輸送艦オリオン~SF異世界に転生したら、女体化したうえ大型輸送艦の艦長になりました!最強輸送艦で商人プレイ!~

黴男

文字の大きさ
185 / 256
Δ-ハスラパル戦域編(後編)

184-壊れた瞳

しおりを挟む
翌日。
ハスラパル星系群に朗報がもたらされた。
王国軍の救援艦隊5000隻が到着し、道中のキュケール星系に居た艦隊を踏み潰してラストアーク星系へ到達したのだ。
しかも、ラストアークに新たに拠点が建設中であり、完成次第傷痍軍人や非戦闘員の何割かを退避させられるとのことだった。
運ばれてきた物資も過剰なほどで、これだけの量があれば駐留する全戦力を一ヶ月飢えさせない事が出来る程のものだった。

『現在、ラストアークに存在する42の中小拠点を攻略している。それが終われば、こちらで設置した要塞を拠点として制圧された他星系へと打って出る』

それが、救援艦隊の指揮官であるベルム・カストルの言葉であった。
カストル伯爵家の次男が、このような戦場に出てきたのである。
もともと低かった士気は、元に戻るどころか鰻登りであった。

『我が軍は全体の総数としては約25000だが、道中の補給線確保に割いており、かつ足の遅い艦隊は置き去りにしている。王国騎士団が到着し補給路が完全に安全になれば、艦隊は即座に合流するだろう』

そしてそれは長くは掛からない...そうベルムが言った事で、ハウマもまた安堵する事となった。
これで、主力艦以外は脅威ではなくなった。
問題は5隻の主力艦だが...
これも、ベルムが解決策を持ってきた。

『前線より帰還中だった、大勲星を挙げた英雄カルを含む傭兵艦隊が、目的地に向かう前にこちらに合流してくれるとの事だ、主力艦など一捻りに違いない』

英雄カルが操るアドアステラは、別戦線で猛威を振るった主力艦クロムセテラスのシールドを打ち破った。
その火力があれば、戦いは有利に進むだろうと。
なお、実際にはアドアステラは来ていない。
どの船がアドアステラかなど判別できないだろうと思い、ベルムは嘘をついたのだ。
前線から帰還中の傭兵艦隊の合流は真実だが、アドアステラは別の依頼でラタトヴィア星系へと旅立った後であった。

「じゃあ、これから反撃が始まるって事?」
「ええ、恐らくは私達にも仕事がたくさん来ます」
「リリーさんが休んでる間、僕らが頑張らないと」

そして、オリオンでもまた。
アルが意気込みを露にしていた。

「その意気です。....現状、リリー様は復帰を自力で出来るようにするのを待つしかありませんので」
「そっかあ...」

あの後、リリーは目覚めたものの、目に光が戻らず話しかけても返事がない状態になってしまった。
なんとか監視可能な環境に調整した部屋にベッドまで移動させ、寝かせたままだ。
一日に数回、床ずれを防ぐためにペルソナが動かしに行くとき以外は、ずっと天井を見たまま動かない。
こうもなれば、アルが代わりにオリオンを指揮するほかない。

「ご飯はどうしてるの?」
「食べさせても吐いてしまうので、一日一回インジェクターを使って投与しています」

本来は寝たきり患者用のもので、軍から購入したものでそこまで数がない。
また、長く使い続ければ問題が体に及んでしまうため、ペルソナは早くこの状況を打破しなければと考えていた。

「リリーさん....」

アルの心は複雑だった。
尊敬できる親代わりで、不屈の精神の持ち主だと勝手に見ていたリリーの、老人のような姿を見てしまったからだ。
自分の尊敬が無意識にリリーを苦しめていたとも言われ、どう捉えればいいのか分からなくなってしまったのだ。

「僕.....どうしたら」
「リリー様が復帰した時、抱きしめてあげてください。....私には理解できない感情ですが、きっとリリー様は孤独を感じていたのだと思います」
「.....うん」

長い沈黙ののちに、アルは頷いた。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

CORE

氷星凪
SF
機動兼出力用人間型電池「ライクア」が国内で実用化されてから百年。国の中心にあるライクア養成学校では今日も使用者となる人間への忠誠を学び、より人間の役に立つため生徒のライクアが日々勉強に励んでいる。そんな中、第二十五期卒業生となる予定の形式番号「N-3015」という個体は、自分達の自由を奪おうとする人間への不信感を募らせていた。それゆえライクアなのにも関わらず自主的に勉強をすることなく、授業もろくに聞かない。周囲からは、学校一の劣等生と呼ばれていた。だが、卒業は等しく全員に訪れる。スクラップにされるか、最底辺の配属地に送られるか。そんな先生からの提案に対し、最終的に外の世界での配属を選んだ彼だったが、そこで待ち受けていたのはやはりライクアを物のようにしか扱わない人間達の集まりだった。余りの低待遇に耐えられず、結局逃げ出してそのまま道端で気絶してしまう。次に目覚めた時、彼はとある電気屋で「アルラ」と名乗る少女と邂逅を果たす。人間だという時点で彼は彼女を忌避するが、どうも彼女は何も危害を加えてこない。そして彼女の口から語られたのは、人間を次々と襲うライクアの秘密組織「インス」の存在。彼女は彼らに両親を殺され、その復讐のために戦っていると言う。最初は信じられなかった「N-3015」だが、インスの組織員達が次々と他者の自由を奪う殺戮を繰り返す瞬間を目撃する。その時、彼は彼女から与えられた「ナロル」という名を名乗り、二人で協力してその拳で組織を倒すことを決意するが────。

チート魅了スキルで始まる、美少女たちとの異世界ハーレム生活

仙道
ファンタジー
リメイク先:「視線が合っただけで美少女が俺に溺れる。異世界で最強のハーレムを作って楽に暮らす」  ごく普通の会社員だった佐々木健太は、異世界へ転移してして、あらゆる女性を無条件に魅了するチート能力を手にする。  彼はこの能力で、女騎士セシリア、ギルド受付嬢リリア、幼女ルナ、踊り子エリスといった魅力的な女性たちと出会い、絆を深めていく。

男女比がおかしい世界の貴族に転生してしまった件

美鈴
ファンタジー
転生したのは男性が少ない世界!?貴族に生まれたのはいいけど、どういう風に生きていこう…? 最新章の第五章も夕方18時に更新予定です! ☆の話は苦手な人は飛ばしても問題無い様に物語を紡いでおります。 ※ホットランキング1位、ファンタジーランキング3位ありがとうございます! ※カクヨム様にも投稿しております。内容が大幅に異なり改稿しております。 ※各種ランキング1位を頂いた事がある作品です!

男女比1:15の貞操逆転世界で高校生活(婚活)

大寒波
恋愛
日本で生活していた前世の記憶を持つ主人公、七瀬達也が日本によく似た貞操逆転世界に転生し、高校生活を楽しみながら婚活を頑張るお話。 この世界の法律では、男性は二十歳までに5人と結婚をしなければならない。(高校卒業時点は3人) そんな法律があるなら、もういっそのこと高校在学中に5人と結婚しよう!となるのが今作の主人公である達也だ! この世界の経済は基本的に女性のみで回っており、男性に求められることといえば子種、遺伝子だ。 前世の影響かはわからないが、日本屈指のHENTAIである達也は運よく遺伝子も最高ランクになった。 顔もイケメン!遺伝子も優秀!貴重な男!…と、驕らずに自分と関わった女性には少しでも幸せな気持ちを分かち合えるように努力しようと決意する。 どうせなら、WIN-WINの関係でありたいよね! そうして、別居婚が主流なこの世界では珍しいみんなと同居することを、いや。ハーレムを目標に個性豊かなヒロイン達と織り成す学園ラブコメディがいま始まる! 主人公の通う学校では、少し貞操逆転の要素薄いかもです。男女比に寄っています。 外はその限りではありません。 カクヨムでも投稿しております。

【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。

三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎ 長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!? しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。 ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。 といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。 とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない! フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!

スーパーの店長・結城偉介 〜異世界でスーパーの売れ残りを在庫処分〜

かの
ファンタジー
 世界一周旅行を夢見てコツコツ貯金してきたスーパーの店長、結城偉介32歳。  スーパーのバックヤードで、うたた寝をしていた偉介は、何故か異世界に転移してしまう。  偉介が転移したのは、スーパーでバイトするハル君こと、青柳ハル26歳が書いたファンタジー小説の世界の中。  スーパーの過剰商品(売れ残り)を捌きながら、微妙にズレた世界線で、偉介の異世界一周旅行が始まる!  冒険者じゃない! 勇者じゃない! 俺は商人だーーー! だからハル君、お願い! 俺を戦わせないでください!

高校生の俺、異世界転移していきなり追放されるが、じつは最強魔法使い。可愛い看板娘がいる宿屋に拾われたのでもう戻りません

下昴しん
ファンタジー
高校生のタクトは部活帰りに突然異世界へ転移してしまう。 横柄な態度の王から、魔法使いはいらんわ、城から出ていけと言われ、いきなり無職になったタクト。 偶然会った宿屋の店長トロに仕事をもらい、看板娘のマロンと一緒に宿と食堂を手伝うことに。 すると突然、客の兵士が暴れだし宿はメチャクチャになる。 兵士に殴り飛ばされるトロとマロン。 この世界の魔法は、生活で利用する程度の威力しかなく、とても弱い。 しかし──タクトの魔法は人並み外れて、無法者も脳筋男もひれ伏すほど強かった。

ハズレ職業の料理人で始まった俺のVR冒険記、気づけば最強アタッカーに!ついでに、女の子とVチューバー始めました

グミ食べたい
ファンタジー
現実に疲れた俺が辿り着いたのは、自由度抜群のVRMMORPG『アナザーワールド・オンライン』。 選んだ職業は“料理人”。 だがそれは、戦闘とは無縁の完全な負け組職業だった。 地味な日々の中、レベル上げ中にネームドモンスター「猛き猪」が出現。 勝てないと判断したアタッカーはログアウトし、残されたのは三人だけ。 熊型獣人のタンク、ヒーラー、そして非戦闘職の俺。 絶体絶命の状況で包丁を構えた瞬間――料理スキルが覚醒し、常識外のダメージを叩き出す! そこから始まる、料理人の大逆転。 ギルド設立、仲間との出会い、意外な秘密、そしてVチューバーとしての活動。 リアルでは無職、ゲームでは負け組。 そんな男が奇跡を起こしていくVRMMO物語。

処理中です...