輸送艦オリオン~SF異世界に転生したら、女体化したうえ大型輸送艦の艦長になりました!最強輸送艦で商人プレイ!~

黴男

文字の大きさ
255 / 256
ε-エストジール帝国編(後編)

252-皇帝とのお茶会

しおりを挟む
翌日。
俺は皇帝からの招待状を受け取った。

『午後二時に中庭でお茶を飲むけど、来てくれると嬉しい――――』

大体そんな旨の事が書かれていた。
実際は筆まめな文章なのだが、分かりやすく言うとだ。

「とは言ってもなぁ」

忙しいだろうに、俺を誘うメリットって何だ?
高度に政治的な何かなんだろうが、パンピーには分からない。
仕方ないので、クローゼットに入っていた黄色のドレスを着る事に決めた。
ドレスは無駄に重いんだよな、肩が凝る。
生地の重さなのか....?
時間が近づくと、俺は部屋を出た。

「(人の目があると歩きづらいな)」

全力ダッシュなんてしたら、まあすごい目で見られるからな。
この辺は地球と変わらないんだが、どうにも落ち着かない。

「...ここは」

中庭に着くと、皇帝陛下に指示されているらしいジャミアンに会った。
少し話をして、目的地へと案内される。
そこには大きな池があった。
池の真ん中に出島が突き出していて、そこに俺たちは向かう。

「待っていたよ」
「...え、ええ」

そして、その中央のテーブルで、皇帝陛下が待っていた。
またこのパターンかよ。
そんなに二人で会うのが好きなのか...
俺は席に着く。

「一度君をこの場に招きたいと思っていた」
「そうですか」
「君が帝国に来ると知ってから、新たに設立した場所なんだ」

怖いな。
今ゾッとしたぞ。
サフィア嬢が勘違いするのも仕方ないことだな。
特別扱い、というよりは英雄に個人的な興味が...とかそういう感じだろうが。
何しろお伽話の英雄みたいな感じらしいからな、帝国内での俺の扱い。

「そうですか」
「ああ」

俺にそういうことしないで、もっと周囲の令嬢の想いに気づいてやればいいのに。
そう思ったが、言わないことにした。
どう言い繕っても、俺の語彙だと失礼になってしまう。
俺は適当に菓子類をつまむ。
そうしていると、メイドがやって来て茶をポットから注いでくれた。

「君の好みがわからなかったから、悪いが私の好みのフレーバーにしてある」
「でも、好きですよ」
「そうか...よかった」

俺は茶のフレーバーに明るくないが、紅茶のカモミールに近いだろうか。
意識の低い生活スタイルだからな、今も昔も。
改めて対面すると、いつもナスカを思い出す。
家族だからなんだろうな。

「何か、お話があるのでしょうか?」
「いいや、特にないな」
「...? では、何故呼んだのですか?」
「特に理由はない、いや...君と茶を飲みたかっただけなのだ」

益々理解できないな。
俺はこうして無為な時間を過ごすのはあまり歓迎しない派だ。
何かしていないと爆発する。

「でしたら、お話を少し」
「...何だ?」
「陛下の好みの贈り物や、趣味についてお聞きしましょうか」
「...ふむ」

サフィア嬢に伝えるための情報収集を、ここで終わらせておこう。
皇帝陛下のコネは流石に作れないだろうが、伯爵令嬢、将来の皇妃のコネはありがたい。

「私はそなたからの贈り物であれば何でも良いが、できれば揃いのアクセサリーが良い」
「そうですか」

これはいい情報だ。
次は趣味だな。

「私の趣味は...ううむ、文を書くことと、剣技を少しだな」
「球技?」
「そなたが聞いてわかるものでもないだろうが、パラティオン流を少し嗜んでいる」

なら、サフィア嬢は揃いのアクセサリーや、アームガードや手袋などを贈れば喜ばれるんじゃないだろうか。
今までの贈り物が悪かったのかもしれないな。

「...そうだ、君の好きなものと趣味を聞きたい」
「私ですか?」

俺の趣味か...
言っていいか迷うが、半無礼講と思って行こう。

「私は平民ですので、陛下に理解できるものかは分かりませんが、好きなものはお茶ですね、気分が落ち着きます」

長い航海、心を落ち着けるのは茶やコーヒーだ。

「いや、理解できなくはない。私も茶は好きだ、宇宙そらを旅する君には、それが一番だということだな」
「ええ、それから...趣味はゲームです」
「ゲーム? 盤上遊戯か?」
「いえ、電子画面の....ビデオゲームですよ」
「何と....平民の間で流行っているのは知っていたが、私にも出来るか?」
「はい、大丈夫だと思います....けど、王国の携帯端末が必要ですよ」
「用意させよう」

本気か。
まあ、このお茶会で得られたものはあったかもしれないと、俺は後に思う。
エグニカ・ドールクライスの新規ユーザーが一人増え、俺は招待報酬を受け取り、アルたちを助けられるフレンドが一人増えた。
こんなんでいいのか....
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

スーパーの店長・結城偉介 〜異世界でスーパーの売れ残りを在庫処分〜

かの
ファンタジー
 世界一周旅行を夢見てコツコツ貯金してきたスーパーの店長、結城偉介32歳。  スーパーのバックヤードで、うたた寝をしていた偉介は、何故か異世界に転移してしまう。  偉介が転移したのは、スーパーでバイトするハル君こと、青柳ハル26歳が書いたファンタジー小説の世界の中。  スーパーの過剰商品(売れ残り)を捌きながら、微妙にズレた世界線で、偉介の異世界一周旅行が始まる!  冒険者じゃない! 勇者じゃない! 俺は商人だーーー! だからハル君、お願い! 俺を戦わせないでください!

【しっかり書き換え版】『異世界でたった1人の日本人』~ 異世界で日本の神の加護を持つたった1人の男~

石のやっさん
ファンタジー
12/17 13時20分 HOT男性部門1位 ファンタジー日間 1位 でした。 ありがとうございます 主人公の神代理人(かみしろ りひと)はクラスの異世界転移に巻き込まれた。 転移前に白い空間にて女神イシュタスがジョブやスキルを与えていたのだが、理人の番が来た時にイシュタスの顔色が変わる。「貴方神臭いわね」そう言うと理人にだけジョブやスキルも与えずに異世界に転移をさせた。 ジョブやスキルの無い事から早々と城から追い出される事が決まった、理人の前に天照の分体、眷属のアマ=テラス事『テラスちゃん』が現れた。 『異世界の女神は誘拐犯なんだ』とリヒトに話し、神社の宮司の孫の理人に異世界でも生きられるように日本人ならではの力を授けてくれた。 ここから『異世界でたった1人の日本人、理人の物語』がスタートする 「『異世界でたった1人の日本人』 私達を蔑ろにしチート貰ったのだから返して貰いますね」が好評だったのですが...昔に書いて小説らしくないのでしっかり書き始めました。

異世界ハズレモノ英雄譚〜無能ステータスと言われた俺が、ざまぁ見せつけながらのし上がっていくってよ!〜

mitsuzoエンターテインメンツ
ファンタジー
【週三日(月・水・金)投稿 基本12:00〜14:00】 異世界にクラスメートと共に召喚された瑛二。 『ハズレモノ』という聞いたこともない称号を得るが、その低スペックなステータスを見て、皆からハズレ称号とバカにされ、それどころか邪魔者扱いされ殺されそうに⋯⋯。 しかし、実は『超チートな称号』であることがわかった瑛二は、そこから自分をバカにした者や殺そうとした者に対して、圧倒的な力を隠しつつ、ざまぁを展開していく。 そして、そのざまぁは図らずも人類の命運を握るまでのものへと発展していくことに⋯⋯。

セカンドライフは寮母さん 魔王を討伐した冒険者は魔法学園女子寮の管理人になりました

今卓&
ファンタジー
その日、魔法学園女子寮に新しい寮母さんが就任しました、彼女は二人の養女を連れており、学園講師と共に女子寮を訪れます、その日からかしましい新たな女子寮の日常が紡がれ始めました。

最強賢者の最強メイド~主人もメイドもこの世界に敵がいないようです~

津ヶ谷
ファンタジー
 綾瀬樹、都内の私立高校に通う高校二年生だった。 ある日、樹は交通事故で命を落としてしまう。  目覚めた樹の前に現れたのは神を名乗る人物だった。 その神により、チートな力を与えられた樹は異世界へと転生することになる。  その世界での樹の功績は認められ、ほんの数ヶ月で最強賢者として名前が広がりつつあった。  そこで、褒美として、王都に拠点となる屋敷をもらい、執事とメイドを派遣してもらうことになるのだが、このメイドも実は元世界最強だったのだ。  これは、世界最強賢者の樹と世界最強メイドのアリアの異世界英雄譚。

【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。

三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎ 長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!? しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。 ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。 といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。 とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない! フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!

高校生の俺、異世界転移していきなり追放されるが、じつは最強魔法使い。可愛い看板娘がいる宿屋に拾われたのでもう戻りません

下昴しん
ファンタジー
高校生のタクトは部活帰りに突然異世界へ転移してしまう。 横柄な態度の王から、魔法使いはいらんわ、城から出ていけと言われ、いきなり無職になったタクト。 偶然会った宿屋の店長トロに仕事をもらい、看板娘のマロンと一緒に宿と食堂を手伝うことに。 すると突然、客の兵士が暴れだし宿はメチャクチャになる。 兵士に殴り飛ばされるトロとマロン。 この世界の魔法は、生活で利用する程度の威力しかなく、とても弱い。 しかし──タクトの魔法は人並み外れて、無法者も脳筋男もひれ伏すほど強かった。

無能扱いされ会社を辞めさせられ、モフモフがさみしさで命の危機に陥るが懸命なナデナデ配信によりバズる~色々あって心と音速の壁を突破するまで~

ぐうのすけ
ファンタジー
大岩翔(オオイワ カケル・20才)は部長の悪知恵により会社を辞めて家に帰った。 玄関を開けるとモフモフ用座布団の上にペットが座って待っているのだが様子がおかしい。 「きゅう、痩せたか?それに元気もない」 ペットをさみしくさせていたと反省したカケルはペットを頭に乗せて大穴(ダンジョン)へと走った。 だが、大穴に向かう途中で小麦粉の大袋を担いだJKとぶつかりそうになる。 「パンを咥えて遅刻遅刻~ではなく原材料を担ぐJKだと!」 この奇妙な出会いによりカケルはヒロイン達と心を通わせ、心に抱えた闇を超え、心と音速の壁を突破する。

処理中です...