アナグラムの勇者 ~異世界を書き換えるリライトスキル~

ぎゃもーい

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第一章 「魔物使いとアナグラム遊び」

#11 お金は大事。

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 異世界二日目の朝。
 俺は、まだ眠そうに瞼を擦るミヤと共に冒険者ギルドへと向かっていた。

「ふぁはは、眠いわ」

 ミヤはトラッキーの大きく欠伸をしていた。

「んにゃはぁぁあ、そんでアキラこれからどうするん?」

 トラッキーの上で寝そべって身体を伸ばし、ミヤは声を上げる。
 昨日の夕食の時にも話し合ったが、当面の方向性を決めておこうということになっていた。

「とりあえず、金稼ぎが最優先事項だな。他の奴らを探すにしても俺たちだけじゃ無理があるし、依頼を出すにしても金がかかる。それに生活していくのだってもちろんタダじゃないしな」

「お金か~。現実世界と同じやね」

 FAにもお金がかかるしなぁ、と小さくミヤはつぶやく。
 異論は無さそうなので俺は続ける。

「後はレベル上げや冒険者ランク上げることも重点的にやっておいた方がいいと思う。この辺りはやっていて損はないし、金稼ぎと並行してやれるはずだしな」
「よく分かんけどそれでいいでぇ~うちは難しいこと分からんからなぁ。そこらへんはアキラに任せるわー」

 そこまで難しい話をしているつもりはないが、ミヤがそれでいいと言っているので当面の方針は決まった。

 最優先事項は金稼ぎ。
 そして、レベル上げ、冒険者ランク上げ。
 これらが俺たちの当面の目標だ。


 冒険ギルドにいくと、いつもと同じ受付嬢――ミリアが迎えてくれた。
 こんな朝早いのに、普段通りに営業スマイルが眩しい。

「いらっしゃいませ! アキラさんとミヤさんおはようございます」
「おはようございます。えーと依頼ってありますか?」
「はい、Fランクの依頼ですね。少々お待ちを」

 ペラペラと台帳のようなものを捲り、ミリアはそこから2枚の紙取り出し受付台の上へと置いた。

「今のところ、この2件がFランクで受けられる依頼になります」

 俺はその2つの依頼内容に目を通した。

【依頼No】11
【依頼名】20枚のやくそうの収集
【報 酬】銀貨5枚
【内 容】ヘルラルラ平原に自生しているやくそうの収集です。初心者冒険者ルーキーにも簡単な依頼です。

【依頼No】81
【依頼名】リンリンゴ討伐チームの募集
【報 酬】出来高制
【内 容】レアモンスターリンリンゴを倒し、ドロップ品の黄金リンゴを手に入れるための討伐チームの募集。腕に自信のある冒険者募集。


 黄金リンゴというフレーズに興味が引かれたが、腕に自信のある冒険者という文面が少し気になった。ミリアさんが言うには【リンリンゴ討伐チームの募集】は人手不足らしく、どのランクの冒険者にも募集している依頼だそうだ。

 うーん。
 黄金リンゴは気になるが、ミヤはともかく俺の実力的には厳しそうだ。

 【20枚のやくそうの収集】の方が無難だろう。
 やくそうの収集ついでにスライムを討伐すればレベル上げもできるだろうし。

 そう結論付け、俺はミヤへと尋ねた。

「これでいいよな?」

 と聞くが、反応がない。てか、ミヤが近くにいない。
 見れば冒険者パーティが大勢いるテーブル席の方で、ミヤととトラッキーは大勢の冒険者に囲まれていた。

「うちの鷲乃爪イーグルクローに入らないか?」
「いやいやうちの紅団くれないだんにぜひ。待遇もいいぞ」

 どうやら勧誘のようだった。
 トラッキーを仕えさせるほどの能力を持っている当然といえば当然か。

「えと、うん、ごめんな。間に合っとるわ、うん」

 苦笑を浮かべるミヤは、何とかその集団を押しのけ、こちらに向かう。

「ごめんなアキラ、ちょっと絡まれてたわ」

 あははと空笑いする美弥。

「……別にお前がどこかに入りたいなら止めないが」

 その一言に、一瞬はてなマークが出ていそうな顔を浮かべるミヤ。
 が、すぐにいつも通りの大らかな笑みにそれは変わる。

「ははは、おもろいこというなぁアキラ~」

 一瞬ネタやと分からんかったとわ~と笑い声をあげるミヤ。

「うちがいないとアキラは駄目やろ~」

 人差し指を揺らしながら、ミヤはくくくと笑う。
 少しばかりいらっとしたその言葉だったが、一方でどこかほっとした俺がいた。

「で、受ける依頼は決まったん?」

 その言葉で、俺は本題を思い出す。

「ああ、このやくそう収集のやつを受けようと思う。報酬も悪くないし、昨日と同じ場所だから勝手もわかるし、レベル上げにも最適だ」
「なるほど、うちもそれでいいで」

 ミヤの了解も得られたので、俺は正式にその依頼を受けることにした。

「了解いたしました。それでは今日の夕方までに完了するようにお願いします。それと……」

 ミリアはゴソゴソと何かを取り出し、俺たちに手渡した。

「なお、アキラさんとミヤさんは鑑定スキルを持っていませんので、やくそうと他の草との判断はできないと思います。1枚現品を提供しますので、これと同じ色形のものを探してください」

 手渡されたやくそうを手に、俺たちは再びヘルラルラ平原へと向かった。
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