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第1話 金髪不審者

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「おい、ハルト!貴様!何故だ?!」
リビングの方で怒鳴りあげている彼と出会った時の事を振り返る。

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一人暮らしをしている俺はいつもの様に大学に行って帰ってる最中だった。
アパート近くに公園があるのだが、そこに変な奴がいた。
金髪にコスプレでもしているのか、服装も異世界感満載だった。
俺が見ているのに気が着くと、何故かこちらに迫って来た。
やばいと思い直ぐさま逃げる。

少し遠回りをし、アパートの前まで走った。
後ろを振り返ると、彼の姿は無く安堵をした。
「逃げれると思うな」
前から声が聞こえ、そちらに顔を向けると公園にいた奴だった。
血の気が引いた。
そのまま無視をして自分の部屋まで向かう。
「ふざけるな。貴様、俺が見えているのだろ?いい度胸だ、貴様を呪い殺すくらい容易い。」
後ろから恐ろしい事が聞こえ、顔は引き攣るばかり。
身の危険を感じとりあえず、その人に向き直る。
「あの、ついて来て何の用ですか?」
「やっとその気になったか。貴様、これからは俺のしもべとしてやる。有り難く思え」
意味分からない。
やっぱやばい奴だ。
「そういうの興味ないので、他を当たって下さい。」
「いや、それは出来ん。不思議な事に貴様しか姿が見えていないらしい」
いや、絶対皆見て見ぬフリしてるだろ。
「それに、貴様に拒否権はない。貴様の家で暫く暮らすぞ。」
は?
「いや、待て。身知らぬ人を家に入れる訳ないだろ。」
「全く、人間は愚かだな」
いや、無理だろ。
てか、警察に連絡した方が・・・・
「ぐっっ!」
いきなり腹部の痛みと共に目の前が真っ暗になった。
ああ、俺死んだな。
そして、そのまま意識をなくした。
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