悪魔の娘だと馬鹿にされても、私は絶対に女王になってやる!

さち

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「食事の時間だ、哀れな娘」

「ん……ありがとう……」

「返事はいらん。 早く食べろ。 瘴気でどうにかなりそうだ」


 雑草と硬い何か……おそらく肉だろう。
 適当に、なべて煮込んだようなものを少女はもそもそと口に運ぶ。
 
 その表情を見れば、おいしくないことだって誰でもわかる。

 この料理を運んだ無精ひげを生やした男だって、承知の上だろう。


「……よくもまぁ、そんなものが食えたものだ」

「……」


 少女は、返事をしない。
 男は、ため息をつくと、ふとランプの明かりが消えかかっていることに気づいた。


「----そろそろ変え時か、飯が終わり次第ランプを変える。 その間はいつもの通り拘束具をつけるからな」

「……はい」

「……本当に哀れだな、悪魔の娘」

「……」


 少女は、食事を終えたのか、皿を扉のほうへと移動させる。
 とはいえ、足は動かないので、少しだけの距離だ。


「ちなみに、お前の追放の日が決まった」

「つい、ほう……」

「そうだ、この場で斬首をした後、森の神聖なる泉の貴様の汚れた体を浄化するために放り込む」


 そうか、死ぬんだ……私。
 少女が感じたのは、少しの動揺と悲しみ。
 だけど、表情に出すほどでもなく、ただ静かに、うなずいた。


「……泣かぬか。果たして理解できてないのか、又は、、本当に感情すらない化け物か……」


 男は、さんざん蔑んだ後、空になった皿を無造作にとり洞窟から出て行った。


「……死んじゃうのかなぁ、私」


 名前も知らないのに。
 
 ぼそっとつぶやいた独り言は、誰の耳元にも届かずただ、洞窟を反響するだけだった。
 ----そのはずだった。
 数十年、誰も彼女の声に反応していないはずだった。
 だが、今日は違った。


「何? 君死ぬの?」


「えっ」


 少女が振り返るとそこには、人の形をしているぼんやりとした光がいた。
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