歪な国と白銀の双子

相崎 ゆの

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ついにこの国も終わりを迎える日がやって来た。
月夜に照らされた城は静けさも相まって不気味だ。
「彼が上手い事避難誘導をしてくれたみたいね」
「あぁ、パレードと名して隣国の方に誘導してるから城の奴らもそっちにいるだろうさ」
それぞれ仮面を床に落とし立ち上がる。
向かう先はーーー

研究室。
パスコードのパネルをリリムは短剣で破壊する。
あっけなく扉は開いた。
中は警告音がビービーと鳴っているがお構いなしに2人は進んでいく。
すると、どこからか部屋から博士が姿を現した。
「何をしているんだ!」
博士が怒鳴り上げている。
「こんな事はもうやめましょう?
ツヌイット博士、いえお爺ちゃん」
その言葉を聞いたツヌイット博士はギョッとしていた。
「い…いつから気づいていた?」
博士は恐る恐る聞く。
「……もう、いつからかなんて覚えてない。僕達はただオリジナルの記憶に残ってた微かな記憶を知っているだけだから」
「姿形を似せたってオリジナルにはなれないのよ…もう、犠牲になる子供達も必要ないわ」
「お前たちを想っての事が何故解らぬ!」
「分かりたくもないわよ!毎回毎回似たような姿の子を贄にし、そうやって出来た器にオリジナルの記憶と今までの経験をインプットされた私たち…もぅうんざりなのよ…」
リリムに寄り添いながらルランはツヌイットを冷たく見つめる。
「僕達の為?ハッ、自分の為の間違いだろ?」
ツヌイットの来た方の奥にやはり目当ての場所がありそうだと2人は思い博士を押し退け奥へ進む。
「待て!そこは行くな、待ってくれ」
体勢を崩した博士が叫んでいた。
部屋には更に地下に進む道が出来ている。
やはり隠し通路があった。
2人はそのまま地下へ向かった。
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