ゴールデン高校美食倶楽部 新・文化祭カレー!

銀河星二号

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第3章「カレーなる試食」

グリーン、レッド、イエロー

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 やがて厨房から良い匂いが漂って来た。どうやら絶賛調理中らしい。旨そうな匂いだ。
 そうだ、他のカレーも参考に食べてみたい。二人に一言頼んでおかないと。
「あのさ……二人とも……」
「ん、何だ?拓海?」
「何?タッくん?」
「……カレーの味見したいんで、一口ずつで良いんだけど……分けてくれない?」
「しょうが無いなぁ。お前のもくれよ?」
「しょうがないニャー。いいよー、タッくん」
「ありがとう!」
 流石に一人で3皿頼むのは無理だしなぁ……持つべきは友と幼馴染か?
 そして、約十分ほど経過。料理が運ばれて来た。
「オタマセシマシター。グリーンカレーデス」
 僕の前にグリーンカレーが置かれた。
 カレーは白い陶器の深皿に盛られていて、別皿でライスが付いている。レンゲが添えられていて、これで掬ってかけろと言うことだと理解した。スプーンは別にある。
 グリーンカレーの色は白っぽい緑色。多分ココナッツミルクのせいで白っぽいのだと思う。
「コチラ、レッドニナリマース」
 ゴローの前にレッドカレーが置かれる。確かに赤い。グリーンと同じく白っぽいが、赤の主張が強く、辛そうな気がする。
「旨そうーっ!」
 ゴローは既に食う気満々である。
「コチラガ、イエローニナリマス」
 イエローカレーが陽子ちゃんの前に置かれる。具材が色とりどりで旨そうではあるが、パッと見は普通のカレーだ。やはり白っぽいのは同じ理由だろう。
「デハ、ゴユックリドゾー」
 そう言って店員さんは去っていった。
「さて、食べるぞー!」
 ゴローは何の躊躇も無しにカレーをレンゲで救って口に入れた。途端表情が固まって顔が赤くなった。そして、むせた。
「そんな辛いのか?」
 僕はそう言ってカレーの端を掬って食べてみた……辛い。すごく辛い。思わず思考が飛んだ。
「……」
 同じ様にレッドカレーを一口横からかっさらって食べた陽子ちゃんも辛がっている。
 とりあえず感想を言っておくと……。
「えーと、辛い……けど……旨い……かな?」
「んー……そう……だね……」
 ゴローは目を瞑って瞑想している。汗をかきながら。と言うか、多分何も考えてない。まあ、ちょっと間を置こう……。
 数十秒時間を置いた。
 間を置いたらゴローも落ち着いたらしい。
「よし、落ち着いた。そうだね、辛いけど旨いかな。俺的にはヨユーだけれどさ」
 流石ゴローだ。言うだけは言う。さて、ちゃんと完食出来るかな?
 さて、僕は、心機一転、気を取り直して自分のグリーンカレーを食べる……こりゃまた辛い。レッド程では無いが、十分辛い。と、横からヨーコちゃんのスプーンがかっさらって行った。
「あ、うん。辛いけど、まあまあかな?」
 ゴローも横から無言で一口持って行く。
「あー、うん、そんなでもない」
「だよね。で、イエローは?」
「あ、ちょっと食べてみるね。モグモグ……」
 どれ一口……。辛くはないな。ココナッツミルクが効いていて、スパイスも独特な感じだが。何のスパイスかは分からないけれど。
「あまり辛くはないね」
「でしょー」
「つまり、俺が当たりを引いたと言うことだな。クックックッ……」
 とりあえず手を合わせてゴローに合掌しておこう。タイだしね。
「まあ、不味くは無いんだし」
「辛みの中に……うま味があるよね……あるよね……あるよね……」
「頑張れ、応援してるよゴロー。最初から見えてた地雷だし」
「がんばれー」
 ヨーコちゃんも拳をブンブン振って応援する。
 その後、数分、いやゴローは十分以上かかったが、全員完食した。
「……手を振っていたよ……」
「そうか」
 僕は食後のコーラを飲んだ。
「でもタイカレー美味しいね、タッくん」
「うん。やっぱりココナッツミルクが特徴的だね。あれで甘みが出てる」
「だねー。スパイスは良く分からないけれど」
「スパイスは調合しちゃうとね、分からないよね」
「タッくん、どれ作ってみるの?」
「レッドは勘弁な、拓海」
「じゃ、グリーンかな。特徴が濃いし」
「グリーンかー。スパイスは分かるの?」
「んー、何だっけ?コブミカンとかレモングラスとか……問題はそんな素材が手にはいるかどうか」
「あるとしたら、輸入食品の店かなー」
「あー、どっかそんな店があった気がするぜ、拓海」
「あるんだ」
「あった気がする……確か」
「まあ、調べてみるよ。よし、じゃー、飲み終わったら出るか」
「だねー」
「ああ、コーラが何か苦く感じる……」
「コーラも何かのスパイスの調合だった気がするから、組み合わせかなー、良く分からないけれど」
「そっかー……ゴクゴク。プハー。よし行こう」
 そして席を立ち、お会計しに行った。
「クーポン使って、お願いします」
「ハイー」
 ゴローがスマホの画面のクーポンを見せている。
 お会計はそれなりの値段だった。一人千円ちょっと。レッドが少し高かったような……唐辛子の量かな……。
「ゴチソウサマー」
「ヨーコちゃん、カタコトになってるよ」
「わざとだよー、タッくん」
「そか」
「アリガトゴザイマシター」
 そして店を出た。外はそよ風が吹いていて涼しかった。
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