160 / 295
シーズン7-TRINITY.侵略編
160-エミドとの決戦
しおりを挟む
その日、世界は変わった。
TRINITY.は、その百五十年の歴史に幕を閉じ、残存艦隊は宇宙の隅々に散って消えた。
世界を維持していた秩序は完全に崩壊し、世界は再び戦乱と混沌の暗闇に包まれることとなる。
世界中で戦争が巻き起こり、それによって家族を殺された者が憎悪の連鎖を再び重ねる。
そうすることで、小競り合いは戦争へ、戦争は終わりなき殺し合いへと変わっていく。
そして、一番大きいのはカルメナスの暴虐であった。
彼等はジャッドーを滅ぼしたあとその勢力をそのまま飲み込み、Ve‘zとの同盟を利用して略奪、殺戮、違法な取引を拡大し続けている。
「望んだわけでは無いんだが」
降りかかる火の粉を払っていたら、世界が滅びかけていた。
だが、気にする事はない。
TRINITY.は既におらず、他の国家もこの件でVe’zの怒りを買うということがどういうことか理解しただろう。
となれば、残るは...
「どうしたの、エリアス?」
「...いや、なんでもない。少し考え事をしていただけだ」
僕は休暇中のエリスの元を訪れていた。
隠していたニトの事を伝えるためである。
「それで、言いたいことがあるのだが...いいか?」
「アルクレイスさんの事なら、大丈夫よ。特に敵意も無いみたいだし」
僕は周囲を見る。
丁寧に整えられた室内には、エリスの他に三人いる。
アディナ、サーシャ、アルクレイスの三人だ。
アディナは元エミド人、サーシャはヴァンデッタ帝国の生き残り、アルクレイスはTRINITY.の裏切り者と錚々たる面子である。
「違う...実は......僕には隠し子がいるんだ」
「えっ!?」
エリスがティーカップを取り下とす。
幸い中身は空であった。
「だ、誰との!?」
「誰のでも無い。正確には、一人の少女とそのクローン体たちだ」
「ああ、びっくりした...でも、認知しちゃったの?」
「そうなるな...」
「...」
これは...どうなる!?
僕が緊張していると、彼女は笑って言った。
「よかったじゃない」
「...よかった?」
「その、エリアスと私の間には子供ができないし...だって、女の子同士でしょう?」
「そう、だが」
僕のこの体の性別は中性に近いが、ベースは女性である。
遺伝子的にエリスとの交配は異常な子供を産む確率の方が高くなる。
「だから、養子でも子供がいるのはいい事じゃないかしら?」
「そうなるのか...?」
よく分からない。
よく分からないが、許されたという事だろう。
「お姉様、妹が増えるんですか?」
「そうよ」
その時、サーシャが駆け寄ってくる。
彼女は元々大人で、精神を病んであんな風になってしまったのだが...せめて彼女が元に戻った時苦悩しないよう、僕が幼女の体に作り変えた。
姿相応の振る舞いであれば、彼女も困らないだろう。
しかし、用があるのは彼女ではない。
「...アディナ」
「何でしょうか」
「エミド内部の状況を教えて欲しい」
「何故でしょうか?」
僕は、ここ最近ずっと考えていた結論を口に出す。
「エミドを、滅ぼすためだ」
こうして、Ve’zとエミドの戦いは最終決戦へと移行することとなる。
世界が混乱する中、その裏側でまた一つ戦いが起きようとしていた。
TRINITY.は、その百五十年の歴史に幕を閉じ、残存艦隊は宇宙の隅々に散って消えた。
世界を維持していた秩序は完全に崩壊し、世界は再び戦乱と混沌の暗闇に包まれることとなる。
世界中で戦争が巻き起こり、それによって家族を殺された者が憎悪の連鎖を再び重ねる。
そうすることで、小競り合いは戦争へ、戦争は終わりなき殺し合いへと変わっていく。
そして、一番大きいのはカルメナスの暴虐であった。
彼等はジャッドーを滅ぼしたあとその勢力をそのまま飲み込み、Ve‘zとの同盟を利用して略奪、殺戮、違法な取引を拡大し続けている。
「望んだわけでは無いんだが」
降りかかる火の粉を払っていたら、世界が滅びかけていた。
だが、気にする事はない。
TRINITY.は既におらず、他の国家もこの件でVe’zの怒りを買うということがどういうことか理解しただろう。
となれば、残るは...
「どうしたの、エリアス?」
「...いや、なんでもない。少し考え事をしていただけだ」
僕は休暇中のエリスの元を訪れていた。
隠していたニトの事を伝えるためである。
「それで、言いたいことがあるのだが...いいか?」
「アルクレイスさんの事なら、大丈夫よ。特に敵意も無いみたいだし」
僕は周囲を見る。
丁寧に整えられた室内には、エリスの他に三人いる。
アディナ、サーシャ、アルクレイスの三人だ。
アディナは元エミド人、サーシャはヴァンデッタ帝国の生き残り、アルクレイスはTRINITY.の裏切り者と錚々たる面子である。
「違う...実は......僕には隠し子がいるんだ」
「えっ!?」
エリスがティーカップを取り下とす。
幸い中身は空であった。
「だ、誰との!?」
「誰のでも無い。正確には、一人の少女とそのクローン体たちだ」
「ああ、びっくりした...でも、認知しちゃったの?」
「そうなるな...」
「...」
これは...どうなる!?
僕が緊張していると、彼女は笑って言った。
「よかったじゃない」
「...よかった?」
「その、エリアスと私の間には子供ができないし...だって、女の子同士でしょう?」
「そう、だが」
僕のこの体の性別は中性に近いが、ベースは女性である。
遺伝子的にエリスとの交配は異常な子供を産む確率の方が高くなる。
「だから、養子でも子供がいるのはいい事じゃないかしら?」
「そうなるのか...?」
よく分からない。
よく分からないが、許されたという事だろう。
「お姉様、妹が増えるんですか?」
「そうよ」
その時、サーシャが駆け寄ってくる。
彼女は元々大人で、精神を病んであんな風になってしまったのだが...せめて彼女が元に戻った時苦悩しないよう、僕が幼女の体に作り変えた。
姿相応の振る舞いであれば、彼女も困らないだろう。
しかし、用があるのは彼女ではない。
「...アディナ」
「何でしょうか」
「エミド内部の状況を教えて欲しい」
「何故でしょうか?」
僕は、ここ最近ずっと考えていた結論を口に出す。
「エミドを、滅ぼすためだ」
こうして、Ve’zとエミドの戦いは最終決戦へと移行することとなる。
世界が混乱する中、その裏側でまた一つ戦いが起きようとしていた。
0
あなたにおすすめの小説
ダンジョンでオーブを拾って『』を手に入れた。代償は体で払います
とみっしぇる
ファンタジー
スキルなし、魔力なし、1000人に1人の劣等人。
食っていくのがギリギリの冒険者ユリナは同じ境遇の友達3人と、先輩冒険者ジュリアから率のいい仕事に誘われる。それが罠と気づいたときには、絶対絶命のピンチに陥っていた。
もうあとがない。そのとき起死回生のスキルオーブを手に入れたはずなのにオーブは無反応。『』の中には何が入るのだ。
ギリギリの状況でユリアは瀕死の仲間のために叫ぶ。
ユリナはスキルを手に入れ、ささやかな幸せを手に入れられるのだろうか。
農民レベル99 天候と大地を操り世界最強
九頭七尾
ファンタジー
【農民】という天職を授かり、憧れていた戦士の夢を断念した少年ルイス。
仕方なく故郷の村で農業に従事し、十二年が経ったある日のこと、新しく就任したばかりの代官が訊ねてきて――
「何だあの巨大な大根は? 一体どうやって収穫するのだ?」
「片手で抜けますけど? こんな感じで」
「200キロはありそうな大根を片手で……?」
「小麦の方も収穫しますね。えい」
「一帯の小麦が一瞬で刈り取られた!? 何をしたのだ!?」
「手刀で真空波を起こしただけですけど?」
その代官の勧めで、ルイスは冒険者になることに。
日々の農作業(?)を通し、最強の戦士に成長していた彼は、最年長ルーキーとして次々と規格外の戦果を挙げていくのだった。
「これは投擲用大根だ」
「「「投擲用大根???」」」
クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?
青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。
最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。
普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた?
しかも弱いからと森に捨てられた。
いやちょっとまてよ?
皆さん勘違いしてません?
これはあいの不思議な日常を書いた物語である。
本編完結しました!
相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです!
1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…
帰って来た勇者、現代の世界を引っ掻きまわす
黄昏人
ファンタジー
ハヤトは15歳、中学3年生の時に異世界に召喚され、7年の苦労の後、22歳にて魔族と魔王を滅ぼして日本に帰還した。帰還の際には、莫大な財宝を持たされ、さらに身につけた魔法を始めとする能力も保持できたが、マナの濃度の低い地球における能力は限定的なものであった。しかし、それでも圧倒的な体力と戦闘能力、限定的とは言え魔法能力は現代日本を、いや世界を大きく動かすのであった。
4年前に書いたものをリライトして載せてみます。
日本列島、時震により転移す!
黄昏人
ファンタジー
2023年(現在)、日本列島が後に時震と呼ばれる現象により、500年以上の時を超え1492年(過去)の世界に転移した。移転したのは本州、四国、九州とその周辺の島々であり、現在の日本は過去の時代に飛ばされ、過去の日本は現在の世界に飛ばされた。飛ばされた現在の日本はその文明を支え、国民を食わせるためには早急に莫大な資源と食料が必要である。過去の日本は現在の世界を意識できないが、取り残された北海道と沖縄は国富の大部分を失い、戦国日本を抱え途方にくれる。人々は、政府は何を思いどうふるまうのか。
スキルはコピーして上書き最強でいいですか~改造初級魔法で便利に異世界ライフ~
深田くれと
ファンタジー
【文庫版2が4月8日に発売されます! ありがとうございます!】
異世界に飛ばされたものの、何の能力も得られなかった青年サナト。街で清掃係として働くかたわら、雑魚モンスターを狩る日々が続いていた。しかしある日、突然仕事を首になり、生きる糧を失ってしまう――。 そこで、サナトの人生を変える大事件が発生する!途方に暮れて挑んだダンジョンにて、ダンジョンを支配するドラゴンと遭遇し、自らを破壊するよう頼まれたのだ。その願いを聞きつつも、ダンジョンの後継者にはならず、能力だけを受け継いだサナト。新たな力――ダンジョンコアとともに、スキルを駆使して異世界で成り上がる!
【完結】うさぎ転生 〜女子高生の私、交通事故で死んだと思ったら、気づけば現代ダンジョンの最弱モンスターに!?最強目指して生き延びる〜
旅する書斎(☆ほしい)
ファンタジー
女子高生の篠崎カレンは、交通事故に遭って命を落とした……はずが、目覚めるとそこはモンスターあふれる現代ダンジョン。しかも身体はウサギになっていた!
HPはわずか5、攻撃力もゼロに等しい「最弱モンスター」扱いの白うさぎ。それでもスライムやコボルトにおびえながら、なんとか生き延びる日々。唯一の救いは、ダンジョン特有の“スキル”を磨けば強くなれるということ。
跳躍蹴りでスライムを倒し、小動物の悲鳴でコボルトを怯ませ、少しずつ経験値を積んでいくうちに、カレンは手応えを感じ始める。
「このままじゃ終わらない。私、もっと強くなっていつか……」
最弱からの“首刈りウサギ”進化を目指して、ウサギの身体で奮闘するカレン。彼女はこの危険だらけのダンジョンで、生き延びるだけでなく“人間へ戻る術(すべ)”を探し当てられるのか? それとも新たなモンスターとしての道を歩むのか?最弱うさぎの成り上がりサバイバルが、いま幕を開ける!
巻き込まれ召喚・途中下車~幼女神の加護でチート?
サクラ近衛将監
ファンタジー
商社勤務の社会人一年生リューマが、偶然、勇者候補のヤンキーな連中の近くに居たことから、一緒に巻き込まれて異世界へ強制的に召喚された。万が一そのまま召喚されれば勇者候補ではないために何の力も与えられず悲惨な結末を迎える恐れが多分にあったのだが、その召喚に気づいた被召喚側世界(地球)の神様と召喚側世界(異世界)の神様である幼女神のお陰で助けられて、一旦狭間の世界に留め置かれ、改めて幼女神の加護等を貰ってから、異世界ではあるものの召喚場所とは異なる場所に無事に転移を果たすことができた。リューマは、幼女神の加護と付与された能力のおかげでチートな成長が促され、紆余曲折はありながらも異世界生活を満喫するために生きて行くことになる。
*この作品は「カクヨム」様にも投稿しています。
**週1(土曜日午後9時)の投稿を予定しています。**
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる