嫁ぎ先(予定)で虐げられている前世持ちの小国王女はやり返すことにした

基本二度寝

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「どうでしょうか。ベスフィエラ様」

ニヤニヤと笑う侍女の顔を見れば、自分の頭が酷い状態になっているだろう事は見当がついた。

鏡の中のベスフィエラの頭は、髪を適当にひと括りに結わえ、油を使い、ピョンピョンと寝癖のような無雑作に遊ばせている。

「斬新ね。私には腕が良いのかわからないわ」
「ベスフィエラ様のお国のセンスではわからないかもしれませんが、今わが国の流行りの髪型なのですよ」

くすくすと笑う侍女を見れば、それが嘘なのはすぐにわかる。
こんな頭をした令嬢を他に見たこともない。
まぁ、好きにすれば良いと思う。

「そ。どうもありがとう。では」

すっとベスフィエラは椅子から立ち、扉に向かう。

「…え、と。ベスフィエラ様…?どちらに…」

目を白黒させる侍女にはベスフィエラの行動の意味がわからないのだろう。

「なぁに?着飾ったのだから夜会の会場に行くわよ」
「え、えぇっ…?」
「何変な顔をしてるのよ。早く行くわよ」
「ま、待ってください、そんな格好で…本気ですか!?」

下着姿に、寝癖のような頭。
この姿で人前にでるなんて、おそらく平民でも考えられないだろう。

「おかしなことを言うのね。王妃様に用意されたドレスを着て、この国の流行りの髪型にしてくれたのでしょう?
ならば何も問題ないわ」

扉を開いて、廊下に踏み出す。

侍女の悲鳴のような制止が聞こえるが、無視をした。

部屋の前に待機していた、護衛騎士がベスフィエラの姿を見て、慌てて目をそらした。

「ベスフィエラ様っ!お止めください!!」

ベスフィエラの正面に回り込んで、行く先を遮る。

「そのようなっ破廉恥な格好でっ…!」
「王妃様が用意したドレスを貶すことは許されないわよ。
弁えなさい」

はっとして侍女は言葉を失う。
たった今、おのが言葉で自分の言動を否定してしまったことに気づいただろう。

こんな格好で出歩かれれば、部屋付き侍女の力量を疑われる。
しかし、ベスフィエラを止めたくても、侍女はどうすればよいのかわからず、嘲笑していた顔から血の気が引いた。

夜会の会場へ。

ベスフィエラはついてこい、と護衛騎士と侍女に命じる。

たった数分で侍女の顔は病人のように白くなり、護衛騎士は下着姿のベスフィエラをまともに見つめることもできない。

ベスフィエラの後ろから、トボトボとついていくしかなかった。

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