まおどう!《魔王と同居》

相崎 ゆの

文字の大きさ
10 / 13

第10話 共闘

しおりを挟む
「晴人大丈夫!?」
駆け寄って来た彩美に手を貸してもらいながら、立ち上がる。
「あの、そんなに怒っているとは知らず」
「晴人、多分こいつは」
「どうやら勇者は分かってるみたいだねぇ」
「!?サタンの仲間っ」
「当たり。私の名前は、ベリアル。」
今までの話し方とは違い気怠げながらも何処か気品のある声。
「どうやら、用がある方々全員揃ったみたいだねぇ」
ベリアルの視線を向けている方に向けた。
「サタン!シュキルさん!」
険悪なムードが漂う。
「ベリアル。貴様勝手にどうゆうつもりだ?」
「サタン様久しぶりですねぇ。どうもこうも聞きたいのはこっちですよ」
「私がきちんと伝達している筈です。そもそも貴方には、城を任せたのに何故こちらにいるのでしょうか」
すると、灰色のオールバックの髪をかきあげながら怠そうに話す。
「だーかーらー。勇者を倒さず仲良しごっこしてるからでしょうが。城は、別に任せたよ」
「貴様、裏切り行為と分かっているか?」
「そのままお返しする。城に残ってるメンバーの意見一致したんだ。勇者を倒す。そして、邪魔するなら例え、サタン様だろうと倒す」
「成る程。誰が裏で手を引いているかは分かりました。意外ですね、貴方が口車に乗せられるとは」
「別に、ただ面白そうだと思っただけさ。さてと、長く話し過ぎた。そろそろくたばってもらう」
突如、ベリアルが晴人達の前に立ったかと思えばすぐ様シュキルの後ろ姿が目の前に移る。
「シュキルさん!?」
「大丈夫です。かすり傷です。」
気付けばベリアルは距離を取っていた。
「勇者、彼が暴れればこの世界はタダでは済まないでしょう。そこで今回のみ手を組みませんか?」
「全然オッケーだけど、この世界で力は使えないんだけどどうすれば良い?」
「そこはご安心を。さてベリアル、広い場所で戦いたくはないですか?」
そう言った後、突然周りの景色が見覚えのあるが何処か違和感がある景色に変わった。
いつからか遊んだ広場だった。
「此処は時空を歪めて創り出した空間です。現実世界に影響が出ない様に結界も張りました。勇者、この空間でなら力が使える筈ですよ。」
「みたいだね。」
彩美は答えると、服が変わった。
「なんか、勇者ってより魔法少女?」
「じっとみられると恥ずかしいからあんまり見ないでよ。私も毎回思ってたけどさ」
そう、防具って感じではなくフリルがついている服。防御面で大丈夫か心配になるくらいだ。あとは、彩美の髪が少し伸びている。武器はきちんと剣の様だ。
「全く、シュキルは敵に回すと厄介だねぇ。だが、その技は相当な消耗の筈だ。しかも、わざわざ結界を2つも張るなんてねぇ。」
「ええ、彼ハルトさんは力を持ちませんから個人でも張らせて頂きましたよ」
「そんな事したら、シュキルさんが」
「ハルトさん、大丈夫です。元々私は非戦闘員です。やむを得ない場合は今の様に戦います。」
そんな話しをしている間にベリアルが背中から翼を出し飛んでいた。
それを見たシュキルも悪魔ならではの羽根を出した。
更に、サタンも二人と違う翼に頭の横に二つの角が生えた。
それが合図の様にサタンとベリアルが交戦する。
サタンのサポートに彩美がついている。
彩美が剣で翼を狙い、サタンは彩美に攻撃を仕掛けられない様に休みなくベリアルに攻め込む。
それを避けながらベリアルはサタンと彩美の両方に電撃を放つ。
彩美に来たものをシュキルが衝撃波で打ち消し、更にサタンに来た攻撃をバリアを部分的に張り当たらない様にしていた。
夢を見ているかの様な情景。
晴人は何も出来る事が無くただ立ち尽くしていた。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

転生先はご近所さん?

フロイライン
ファンタジー
大学受験に失敗し、カノジョにフラれた俺は、ある事故に巻き込まれて死んでしまうが… そんな俺に同情した神様が俺を転生させ、やり直すチャンスをくれた。 でも、並行世界で人々を救うつもりだった俺が転生した先は、近所に住む新婚の伊藤さんだった。

貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。

黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。 この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。

貧弱の英雄

カタナヅキ
ファンタジー
この世界では誰もが生まれた時から「異能」と「レベル」呼ばれる能力を身に付けており、人々はレベルを上げて自分の能力を磨き、それに適した職業に就くのが当たり前だった。しかし、山奥で捨てられていたところを狩人に拾われ、後に「ナイ」と名付けられた少年は「貧弱」という異能の中でも異質な能力を身に付けていた。 貧弱の能力の効果は日付が変更される度に強制的にレベルがリセットされてしまい、生まれた時からナイは「レベル1」だった。どれだけ努力してレベルを上げようと日付変わる度にレベル1に戻ってしまい、レベルで上がった分の能力が低下してしまう。 自分の貧弱の技能に悲観する彼だったが、ある時にレベルを上昇させるときに身に付ける「SP」の存在を知る。これを使用すれば「技能」と呼ばれる様々な技術を身に付ける事を知り、レベルが毎日のようにリセットされる事を逆に利用して彼はSPを溜めて数々の技能を身に付け、落ちこぼれと呼んだ者達を見返すため、底辺から成り上がる―― ※修正要請のコメントは対処後に削除します。

勇者の隣に住んでいただけの村人の話。

カモミール
ファンタジー
とある村に住んでいた英雄にあこがれて勇者を目指すレオという少年がいた。 だが、勇者に選ばれたのはレオの幼馴染である少女ソフィだった。 その事実にレオは打ちのめされ、自堕落な生活を送ることになる。 だがそんなある日、勇者となったソフィが死んだという知らせが届き…? 才能のない村びとである少年が、幼馴染で、好きな人でもあった勇者の少女を救うために勇気を出す物語。

後日譚追加【完結】冤罪で追放された俺、真実の魔法で無実を証明したら手のひら返しの嵐!! でももう遅い、王都ごと見捨てて自由に生きます

なみゆき
ファンタジー
魔王を討ったはずの俺は、冤罪で追放された。 功績は奪われ、婚約は破棄され、裏切り者の烙印を押された。 信じてくれる者は、誰一人いない——そう思っていた。 だが、辺境で出会った古代魔導と、ただ一人俺を信じてくれた彼女が、すべてを変えた。 婚礼と処刑が重なるその日、真実をつきつけ、俺は、王都に“ざまぁ”を叩きつける。 ……でも、もう復讐には興味がない。 俺が欲しかったのは、名誉でも地位でもなく、信じてくれる人だった。 これは、ざまぁの果てに静かな勝利を選んだ、元英雄の物語。

少し冷めた村人少年の冒険記 2

mizuno sei
ファンタジー
 地球からの転生者である主人公トーマは、「はずれギフト」と言われた「ナビゲーションシステム」を持って新しい人生を歩み始めた。  不幸だった前世の記憶から、少し冷めた目で世の中を見つめ、誰にも邪魔されない力を身に着けて第二の人生を楽しもうと考えている。  旅の中でいろいろな人と出会い、成長していく少年の物語。

200万年後 軽トラで未来にやってきた勇者たち

半道海豚
SF
本稿は、生きていくために、文明の痕跡さえない200万年後の未来に旅立ったヒトたちの奮闘を描いています。 最近は温暖化による環境の悪化が話題になっています。温暖化が進行すれば、多くの生物種が絶滅するでしょう。実際、新生代第四紀完新世(現在の地質年代)は生物の大量絶滅の真っ最中だとされています。生物の大量絶滅は地球史上何度も起きていますが、特に大規模なものが“ビッグファイブ”と呼ばれています。5番目が皆さんよくご存じの恐竜絶滅です。そして、現在が6番目で絶賛進行中。しかも理由はヒトの存在。それも産業革命以後とかではなく、何万年も前から。 本稿は、2015年に書き始めましたが、温暖化よりはスーパープルームのほうが衝撃的だろうと考えて北米でのマントル噴出を破局的環境破壊の惹起としました。 第1章と第2章は未来での生き残りをかけた挑戦、第3章以降は競争排除則(ガウゼの法則)がテーマに加わります。第6章以降は大量絶滅は収束したのかがテーマになっています。 どうぞ、お楽しみください。

処理中です...