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二
「っあぁ!終わった…終わった…」
ディーノは手元の書類に最後のチェックを入れ、蹲った。
夜明けまではまだ時間がある。
終わらないと思っていた仕事は、なんとか太陽が顔を出す前に終わった。
夜半から始まった、不幸な者への贈り物配送業務は国からの依頼でディーノの師が請け負っている仕事だった。
予算は国からでているが、決められた枠がある。
その予算から逸脱しないよう、対象を選別し、対象者の幸せに導ける贈り物を選定しなければならない。
寝る時間を削り、仕上げたリストを官庁に提出し、合格が出れば対象者に聖夜に配送を行う。
そこまでも長い作業なのだが、この配送業務が一番キツイ。
たかだか六時間程で国中を巡らなくてはならない。
転移すれば手っ取り早いのに、師は頑なに拒む。
「月の使徒は空からやってこなくちゃおかしいでしょ!」
設定を重視し、ディーノが割りを食う。
一緒に回っていた師は、一時間前に冷えた身体に腰痛が悪化し、先に帰った。
「あとちょっとだからよろしくネ」と言い残して。
「逃げたら地獄の果まで追いかけるよ」と言い残して。
リストを最終確認していく。
一番下まで確認を終えると、文末に『裏面確認』とあった。
恐る恐るリストを裏返す。
一名、名前が残っている。
「まだ一人いた…あぶねぇ…」
すぐさまディーノは飛空すると、最後の一人の元へと向かった。
ディーノは手元の書類に最後のチェックを入れ、蹲った。
夜明けまではまだ時間がある。
終わらないと思っていた仕事は、なんとか太陽が顔を出す前に終わった。
夜半から始まった、不幸な者への贈り物配送業務は国からの依頼でディーノの師が請け負っている仕事だった。
予算は国からでているが、決められた枠がある。
その予算から逸脱しないよう、対象を選別し、対象者の幸せに導ける贈り物を選定しなければならない。
寝る時間を削り、仕上げたリストを官庁に提出し、合格が出れば対象者に聖夜に配送を行う。
そこまでも長い作業なのだが、この配送業務が一番キツイ。
たかだか六時間程で国中を巡らなくてはならない。
転移すれば手っ取り早いのに、師は頑なに拒む。
「月の使徒は空からやってこなくちゃおかしいでしょ!」
設定を重視し、ディーノが割りを食う。
一緒に回っていた師は、一時間前に冷えた身体に腰痛が悪化し、先に帰った。
「あとちょっとだからよろしくネ」と言い残して。
「逃げたら地獄の果まで追いかけるよ」と言い残して。
リストを最終確認していく。
一番下まで確認を終えると、文末に『裏面確認』とあった。
恐る恐るリストを裏返す。
一名、名前が残っている。
「まだ一人いた…あぶねぇ…」
すぐさまディーノは飛空すると、最後の一人の元へと向かった。
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