まぁ、大体分かった」
タイガースが好きな美弥は、異世界転生の能力として【虎A使い】を得た。
そして、虎系のモンスターのユニコーンタイガーをペットにすることができた。
で、この状況というわけか。
「うちにぴったりの能力やね」
トラッキーと名付けたらしいその白獣の喉元を、上機嫌で撫でる美弥。
ゴロゴロと気持ちよさそうに喉を鳴らす、野生を忘れた飼い虎。
なんか強そうだけど、羨ましくないぞ。
俺は全然羨ましくない。
……だが、それは見えてしまう。
美弥が見せてくれているステータスの下にある、その威厳もへったくれもない糞猫のステータスが見えてしまう。
【 名 前 】 トラッキー
【 種 】 ユニコーンタイガー《ランクA》
【 レベル 】 50
【 経験値 】 160000(次のレベルまで18000)
【 H P 】 395/395
【 M P 】 200/200
【 攻撃力 】 355
【 防御力 】 355
【 俊敏性 】 500
【 運 】 255
【 スキル 】 全属性魔法耐性 魔族キラー ホーリーフレイム
めっちゃ強いですやん。
ドラ〇エとかやっている俺から見ても、これがかなりの高ステータスであることは疑いようがない。
それになんだよ全属性魔法耐性って。ホーリーフレイムって。
神々しいスキルだなおい。
そんな自分の能力を己のために使わずただ言われたがままに行動するイエスマンならぬイエスタイガーで、喉をゴロゴロと鳴らす威厳も減ったくれもない糞猫なんてうらやましくな――くないし、少し羨ましいと俺は心の中で思った。
いややっぱり凄く羨ましい!
これがチートか。チート能力なのか!
そんなもんもんとした感情が、美弥の一言でぴゃしゃりと変わった。
「そう言えば、彰のステータスってなんなん?」
そ う い え ば 忘 れ て た。
美弥にもあるんだから、俺にもステータスがあって当然だ。
「どうやって見るんだ?」
「感覚的なもんやけど、ステータスって心の中で唱えれば見れると思うで」
俺のステータス。そして特殊能力。
ワクワクしない訳はない。だって目の前にこんなすごい能力を持つ美弥がいるんだから。
能力は何だろ?
美弥はタイガースが好きだったから、魔物使いの能力だった。
性格、趣味、持ち物とかいう要素の中で、美弥は趣味で能力が選ばれたのだろう。
いや、スポーツ紙っていう持ち物も少なからず関係しているように思える。
「ん? 俺は確か――」
彩から渡された空気力学の本を持っていた。
空気力学、ここから連想するに風魔法とかありそうだな。
風魔法――いいなこれ。竜巻とか起こしたり、空とか飛べそうだし。
空を飛ぶ自分の姿を想像すると、心は高ぶり、身体は熱くなった。
風魔法。これでもう間違いないでしょ。
そう勝手に結論付け、俺はその言葉を心で唱えた。
ステータス、と。
【 名 前 】 アキラ
【 職 種 】 魔法使い
【 レベル 】 1
【 経験値 】 0(次のレベルまで10)
【 H P 】 10/10
【 M P 】 10/10
【 攻撃力 】 8
【 防御力 】 8
【 俊敏性 】 8
【 運 】 8
「おお! 魔法使い!」
キタ! これはキタ!
もう間違いない。俺は風の魔法使いだ。
俺はタ〇コプターが無くても空を自由に飛べるし、とあるTCGの魔法カードを使わなくてもサイクロンを使うことができる。やったぜ。
風の賢者――近い将来そう呼ばれることを確信し、俺はウキウキとしながら、自分のステータスを下部に目を向ける。
【 スキル 】 なし
【特殊スキル】 アナグラム……【アナグラムで遊べる】
「……ん?」
アナグラム。その予期せぬ文字列に俺はしばし固まった。
穴g?
何グラムだよこれ。
次に映る惨状を予感した俺は、思わず目を閉じた。
ぺちゃぺちゃと響く音。
それは今行われている惨状を俺に伝えるようで、俺は身震いした。
そして聞こえる、きゃははと笑う美弥の声。
それはまるで地獄から美弥が俺をあざけ笑っているようで、俺は身震いした。
はは、やめてーやくすぐったいやん、と聞こえる美弥の声。
それはまるでペットとじゃれている女子高生のようで、俺は……首を傾げた。
「ん?」
恐る恐る目を開くと、見えた視界。
そこにはきゃははと笑う美弥と、その顔をぺろぺろと舐める白い虎。
そしてすりすりと身体をこすりつけ、美弥がくすぐったそうな表情を浮かべていた。
まるでペットの猫とじゃれるようなその光景に、俺は唖然としていた。
「何これ。どういう状況?」
「あはは、それはうちのってくすぐったいやん~!」
美弥は嬉しそうに悶えていた。
人懐っこいモンスターなのだろうか? デカい猫と思えば可愛いような気もするが?
そう思った俺もその白獣の元へ近づき、その毛並みを確かめようとする。
が。
「ぐるぅうううう!!」
凄い唸り声を上げた白獣は、毛を逆立たせ、こちらを威嚇してきた。
ひぃと、俺は情けない声をあげ、その場から飛び引いた。
「こら! いかんで!」
その美弥の叱り声に、くぅーんと白獣は項垂れた。
「お座り!」
そう美弥が言うと、まるで忠犬のように立派なお座りを披露するその白獣。
一糸乱れぬその姿はまるで石像のように動かない。
「彰~この子に悪気はないねん。根はいい子やねん~許してや」
ぽんぽんと白獣を叩きながら、美弥は柔和な表情を浮かべる。
まるで十年連れ添った飼い主と相棒犬のようなその光景。
俺は美弥と白獣を何度も交互に見やりながら、美弥に聞いた。
「……どういうことだよ」
「あれやな。うちのタイガー愛がついに実ったんやな」
うんうんと頷く美弥。
それにつられるようにうんうんと頭を上下させる白い虎。
「全く答えになっていないんだが……」
「いや当たらずとも十カラスやで」
中あたらずと雖いえども遠からずだろ、という突っ込みは野暮だと思った俺。
なんとなく言いたいことは分かったので、その言葉の続きを待った。
「この世界に来る前に、聞こえた言葉覚えとる?」
あの白い空間で脳へと響いた謎の声のことを言っているんだろう。
俺は頷いた。
「その時に言っていた言葉で、性格や趣味、持ち物で職種やスキルとかなんたらって話あったやん?」
それがこの状況にどうやってつながるのかという思考の前に、美弥がそれを出した。
【 名 前 】 ミヤ
【 職 種 】 魔物使い
【 レベル 】 1
【 経験値 】 0(次のレベルまで10)
【 H P 】 10/10
【 M P 】 10/10
【 攻撃力 】 19
【 防御力 】 8
【 俊敏性 】 5
【 運 】 5
「トラッキーに襲われた瞬間に気付いたんやけど、これがうちのステータスらしいねん」
「……魔物使いか」
「そうやねん。で本題やねんけど、一番下のこれ見てや」
【 スキル 】 虎A使い……【Aランクまでの虎系モンスターをペットにすることができる】
【 ペット 】 トラッキー《ユニコーンタイガー LV50》
美弥の指の先には、そのようなステータスが記されていた。
「トラッキーに触った瞬間、このスキルが発動したねん。結果、トラッキーとうちは熱い絆で結ばれてハッピーエンドという訳や」
ふん、と偉そうに鼻息を鳴らした美弥は、大げさに無い胸を張った。
「……まぁ、大体分かった」
タイガースが好きな美弥は、異世界転生の能力として【虎A使い】を得た。
そして、虎系のモンスターのユニコーンタイガーをペットにすることができた。
で、この状況というわけか。
「うちにぴったりの能力やね」
トラッキーと名付けたらしいその白獣の喉元を、上機嫌で撫でる美弥。
ゴロゴロと気持ちよさそうに喉を鳴らす、野生を忘れた飼い虎。
なんか強そうだけど、羨ましくないぞ。
俺は全然羨ましくない。
……だが、それは見えてしまう。
美弥が見せてくれているステータスの下にある、その威厳もへったくれもない糞猫のステータスが見えてしまう。
【 名 前 】 トラッキー
【 種 】 ユニコーンタイガー《ランクA》
【 レベル 】 50
【 経験値 】 160000(次のレベルまで18000)
【 H P 】 395/395
【 M P 】 200/200
【 攻撃力 】 355
【 防御力 】 355
【 俊敏性 】 500
【 運 】 255
【 スキル 】 全属性魔法耐性 魔族キラー ホーリーフレイム
めっちゃ強いですやん。
ドラ〇エとかやっている俺から見ても、これがかなりの高ステータスであることは疑いようがない。
それになんだよ全属性魔法耐性って。ホーリーフレイムって。
神々しいスキルだなおい。
そんな自分の能力を己のために使わずただ言われたがままに行動するイエスマンならぬイエスタイガーで、喉をゴロゴロと鳴らす威厳も減ったくれもない糞猫なんてうらやましくな――くないし、少し羨ましいと俺は心の中で思った。
いややっぱり凄く羨ましい!
これがチートか。チート能力なのか!
そんなもんもんとした感情が、美弥の一言でぴゃしゃりと変わった。
「そう言えば、彰のステータスってなんなん?」
そ う い え ば 忘 れ て た。
美弥にもあるんだから、俺にもステータスがあって当然だ。
「どうやって見るんだ?」
「感覚的なもんやけど、ステータスって心の中で唱えれば見れると思うで」
俺のステータス。そして特殊能力。
ワクワクしない訳はない。だって目の前にこんなすごい能力を持つ美弥がいるんだから。
能力は何だろ?
美弥はタイガースが好きだったから、魔物使いの能力だった。
性格、趣味、持ち物とかいう要素の中で、美弥は趣味で能力が選ばれたのだろう。
いや、スポーツ紙っていう持ち物も少なからず関係しているように思える。
「ん? 俺は確か――」
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空気力学、ここから連想するに風魔法とかありそうだな。
風魔法――いいなこれ。竜巻とか起こしたり、空とか飛べそうだし。
空を飛ぶ自分の姿を想像すると、心は高ぶり、身体は熱くなった。
風魔法。これでもう間違いないでしょ。
そう勝手に結論付け、俺はその言葉を心で唱えた。
ステータス、と。
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【 経験値 】 0(次のレベルまで10)
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【 M P 】 10/10
【 攻撃力 】 8
【 防御力 】 8
【 俊敏性 】 8
【 運 】 8
「おお! 魔法使い!」
キタ! これはキタ!
もう間違いない。俺は風の魔法使いだ。
俺はタ〇コプターが無くても空を自由に飛べるし、とあるTCGの魔法カードを使わなくてもサイクロンを使うことができる。やったぜ。
風の賢者――近い将来そう呼ばれることを確信し、俺はウキウキとしながら、自分のステータスを下部に目を向ける。
【 スキル 】 なし
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