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β-採掘艦隊同行編
068-虚空に響く“こえ”
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さて、あんなことがあって一日経ったわけだが....俺たちはまだ、ゲートを抜けられていなかった。
ずらりと伸びた艦の列の、中央付近にオリオンはいる。
まだ耳鳴りは続いていて、ここに来てから強くなっている。
「まだ終わらない?」
「うん....交戦してる間は無理だと思う」
何故ゲートが渋滞しているかといえば、ゲート付近に敵の集団がいるためだ。
巡洋艦が物理的にバリケードを組んで、敵の注意を引き続けているからこそ、俺たちは襲われずに済んでいるという訳だ。
気が気じゃないな、全く。
「とはいえ、星系軍も決死の戦いだし、ただ見ている私たちが文句を言う事じゃないんだろうけどね」
「うん......」
あの壁を作った巡洋艦隊の中では、家族も友人もいる人間たちが、非戦闘員である民間人を守るために戦っている。
彼等の覚悟を、俺は知らない。
知った気になったつもりでも、本当は知らない。
だから俺は、沈黙する。
生死を賭けるばかりではない。
彼等は、戦えない人間たちを背に戦っているのだ。
それこそ、自分たちが死んだとしても、仲間が死に、返り血を浴びても戦わなければならない。
そんな覚悟を、後ろでただ見ているしかない俺には理解するという事自体が冒涜なのだ。
「耳鳴り、まだ治らないの?」
「うん、ちょっとね」
レーザーガンに撃たれた時から聞こえるという風にしてアルにも相談したが、正体が分からない。
耳かきもしてみたが、やはり効果が無かった。
向こうに着いたら、診断を受けてみるか。
俺は艦長席を立ち、ブリッジの窓側に寄る。
そこから、戦闘の様子を見る。
「うーん、全然減ってないなあ」
「敵はどれくらいいるの?」
「分からない、公開情報なら二百だけど、もっといると思う」
もしくは、どこからか集まって来たか。
分からないが、少なくとも今後数時間はここに釘付け。
採掘艦隊同行で鍛えられていなかったら、眠っていたかもしれないな。
『――――――――』
また、耳鳴りが強くなる。
俺は顔を顰めたが、誰にも理解してもらえないこれをアルに見せて、心配されたくない。
全く、早くあいつらがどっかに行けばいいのに。
『――――――――けた』
「ん?」
その時。
どこかで声が聞こえた。
『――――――――けた』
『――――――みつけた』
『みつけた』
『みつけた』
『みつけた』
『みつけた』
「――――ッ!?」
声が連鎖していく。
何だこれは。
何なんだこれは。
『みつけた』
『みつけた』
『あれを突破して、向かうんだ』
何か拙い。
そう思った時、体が動いていた。
席に戻って、武装を展開するように戦闘コンピューターに指示した。
同時に、シールドを展開。
『輸送艦オリオン、武装の展開を確認した。仔細を求む――――いや待て、武装の展開を妥当と判断する、迎撃せよ!』
「了解」
直後、怪獣たちの動きが変わった。
一点に集中して、巡洋艦隊の薄い壁を突破したのだ。
恐らくだが、彼等はあの時戦ったオリオンを覚えているか、もしくは巡洋艦隊の背後にいる艦列が撃ってこない――――即ち、エサだと気付いた。
『敵小型対象との相対距離が近すぎます、雷撃戦を開始』
慌てて前を見ると、ミサイルが垂直に飛んでいくのが見えた。
オーバービューで確認すると、ミサイルが全弾敵に直撃している。
「ここだと艦列に近すぎる......」
シールドにガンガン敵の光弾が接触している現状、流れ弾だけで周辺の艦が全滅する。
今回は味方も多いし、味方が撤退を選ばないなら耐えて見せる。
戦闘コンピューターに艦列を離れる事を提案し、航行コンピューターが承認。
オリオンはゆっくりと艦列から離れていく。
やっぱり宇宙怪獣はオリオンに執着しているようで、周囲の艦には目もくれない。
「ごめん、プラド!」
内部に味方を抱えたままだが、このまま放置するとオリオンだけで済まなくなる。
俺は形だけでもと思い、つい謝った。
ずらりと伸びた艦の列の、中央付近にオリオンはいる。
まだ耳鳴りは続いていて、ここに来てから強くなっている。
「まだ終わらない?」
「うん....交戦してる間は無理だと思う」
何故ゲートが渋滞しているかといえば、ゲート付近に敵の集団がいるためだ。
巡洋艦が物理的にバリケードを組んで、敵の注意を引き続けているからこそ、俺たちは襲われずに済んでいるという訳だ。
気が気じゃないな、全く。
「とはいえ、星系軍も決死の戦いだし、ただ見ている私たちが文句を言う事じゃないんだろうけどね」
「うん......」
あの壁を作った巡洋艦隊の中では、家族も友人もいる人間たちが、非戦闘員である民間人を守るために戦っている。
彼等の覚悟を、俺は知らない。
知った気になったつもりでも、本当は知らない。
だから俺は、沈黙する。
生死を賭けるばかりではない。
彼等は、戦えない人間たちを背に戦っているのだ。
それこそ、自分たちが死んだとしても、仲間が死に、返り血を浴びても戦わなければならない。
そんな覚悟を、後ろでただ見ているしかない俺には理解するという事自体が冒涜なのだ。
「耳鳴り、まだ治らないの?」
「うん、ちょっとね」
レーザーガンに撃たれた時から聞こえるという風にしてアルにも相談したが、正体が分からない。
耳かきもしてみたが、やはり効果が無かった。
向こうに着いたら、診断を受けてみるか。
俺は艦長席を立ち、ブリッジの窓側に寄る。
そこから、戦闘の様子を見る。
「うーん、全然減ってないなあ」
「敵はどれくらいいるの?」
「分からない、公開情報なら二百だけど、もっといると思う」
もしくは、どこからか集まって来たか。
分からないが、少なくとも今後数時間はここに釘付け。
採掘艦隊同行で鍛えられていなかったら、眠っていたかもしれないな。
『――――――――』
また、耳鳴りが強くなる。
俺は顔を顰めたが、誰にも理解してもらえないこれをアルに見せて、心配されたくない。
全く、早くあいつらがどっかに行けばいいのに。
『――――――――けた』
「ん?」
その時。
どこかで声が聞こえた。
『――――――――けた』
『――――――みつけた』
『みつけた』
『みつけた』
『みつけた』
『みつけた』
「――――ッ!?」
声が連鎖していく。
何だこれは。
何なんだこれは。
『みつけた』
『みつけた』
『あれを突破して、向かうんだ』
何か拙い。
そう思った時、体が動いていた。
席に戻って、武装を展開するように戦闘コンピューターに指示した。
同時に、シールドを展開。
『輸送艦オリオン、武装の展開を確認した。仔細を求む――――いや待て、武装の展開を妥当と判断する、迎撃せよ!』
「了解」
直後、怪獣たちの動きが変わった。
一点に集中して、巡洋艦隊の薄い壁を突破したのだ。
恐らくだが、彼等はあの時戦ったオリオンを覚えているか、もしくは巡洋艦隊の背後にいる艦列が撃ってこない――――即ち、エサだと気付いた。
『敵小型対象との相対距離が近すぎます、雷撃戦を開始』
慌てて前を見ると、ミサイルが垂直に飛んでいくのが見えた。
オーバービューで確認すると、ミサイルが全弾敵に直撃している。
「ここだと艦列に近すぎる......」
シールドにガンガン敵の光弾が接触している現状、流れ弾だけで周辺の艦が全滅する。
今回は味方も多いし、味方が撤退を選ばないなら耐えて見せる。
戦闘コンピューターに艦列を離れる事を提案し、航行コンピューターが承認。
オリオンはゆっくりと艦列から離れていく。
やっぱり宇宙怪獣はオリオンに執着しているようで、周囲の艦には目もくれない。
「ごめん、プラド!」
内部に味方を抱えたままだが、このまま放置するとオリオンだけで済まなくなる。
俺は形だけでもと思い、つい謝った。
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