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ε-エストジール帝国編(前編)
203-観光計画
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というわけで、いつものである。
俺たちは、食堂で旅行計画を練る事にした。
「ええと、ストラヴィ星系群だっけ? どういう感じでオススメなのか聞きたいかな」
「まず、それ以外のリゾート星系群は治安が結構悪いぜ。ストラヴィは中流から上流階級向けのリゾート地だからな、それ以外は平民が凄く多い。結局、王国と比べると警察がな....」
「そうなんだ」
文化レベルや教育水準は地球の先進国くらいのはずなのだが、やはり宇宙に進出してすぐの文明はこうなってしまうという事なんだろうか?
俺はペルソナに目をやる。
「はい、エストジール帝国民の渡航が制限されているのは、犯罪率が非常に高いからです。教育不足や、貴族階級に属する人間であることが理由とされていますね」
「なるほど」
これはあまり関わり合いにならないほうが良さそうな人種だ。
王都に行く事になっても、市井にはあまり降りないほうがいいだろうな。
「続けるぞ? ストラヴィ星系群は、開発があまり入っていない、自然がそのまま残ってる星系群なんだ」
「へ~...」
「どの惑星も、王国の主人種母星と類似する環境だしな」
「帝国は違うの?」
「俺を見てくれればわかると思うんだが...まあ、極端に乾燥してるか、寒いかって感じなんだよ。ストラヴィ星系群が避暑地なのは、王都が年中暑いからだな」
とすると、ナスカは乾燥した星の血を、リアシュは寒い星の血を引いているからこの容姿なのか。
ナスカが褐色の肌に濃い紫と明るい紫の瞳なのに対して、リアシュは白い肌に金髪碧眼だからな。
全く似ていない。
顔立ちは少し似ている程度か。
「ストラヴィ星系群は、中央星系がクロバ星系だっけ」
「そうです」
「アルはどこへ行きたい?」
俺は初めてアルの方を向いて尋ねた。
俺もそうだが、アルがどこへ行きたいかが旅行計画において全てを優先する事柄だ。
「リリーさんが行くところがいい」
「えっ?」
それは...困る。
アルが満足できないと、旅行の意味がないような気がするが。
「リリーさん、いつも僕ばっかり。リリーさんが好きな所でいい!」
「私の...」
考えたことはあまりなかった。
だが、今回の旅行の意義とは何だったか。
それは、俺の療養も兼ねているのだ。
俺が選ばなくてどうする。
「じゃあ、マイネ星系に行こう。海洋惑星群なんだよね?」
「ああ、特に水が多い星系だ。ハビタブルゾーンを無理なく形成してるから、俺らもここに行くことが多かったな」
「ふうん、じゃあ海産物も期待できそう」
豊かな海には、豊富な生物が生息する。
地球とほぼ同じ環境の海なら、生物も似通っているはず。
「私はこんな体だから、暫くは遊べないけど...海のそばでゆっくりすれば、心の方は休まりそうだから」
「よかったぁ...」
アルがニコニコしている。
俺は息を吐き、だいぶ力が入るようになって来た手のひらを開閉する。
「今まで観光ばっかりだったけど、たまには休まる場所で、何もせず過ごすってのも悪くはないかなって思ったんだ」
「いい選択肢だと思います。海は人類の祖先が発生した場所ですからね、故郷に戻ったような気分で過ごせば、メンタル面での回復が見込めるかもしれません」
ペルソナも頷いていた。
俺はアルを見た。
この選択でいいのか、と。
「うん! 僕も海で泳ぎたい!」
「決まり、か」
俺は口の中で呟いた。
俺たちは、食堂で旅行計画を練る事にした。
「ええと、ストラヴィ星系群だっけ? どういう感じでオススメなのか聞きたいかな」
「まず、それ以外のリゾート星系群は治安が結構悪いぜ。ストラヴィは中流から上流階級向けのリゾート地だからな、それ以外は平民が凄く多い。結局、王国と比べると警察がな....」
「そうなんだ」
文化レベルや教育水準は地球の先進国くらいのはずなのだが、やはり宇宙に進出してすぐの文明はこうなってしまうという事なんだろうか?
俺はペルソナに目をやる。
「はい、エストジール帝国民の渡航が制限されているのは、犯罪率が非常に高いからです。教育不足や、貴族階級に属する人間であることが理由とされていますね」
「なるほど」
これはあまり関わり合いにならないほうが良さそうな人種だ。
王都に行く事になっても、市井にはあまり降りないほうがいいだろうな。
「続けるぞ? ストラヴィ星系群は、開発があまり入っていない、自然がそのまま残ってる星系群なんだ」
「へ~...」
「どの惑星も、王国の主人種母星と類似する環境だしな」
「帝国は違うの?」
「俺を見てくれればわかると思うんだが...まあ、極端に乾燥してるか、寒いかって感じなんだよ。ストラヴィ星系群が避暑地なのは、王都が年中暑いからだな」
とすると、ナスカは乾燥した星の血を、リアシュは寒い星の血を引いているからこの容姿なのか。
ナスカが褐色の肌に濃い紫と明るい紫の瞳なのに対して、リアシュは白い肌に金髪碧眼だからな。
全く似ていない。
顔立ちは少し似ている程度か。
「ストラヴィ星系群は、中央星系がクロバ星系だっけ」
「そうです」
「アルはどこへ行きたい?」
俺は初めてアルの方を向いて尋ねた。
俺もそうだが、アルがどこへ行きたいかが旅行計画において全てを優先する事柄だ。
「リリーさんが行くところがいい」
「えっ?」
それは...困る。
アルが満足できないと、旅行の意味がないような気がするが。
「リリーさん、いつも僕ばっかり。リリーさんが好きな所でいい!」
「私の...」
考えたことはあまりなかった。
だが、今回の旅行の意義とは何だったか。
それは、俺の療養も兼ねているのだ。
俺が選ばなくてどうする。
「じゃあ、マイネ星系に行こう。海洋惑星群なんだよね?」
「ああ、特に水が多い星系だ。ハビタブルゾーンを無理なく形成してるから、俺らもここに行くことが多かったな」
「ふうん、じゃあ海産物も期待できそう」
豊かな海には、豊富な生物が生息する。
地球とほぼ同じ環境の海なら、生物も似通っているはず。
「私はこんな体だから、暫くは遊べないけど...海のそばでゆっくりすれば、心の方は休まりそうだから」
「よかったぁ...」
アルがニコニコしている。
俺は息を吐き、だいぶ力が入るようになって来た手のひらを開閉する。
「今まで観光ばっかりだったけど、たまには休まる場所で、何もせず過ごすってのも悪くはないかなって思ったんだ」
「いい選択肢だと思います。海は人類の祖先が発生した場所ですからね、故郷に戻ったような気分で過ごせば、メンタル面での回復が見込めるかもしれません」
ペルソナも頷いていた。
俺はアルを見た。
この選択でいいのか、と。
「うん! 僕も海で泳ぎたい!」
「決まり、か」
俺は口の中で呟いた。
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