輸送艦オリオン~SF異世界に転生したら、女体化したうえ大型輸送艦の艦長になりました!最強輸送艦で商人プレイ!~

黴男

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Δ-ハスラパル戦域編(後編)

185-貴族の事情

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そして三日後。
ついに、ラストアーク星系は奪還された。
偵察艦隊の行動により、敵の本拠地は侵入路でもあるマルカート星系にあると推定され、攻略のための戦力の再編成が行われた。
イルクたちが命をかけて守った戦艦艦隊300隻程度は、今次作戦における重要な手駒となり、艦隊はそれぞれアデュラリア、プロトライ、ステュジム星系へと旅立ち、40時間後に本格的な交戦を開始した。
だがこれはもちろん、王国軍の正規のやり方ではない。
これは、各星系に帝国軍の救援を分散させることで、少しでもマルカート星系への本反撃時の待機戦力を減らす目的である。
また、戦力がいる状態で艦隊を動かせば、三つの星系はより攻略しやすくなるうえ、艦隊はすぐにはマルカート星系にはたどり着けない。
正攻法でマルカート星系を直接攻めるよりも有効なのであった。

「では、会議を始めよう」

各星系の指揮官を集め、ベルム・カストルは宣言した。
何故会議を行うかといえば、各指揮官の手札を統合し、地の利を生かした戦略をフローチャートで行う事で、この星系群に明るくないベルムでも全体の把握がしやすくなるためだ。

「まず、アデュラリア方面の指揮官から聞こう」
「はい、報告いたします。アデュラリアについては、共有した”空白地帯”を充分に活かすことで問題なく戦えると思います。時間はあったため、それぞれの安全地帯の特性についてはデータベースを参照すれば分かりますかと存じます」
「ふむ.....では、ステュジム星系については? カイア指揮官」
「はい」

納得のいかない様子だったベルムは、次にステュジム星系の指揮官に呼びかけた。
太めの中年女性と言った様子のカイア指揮官は、つらつらと読み上げる。

「当星系は恒星から最外縁部までが短く、小さい星系ですわ。よって、攻略自体は容易です。ただ、空白地帯が少ない為、常に集団で動きシフト制で艦隊を運用しなければ無援状態の中では戦えません」
「ほう.....情報を頂き感謝する、では次は――――プロトライ星系の指揮官、聞こうではないか」

そこにいたのは、前指揮官から新しく業務を引き継いだサルン指揮官であった。

「前指揮官は辞任いたしましたので、私が新たに指揮を引き継ぎます。ストラクチャーは殆ど存在しておらず、空白地帯も少数です。敵の主力艦を最後に見たのはこの星系ですので、場合によってはまだ駐留している可能性もあります」
「成程.....把握した、ではそれぞれの作戦フローを提出せよ、ツァスパーに編纂させる」
「「「了解」」」

その後、会議はたった一時間で終了し、ベルムは廊下に出る。
迎えに出たハウマと秘書と会い、軽く話す。

「息災だったか、第六警備艦隊以来だな」
「ええ、その節はお世話になりました」
「.....時に、姉が送った輸送艦はどうなったかね」
「現在もここに入港しておりますが....その、艦長が精神の病を発症してしまったようで、今はアンドロイドと別の乗組員で運用しているようです」
「ふむ.....まあ、戦場など一般人から見れば凄惨そのものだ、気を病んでもしかたあるまい。姉には厚く報いるように言わねばな」

ベルムはその場を後にする。
彼の脳内では、恐れが勝っていた。

「(姉のお気に入りが壊れていたと報告せねばならんのか......苦しいな)」

恐怖政治を姉弟内で敷くフレデリカ・カストルに、お気に入りのおもちゃを友達に貸したら壊されたと報告するのである。
ベルムも精神を病みそうであった。

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