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十四 エクシル
「えっ…いまなんて、」
「私の妻に、と」
当主は、エクシルの頬を指先で撫でるとそのまま肌を辿り耳たぶを弄る。
確かに渋く男前な当主だけれど、彼は父よりも年上だ。
彼は親子と言えるほど年の離れた令嬢を妻に据えるつもりなのだ。
しかも、続柄なら姪にあたるエクシルを。
「無理です、認められません」
「そんなことはないよ。君は伯爵家の令嬢で我が侯爵家の生まれではない。戸籍上は他人だから問題ないよ」
優しく微笑む当主に寒気が走る。
弟に瓜ふたつな娘を妻にする、問題ないと当主はエクシルの肩を抱いた。
「…本当に。顔は完璧だし…髪色まで同じで…、あぁ…若い頃の母上にそっくりだ…」
当主の瞳はエクシルを見つめているようで、ここには居ない誰かを見つめている。
エクシルは恐怖で震えた。
「ははっ、兄貴は極度のマザコンなんだ。俺がヘマやらかしてもこの家にまだおいてもらっているのも母親に似ているからだしね。
俺は毛色だけは親父の色だから、瓜ふたつとは行かなかったけど。
その点君は、髪色まで完璧だ!よかったな。兄貴」
「ああ、お前のおかげだ。ありがとう。お前の面倒は一生見てやるから安心しろ」
「サンキュー!持つべき者は優秀な兄様、だな!」
諸悪の根源は立ち上がり部屋から出ようとする。
エクシルは実父に手を伸ばした。
「待って、嫌っ!母親の身代わりで愛されるなんてっ嫌よ!返して、私を家に」
エクシルが暴れても、簡単に当主に捕らえられる。
「君の身柄はうちで預かるようにと陛下に頼まれている。くれぐれも伯爵夫人の前に現れてくれるなと、念書まで書かされた。はっきりいって煩わしかったが、今となっては好都合だった」
「おとなしく兄貴に愛されな。君が母に似てなかったら娼館か修道院だったんだから」
男は実子の頭をぽんぽんと撫でた。
まるで我儘を諭す父親のように。
「私の妻に、と」
当主は、エクシルの頬を指先で撫でるとそのまま肌を辿り耳たぶを弄る。
確かに渋く男前な当主だけれど、彼は父よりも年上だ。
彼は親子と言えるほど年の離れた令嬢を妻に据えるつもりなのだ。
しかも、続柄なら姪にあたるエクシルを。
「無理です、認められません」
「そんなことはないよ。君は伯爵家の令嬢で我が侯爵家の生まれではない。戸籍上は他人だから問題ないよ」
優しく微笑む当主に寒気が走る。
弟に瓜ふたつな娘を妻にする、問題ないと当主はエクシルの肩を抱いた。
「…本当に。顔は完璧だし…髪色まで同じで…、あぁ…若い頃の母上にそっくりだ…」
当主の瞳はエクシルを見つめているようで、ここには居ない誰かを見つめている。
エクシルは恐怖で震えた。
「ははっ、兄貴は極度のマザコンなんだ。俺がヘマやらかしてもこの家にまだおいてもらっているのも母親に似ているからだしね。
俺は毛色だけは親父の色だから、瓜ふたつとは行かなかったけど。
その点君は、髪色まで完璧だ!よかったな。兄貴」
「ああ、お前のおかげだ。ありがとう。お前の面倒は一生見てやるから安心しろ」
「サンキュー!持つべき者は優秀な兄様、だな!」
諸悪の根源は立ち上がり部屋から出ようとする。
エクシルは実父に手を伸ばした。
「待って、嫌っ!母親の身代わりで愛されるなんてっ嫌よ!返して、私を家に」
エクシルが暴れても、簡単に当主に捕らえられる。
「君の身柄はうちで預かるようにと陛下に頼まれている。くれぐれも伯爵夫人の前に現れてくれるなと、念書まで書かされた。はっきりいって煩わしかったが、今となっては好都合だった」
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まるで我儘を諭す父親のように。
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