23 / 59
ラバニエル王国編
第18話 ガツンな料理と釣れたもの
しおりを挟む
私はガツンとしたものを食べたい為、第二城壁と第三城壁の間にある人工の森でスモールボアを狩った。そしてその肉を泉で冷やす間、お昼寝をする事にした。それから1時間ほど経って目が覚めた私は食事の準備に取り掛かる。
まずは泉からスモールボアを引き上げて皮を剥ぎ部位ごとに切り分ける。そして商店街で買った水袋2つに泉の水を入れ、場所を変える為にスモールボアの肉を布袋に押し込み担ぎ上げ歩き始めた。(ここは森の中だから焚き火をして火事になると困るからね)
そして森を出て草原を歩いていると焚き火をした跡がある。私はその場所に荷物を下ろして調理を始める事にした。
食材を入れた布袋からバジル、オレガノ、ローレルのハーブ3種類とニンニク、生姜を取り出してハーブは粉末状に、ニンニクと生姜はすりおろしておく。これらは全てこの森で採集したものだ。これだけのものが割りと簡単に手に入ったのは誰かが意図的に手入れをしているからだろう。(因みに商店街で買ったすり鉢とおろし金で処理したからね)
それから後ろ足2本に塩と粉末ハーブをよく揉み擦り込んでしばらく放置だ。そして前足2本は2口サイズに切ってカバンにあったナイロンの袋に入れ、そこにおろしニンニクと生姜、そして白ワイン少しと醤油を入れてよく揉んでこれもしばらく放置。
塩と白ワインは商店街で買って、醤油はお弁当の時に使おうと150mlのミニペットをカバンに入れていたのでそれを使った。(因みにお弁当は初日の夕食前に食べたよ。お腹空いてたからね)
あと胴体部分が残っているが、内臓を取り出した部分の内臓脂肪を木製スプーンを使ってかき集め木製の深皿にのせておく。それからナイフで何回も突き刺してから塩を揉み込みハーブ粉末とおろしニンニクも揉み込んでこれもまた放置だ。
そして走って森に戻り、落ち枝と手頃な倒木を集めて再び草原に舞い戻る。(ちょっと急がしいんですけど‥‥‥)
それから持ってきた枝と倒木を使って焚き火を2ヶ所準備する。火はカバンに入れてた火付け石を使った。(常備品だからね)
これで下準備は完了だ。塩とハーブをすり込んだ後ろ足はエルフィーさんからもらった長さ60cmほどの鉄棒に刺して焚き火の側であぶり焼き。醤油とモロモロに漬け込んだぶつ切りの前足2本分は鍋に内臓脂肪を入れて火にかけて簡易ラードを作り、そこに小麦粉を付けた肉を放り込み揚げていく。
そして色々すり込んだ胴体はもう1つの焚き火で四方八方から鉄棒をぶっ刺して弱めの火で燻し焼きだ。
これで全ての調理が終わった。色々と足りないものがあったけど、なんとか美味しいと感じるレベルのものは出来たと思う。そして時間は昼を通り越して夕方だ。私は水袋に青の聖女が使う特殊能力『清涼』で中の泉の水を浄化して乾いた喉を潤した。
「ぷはー、めちゃくちゃ旨いなこの水。これでやっとガツンとしたものが食べれるよ」
私はよく焼けている塩とハーブをすり込んだ後ろ足を1本鉄棒から抜いて手に持ち、大きく口を開けて豪快にガブリと食べた。(私は慣れてるから手で持てるけど普通に熱いからね)
「めっちゃ、うんまー!なんじゃこれ!」
そのスモールボアの肉は適度な固さで噛めば噛むほど肉の旨味が溢れ出てくる。そしてまた脂身が途轍もなく旨い。ハーブもいい仕事をしているが、この肉自体のポテンシャルがもの凄いのだ。私は一心不乱に肉に噛みつき小さくない足1本を食べ尽くした。
「もうあれだな。城下町じゃなくてここに住もうかな。これはもう森の動物全種類食べ尽くし生活を始めるしかないのだ!」
私は右手に握る骨だけになった後ろ足を空高く掲げ叫ぶのであった。そしてその時、後ろで人の気配を感じた私は反対方向に飛び、右手の骨を捨てて腰の後ろから投げ捨て用の鉄棒を取り出し身構えた。
「あっ!誰かと思ったら奏お姉ちゃんが美味しそうなもの食べてる!」
私は構えを解き鉄棒を戻す。その気配は私がよく知る人物だ。そう、花売り幼女チッチェ。本日3度目の再会であった。もちろん射程外と大気圏外も居る。
どうやらガツンとした料理で幼女と射程外と大気圏外が釣れたようだ。
まずは泉からスモールボアを引き上げて皮を剥ぎ部位ごとに切り分ける。そして商店街で買った水袋2つに泉の水を入れ、場所を変える為にスモールボアの肉を布袋に押し込み担ぎ上げ歩き始めた。(ここは森の中だから焚き火をして火事になると困るからね)
そして森を出て草原を歩いていると焚き火をした跡がある。私はその場所に荷物を下ろして調理を始める事にした。
食材を入れた布袋からバジル、オレガノ、ローレルのハーブ3種類とニンニク、生姜を取り出してハーブは粉末状に、ニンニクと生姜はすりおろしておく。これらは全てこの森で採集したものだ。これだけのものが割りと簡単に手に入ったのは誰かが意図的に手入れをしているからだろう。(因みに商店街で買ったすり鉢とおろし金で処理したからね)
それから後ろ足2本に塩と粉末ハーブをよく揉み擦り込んでしばらく放置だ。そして前足2本は2口サイズに切ってカバンにあったナイロンの袋に入れ、そこにおろしニンニクと生姜、そして白ワイン少しと醤油を入れてよく揉んでこれもしばらく放置。
塩と白ワインは商店街で買って、醤油はお弁当の時に使おうと150mlのミニペットをカバンに入れていたのでそれを使った。(因みにお弁当は初日の夕食前に食べたよ。お腹空いてたからね)
あと胴体部分が残っているが、内臓を取り出した部分の内臓脂肪を木製スプーンを使ってかき集め木製の深皿にのせておく。それからナイフで何回も突き刺してから塩を揉み込みハーブ粉末とおろしニンニクも揉み込んでこれもまた放置だ。
そして走って森に戻り、落ち枝と手頃な倒木を集めて再び草原に舞い戻る。(ちょっと急がしいんですけど‥‥‥)
それから持ってきた枝と倒木を使って焚き火を2ヶ所準備する。火はカバンに入れてた火付け石を使った。(常備品だからね)
これで下準備は完了だ。塩とハーブをすり込んだ後ろ足はエルフィーさんからもらった長さ60cmほどの鉄棒に刺して焚き火の側であぶり焼き。醤油とモロモロに漬け込んだぶつ切りの前足2本分は鍋に内臓脂肪を入れて火にかけて簡易ラードを作り、そこに小麦粉を付けた肉を放り込み揚げていく。
そして色々すり込んだ胴体はもう1つの焚き火で四方八方から鉄棒をぶっ刺して弱めの火で燻し焼きだ。
これで全ての調理が終わった。色々と足りないものがあったけど、なんとか美味しいと感じるレベルのものは出来たと思う。そして時間は昼を通り越して夕方だ。私は水袋に青の聖女が使う特殊能力『清涼』で中の泉の水を浄化して乾いた喉を潤した。
「ぷはー、めちゃくちゃ旨いなこの水。これでやっとガツンとしたものが食べれるよ」
私はよく焼けている塩とハーブをすり込んだ後ろ足を1本鉄棒から抜いて手に持ち、大きく口を開けて豪快にガブリと食べた。(私は慣れてるから手で持てるけど普通に熱いからね)
「めっちゃ、うんまー!なんじゃこれ!」
そのスモールボアの肉は適度な固さで噛めば噛むほど肉の旨味が溢れ出てくる。そしてまた脂身が途轍もなく旨い。ハーブもいい仕事をしているが、この肉自体のポテンシャルがもの凄いのだ。私は一心不乱に肉に噛みつき小さくない足1本を食べ尽くした。
「もうあれだな。城下町じゃなくてここに住もうかな。これはもう森の動物全種類食べ尽くし生活を始めるしかないのだ!」
私は右手に握る骨だけになった後ろ足を空高く掲げ叫ぶのであった。そしてその時、後ろで人の気配を感じた私は反対方向に飛び、右手の骨を捨てて腰の後ろから投げ捨て用の鉄棒を取り出し身構えた。
「あっ!誰かと思ったら奏お姉ちゃんが美味しそうなもの食べてる!」
私は構えを解き鉄棒を戻す。その気配は私がよく知る人物だ。そう、花売り幼女チッチェ。本日3度目の再会であった。もちろん射程外と大気圏外も居る。
どうやらガツンとした料理で幼女と射程外と大気圏外が釣れたようだ。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
おばさんは、ひっそり暮らしたい
波間柏
恋愛
30歳村山直子は、いわゆる勝手に落ちてきた異世界人だった。
たまに物が落ちてくるが人は珍しいものの、牢屋行きにもならず基礎知識を教えてもらい居場所が分かるように、また定期的に国に報告する以外は自由と言われた。
さて、生きるには働かなければならない。
「仕方がない、ご飯屋にするか」
栄養士にはなったものの向いてないと思いながら働いていた私は、また生活のために今日もご飯を作る。
「地味にそこそこ人が入ればいいのに困るなぁ」
意欲が低い直子は、今日もまたテンション低く呟いた。
騎士サイド追加しました。2023/05/23
番外編を不定期ですが始めました。
存在感のない聖女が姿を消した後 [完]
風龍佳乃
恋愛
聖女であるディアターナは
永く仕えた国を捨てた。
何故って?
それは新たに現れた聖女が
ヒロインだったから。
ディアターナは
いつの日からか新聖女と比べられ
人々の心が離れていった事を悟った。
もう私の役目は終わったわ…
神託を受けたディアターナは
手紙を残して消えた。
残された国は天災に見舞われ
てしまった。
しかし聖女は戻る事はなかった。
ディアターナは西帝国にて
初代聖女のコリーアンナに出会い
運命を切り開いて
自分自身の幸せをみつけるのだった。
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?
青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。
最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。
普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた?
しかも弱いからと森に捨てられた。
いやちょっとまてよ?
皆さん勘違いしてません?
これはあいの不思議な日常を書いた物語である。
本編完結しました!
相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです!
1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…
敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています
藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。
結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。
聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。
侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。
※全11話 2万字程度の話です。
召喚聖女に嫌われた召喚娘
ざっく
恋愛
闇に引きずり込まれてやってきた異世界。しかし、一緒に来た見覚えのない女の子が聖女だと言われ、亜優は放置される。それに文句を言えば、聖女に悲しげにされて、その場の全員に嫌われてしまう。
どうにか、仕事を探し出したものの、聖女に嫌われた娘として、亜優は魔物が闊歩するという森に捨てられてしまった。そこで出会った人に助けられて、亜優は安全な場所に帰る。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる