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十二 エクシル
エリエルが退室してから、伯爵後継者指名は候補者無しで保留の上、解散となった。
父は伯爵家を従兄弟に任せると決めた。
領地にいる従兄弟をすぐに呼び寄せ、当主教育を早急に行っていた。
母といえば、エクシルが不用意に母の視界に入れば、叫び怯え狂った。
その度に父が呼ばれ、エクシルを追い払った。
二人の変わりようにエクシルはどうして良いのかわからなかった。
あの日、エクシルの誕生日に全てが変わった。
当主にはなれず、婚約者と両親からの愛が消えた。
姉が去っただけなのに。
今エクシルはエリエルのような扱いを受けている。
(なんで、私が)
物心ついてから愛され続けたエクシルには耐え難い屈辱の日々だった。
母が戻れば、全て元通り。
いつもの二人に戻ってくれる、それまでの辛抱だと思っていた。
「お前の結婚相手はフィロリネート侯爵に任せようと思う」
父は目を合わせずにエクシルに言った。
「慰謝料を頂けたとしても私と妻の傷が癒えることはない。現状、お前に構ってやれる余裕はない。
なので、縁談を用意してもらうことにした」
「お父様、待ってください。私はまだ婚約破棄されて間もなくて、気持ちの切り替えがっ」
「…貴族の結婚に気持ちは必要ない。明日侯爵領に出発してもらう。準備しておくように」
父は言いたいことだけを告げるとエクシルの前から去った。
いやだ、と泣いても叫んでも駄々をこねても、父と母は戻ってこないし、使用人も寄ってこなかった。
父は伯爵家を従兄弟に任せると決めた。
領地にいる従兄弟をすぐに呼び寄せ、当主教育を早急に行っていた。
母といえば、エクシルが不用意に母の視界に入れば、叫び怯え狂った。
その度に父が呼ばれ、エクシルを追い払った。
二人の変わりようにエクシルはどうして良いのかわからなかった。
あの日、エクシルの誕生日に全てが変わった。
当主にはなれず、婚約者と両親からの愛が消えた。
姉が去っただけなのに。
今エクシルはエリエルのような扱いを受けている。
(なんで、私が)
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母が戻れば、全て元通り。
いつもの二人に戻ってくれる、それまでの辛抱だと思っていた。
「お前の結婚相手はフィロリネート侯爵に任せようと思う」
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「慰謝料を頂けたとしても私と妻の傷が癒えることはない。現状、お前に構ってやれる余裕はない。
なので、縁談を用意してもらうことにした」
「お父様、待ってください。私はまだ婚約破棄されて間もなくて、気持ちの切り替えがっ」
「…貴族の結婚に気持ちは必要ない。明日侯爵領に出発してもらう。準備しておくように」
父は言いたいことだけを告げるとエクシルの前から去った。
いやだ、と泣いても叫んでも駄々をこねても、父と母は戻ってこないし、使用人も寄ってこなかった。
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