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第3章「カレーなる試食」
タイカレーの店『サワディー』
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次の日、昼頃に海浜線の近くの駅「二日町駅」へ向かった。
駅に近づくと、手を振る女の子が見えた。もちろん、ヨーコちゃんである。
「タッくんーっ!」
相変わらず元気で陽気だ。
「ごめん、早めに来たつもりだったんだけれど」
「いや、あたしも早めに来たんだよ、タッくん」
「そうか。いやでもゴメンね」
「大丈夫だよー、さあ、タイカレーの店行っくぞー!」
「おう」
そして僕らは各停の電車に乗り、二日町駅から鳳来駅へと向かった。ガタンゴトン。
「レーちゃん、来ないらしいね」
ヨーコちゃんが残念そうに言った。
「そうらしいね。用事があるとゴローが言ってたけど』
「そうなんだ。後で味の報告しないと」
「……どうやって?」
「美味しかったよーって」
「……旨かったら僕が再現してみようか?作ってみてさ」
「あ、それいいね」
その後、タイカレーの素材の話とかしていると、十分ほどで鳳来駅へ着いた。プシュー。
駅を出ると、手を振る影があった。あれ?デジャヴ?それはもちろんゴローだった。
「よっ、拓海。陽子ちゃんも、こんちーす」
「こんちーす」
相変わらず軽い。まあ、持ち味だ。例えるならコーンを膨らました駄菓子とか、小麦粉揚げた軽いスナックとか、そういうやつだ。
「あれ?今、何か言いたそうじゃ無かった?」
「いや、別に。気のせいだよ」
「そう?まあ、いっか。んじゃタイカレー行くぞー!」
「おー!」
この二人、実は中身似ているのかもしれない。ノリが。
「んで、何てお店?ゴロー?」
「んーと……何だっけ?」
「おい」
「確か……サワ……サワ……」
「サワガニ!」
「それだ!陽子ちゃん!」
「へへー」
「……多分違うと思うぞ。タイな感じじゃ無いし」
「あれ、拓海様、タイ語が堪能でしたっけ?」
「……よく知らないけど、サワガニは知っているから」
「あたしもー」
「俺もー」
「……とにかく。本当は何て言うんだよ?」
「えーとね……マジで覚えていない。サワ……ナントカは確かなんだが」
「おい」
「大丈夫、地図の場所はしっかり覚えているから、近くに行けば分かるって」
「本当かなー」
「ホントかなー」
「あ、陽子ちゃんまでそっちに付くか」
「へへー」
「まあ、いい。行くぞー!」
「おーう!」
「……おう……」
一番町までは鳳来駅前のアーケード街を通る。ターミナル駅のアーケードだけあって大きくて賑やかだ。僕らは数百メーターほどアーケード街を進んだ。しばらく歩くとアーケードが途切れて、雰囲気の違う通りに出た。ここからは屋根が無い。
「ここが一番町の入口だろ。確かこのすぐ近くなんだよ……えーと、タイ料理の店……」
ゴローはスマホの地図を見ている。
「お、ここかな?『サワディー』」
「お、サワまで合ってるね、ゴローくん」
「だろ、記憶力には地震アリなんだぜ。ゴゴゴゴ……」
ここでつっこんではいけない。ツッコミどころ満載だが、どれも罠だ。
「良し、こっち!」
そう言うと、ゴローは先陣を切って僕らを連れて行った。道は段々とゴチャゴチャした感じになり、狭くなって行った。
「あった!」
そこには読めないタイ語の看板があった。大きなタイ語の文字の下に、申し訳無さそうに「サワディー」とカタカナが書いてある。
店構えは半オープンの木造のオシャレな感じで、東南アジアの水辺の近くにありそうな雰囲気を醸し出している。
「おっしゃれー!」
「だろ。俺のセンスは地震アリだぜ。ゴゴゴゴ……」
「まあ、入って見ようぜ」
と、僕らは店へ入った。
「イラッシャイマセー」
ああ、カタコトのタイ人の女の子だ。注文通じるかな?
「オスキナセキヘドゾー」
とりあえず窓際の4人席へ座った。メニューを出される。
「オキマリデシタラ、ヨンデクダサーイ」
という訳でメニューとのにらめっこが始まった。
「拓海は何にすんの?」
「とりあえず有名どこでグリーンカレーにしておこうかと。本場のなら相当辛いとは思うけれど」
「じゃ、俺は更に上行きそうなレッドにしとこうかな?」
「大丈夫か?」
「ヘーキ、ヘーキ。人間に食えないものは出て来ない!」
「そうだけど……」
「グリーンにレッドと来たか。じゃあ、あたしはイエローにしてみようかな?」
「お、いいね。陽子ちゃん」
「でしょー。へへー」
「まあ、そんな感じで行くか。スイマセーン』
「タッくん、片言になってるよ』
「ブブブ……」
「ハーイ」
エプロン姿のタイ人の女の子が席にやって来た。
「グリーンカレーと、レッドカレー、それとイエローカレーをお願いします」
「オノミモノハ?」
「何があります?」
「シンハートカレオハアリマスケド」
「シンハート?オレオ?」
「タイのアルコールだよ、タッくん。ビール」
「ああ、そうなのか。ここ一番町だしな。ソフトドリンクはあります?」
「コーラトスプライトアリマス」
「じゃ、コーラでいいか?二人は?」
「俺もコーラかな?』
「あたしはスプライトで」
「コーラ2つと、スプライト1つで」
女の子は注文票に書き込んだ。
「グリーン、レッド、イエロー、コーラ2、スプライトデスネ」
「はい、お願いしマス」
「また、片言になりかけてるよ、タッくん」
僕は苦笑いして誤魔化した。
「ショウショウオマチクダサーイ」
そう言って女の子は奥へと消えて行った。
駅に近づくと、手を振る女の子が見えた。もちろん、ヨーコちゃんである。
「タッくんーっ!」
相変わらず元気で陽気だ。
「ごめん、早めに来たつもりだったんだけれど」
「いや、あたしも早めに来たんだよ、タッくん」
「そうか。いやでもゴメンね」
「大丈夫だよー、さあ、タイカレーの店行っくぞー!」
「おう」
そして僕らは各停の電車に乗り、二日町駅から鳳来駅へと向かった。ガタンゴトン。
「レーちゃん、来ないらしいね」
ヨーコちゃんが残念そうに言った。
「そうらしいね。用事があるとゴローが言ってたけど』
「そうなんだ。後で味の報告しないと」
「……どうやって?」
「美味しかったよーって」
「……旨かったら僕が再現してみようか?作ってみてさ」
「あ、それいいね」
その後、タイカレーの素材の話とかしていると、十分ほどで鳳来駅へ着いた。プシュー。
駅を出ると、手を振る影があった。あれ?デジャヴ?それはもちろんゴローだった。
「よっ、拓海。陽子ちゃんも、こんちーす」
「こんちーす」
相変わらず軽い。まあ、持ち味だ。例えるならコーンを膨らました駄菓子とか、小麦粉揚げた軽いスナックとか、そういうやつだ。
「あれ?今、何か言いたそうじゃ無かった?」
「いや、別に。気のせいだよ」
「そう?まあ、いっか。んじゃタイカレー行くぞー!」
「おー!」
この二人、実は中身似ているのかもしれない。ノリが。
「んで、何てお店?ゴロー?」
「んーと……何だっけ?」
「おい」
「確か……サワ……サワ……」
「サワガニ!」
「それだ!陽子ちゃん!」
「へへー」
「……多分違うと思うぞ。タイな感じじゃ無いし」
「あれ、拓海様、タイ語が堪能でしたっけ?」
「……よく知らないけど、サワガニは知っているから」
「あたしもー」
「俺もー」
「……とにかく。本当は何て言うんだよ?」
「えーとね……マジで覚えていない。サワ……ナントカは確かなんだが」
「おい」
「大丈夫、地図の場所はしっかり覚えているから、近くに行けば分かるって」
「本当かなー」
「ホントかなー」
「あ、陽子ちゃんまでそっちに付くか」
「へへー」
「まあ、いい。行くぞー!」
「おーう!」
「……おう……」
一番町までは鳳来駅前のアーケード街を通る。ターミナル駅のアーケードだけあって大きくて賑やかだ。僕らは数百メーターほどアーケード街を進んだ。しばらく歩くとアーケードが途切れて、雰囲気の違う通りに出た。ここからは屋根が無い。
「ここが一番町の入口だろ。確かこのすぐ近くなんだよ……えーと、タイ料理の店……」
ゴローはスマホの地図を見ている。
「お、ここかな?『サワディー』」
「お、サワまで合ってるね、ゴローくん」
「だろ、記憶力には地震アリなんだぜ。ゴゴゴゴ……」
ここでつっこんではいけない。ツッコミどころ満載だが、どれも罠だ。
「良し、こっち!」
そう言うと、ゴローは先陣を切って僕らを連れて行った。道は段々とゴチャゴチャした感じになり、狭くなって行った。
「あった!」
そこには読めないタイ語の看板があった。大きなタイ語の文字の下に、申し訳無さそうに「サワディー」とカタカナが書いてある。
店構えは半オープンの木造のオシャレな感じで、東南アジアの水辺の近くにありそうな雰囲気を醸し出している。
「おっしゃれー!」
「だろ。俺のセンスは地震アリだぜ。ゴゴゴゴ……」
「まあ、入って見ようぜ」
と、僕らは店へ入った。
「イラッシャイマセー」
ああ、カタコトのタイ人の女の子だ。注文通じるかな?
「オスキナセキヘドゾー」
とりあえず窓際の4人席へ座った。メニューを出される。
「オキマリデシタラ、ヨンデクダサーイ」
という訳でメニューとのにらめっこが始まった。
「拓海は何にすんの?」
「とりあえず有名どこでグリーンカレーにしておこうかと。本場のなら相当辛いとは思うけれど」
「じゃ、俺は更に上行きそうなレッドにしとこうかな?」
「大丈夫か?」
「ヘーキ、ヘーキ。人間に食えないものは出て来ない!」
「そうだけど……」
「グリーンにレッドと来たか。じゃあ、あたしはイエローにしてみようかな?」
「お、いいね。陽子ちゃん」
「でしょー。へへー」
「まあ、そんな感じで行くか。スイマセーン』
「タッくん、片言になってるよ』
「ブブブ……」
「ハーイ」
エプロン姿のタイ人の女の子が席にやって来た。
「グリーンカレーと、レッドカレー、それとイエローカレーをお願いします」
「オノミモノハ?」
「何があります?」
「シンハートカレオハアリマスケド」
「シンハート?オレオ?」
「タイのアルコールだよ、タッくん。ビール」
「ああ、そうなのか。ここ一番町だしな。ソフトドリンクはあります?」
「コーラトスプライトアリマス」
「じゃ、コーラでいいか?二人は?」
「俺もコーラかな?』
「あたしはスプライトで」
「コーラ2つと、スプライト1つで」
女の子は注文票に書き込んだ。
「グリーン、レッド、イエロー、コーラ2、スプライトデスネ」
「はい、お願いしマス」
「また、片言になりかけてるよ、タッくん」
僕は苦笑いして誤魔化した。
「ショウショウオマチクダサーイ」
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