34 / 247
シーズン1-クロトザク戦線
033-惑星降下
しおりを挟む
戦いは終わり、味方の被害は軽微、敵の被害は甚大という結果で終わった。
....のだが、指揮に夢中で式に気が付かなかった。
「しまった.....そうだったっ!」
ルルとネムと結婚するんだった俺....
まあ、結婚という名の保護名目の確保だから、式を挙げる必要はないんだが。
『ご成婚おめでとうございます』
「ふざけた事言ってないで、送迎用のシャトルを準備しろ」
『了解です』
既に向こうでは二人が待っている。
俺はラフな格好に着替えると、Noa-Tunの第四格納庫まで移動する。
「久しぶりに見たが、結構デカいんだな」
画面だけで見ると、やっぱり小さく見えるものだが。
シャトルはコルベットサイズであるにもかかわらず巨大に見えた。
乗り込むと、ちゃんと内部構造も存在していて、見ただけでは分からない様々な機材が壁面に設置されていた。
「まあそもそも、SCCは一人一人が船に乗って動かすゲームだしな」
オーロラが操作しているが、本来はアカウントにつき一隻、場合によっては複数のアカウントを同時に運用したり、他の人とパーティー....フリートを組むことで艦隊を形成するゲームだ。
だからこそ、一人で操縦できてもおかしくないのだ。
今日はオーロラにやってもらうが。
「おおっと」
シートベルトを締めて、エアロックを閉じるとシャトルは浮き上がり、格納庫の内部をゆっくりと進む。
ホールドスターは超小型、小型、中型、大型の格納庫がそれぞれ複数個あるので、宇宙に出るのは早かった。
『司令官、これより惑星の降下軌道に入ります』
「ああ」
シャトルは惑星へと降下する。
大気成分がほぼ地球と同じの為、大気圏突入も地球と同じプロセスを踏んだ。
違ったのは、海上に着水するのではなく、真下を向いた姿勢から正面を向く姿勢に転進したことだ。
「凄いな、Gをほとんど感じなかったぞ」
『Noa-Tun内で歩行できるのと同じ理論ですよ』
シャトルは風を切って草原の上を飛翔する。
遠くに見える森を越えると、獣人の国だ。
「一応哨戒は散らせているんだな」
『はい、そのようですね』
森の境界付近に獣人たちが見えた。
こちらに向かって手を振っていた。
『着陸態勢に入ります、下部尾翼収納』
SSCの艦船は重力圏内だと着陸できそうにないのが多いが、その辺は強化船体のおかげで問題ないようだ。
「やはり気づいたか」
シャトルの速度的に気づかないかと思っていたが、獣人の国に近づくと、二人が草原に座って待っていた。
恐らく、星に降りるときの流星を見て気づかれたのだろう。
『停止状態を確認、対地距離0m、タラップを降ろします』
「頼む」
タラップを降ろし、外に出た俺は、草原を駆け抜ける風と、暖かな日差しを感じた。
.....いつぶりだろうな、こういうのは。
「シン様!」
「ああ、来たぞ......中で話をしよう」
お付きの人間達の視線が痛い。
だがその時、ネムと一緒に来た獣人が口を開いた。
「こんにちは、我らの護り手様」
「ああ」
兎の獣人だろうか?
こういう目で人を評するのは正直最低だが、胸も尻もでっか.....となるような様相で、目のやり場に困る。
「私はティファナ・ダイレンシア。新しい族長です」
「ということは.....」
「はい、我らが姫様を、丁重に扱っていただけるようにと懇願しにまいりました」
「...そうか、移動用の船故に何も無いが、話は中でしよう」
「はっ」
俺たちはシャトルの中へと入るのであった。
....のだが、指揮に夢中で式に気が付かなかった。
「しまった.....そうだったっ!」
ルルとネムと結婚するんだった俺....
まあ、結婚という名の保護名目の確保だから、式を挙げる必要はないんだが。
『ご成婚おめでとうございます』
「ふざけた事言ってないで、送迎用のシャトルを準備しろ」
『了解です』
既に向こうでは二人が待っている。
俺はラフな格好に着替えると、Noa-Tunの第四格納庫まで移動する。
「久しぶりに見たが、結構デカいんだな」
画面だけで見ると、やっぱり小さく見えるものだが。
シャトルはコルベットサイズであるにもかかわらず巨大に見えた。
乗り込むと、ちゃんと内部構造も存在していて、見ただけでは分からない様々な機材が壁面に設置されていた。
「まあそもそも、SCCは一人一人が船に乗って動かすゲームだしな」
オーロラが操作しているが、本来はアカウントにつき一隻、場合によっては複数のアカウントを同時に運用したり、他の人とパーティー....フリートを組むことで艦隊を形成するゲームだ。
だからこそ、一人で操縦できてもおかしくないのだ。
今日はオーロラにやってもらうが。
「おおっと」
シートベルトを締めて、エアロックを閉じるとシャトルは浮き上がり、格納庫の内部をゆっくりと進む。
ホールドスターは超小型、小型、中型、大型の格納庫がそれぞれ複数個あるので、宇宙に出るのは早かった。
『司令官、これより惑星の降下軌道に入ります』
「ああ」
シャトルは惑星へと降下する。
大気成分がほぼ地球と同じの為、大気圏突入も地球と同じプロセスを踏んだ。
違ったのは、海上に着水するのではなく、真下を向いた姿勢から正面を向く姿勢に転進したことだ。
「凄いな、Gをほとんど感じなかったぞ」
『Noa-Tun内で歩行できるのと同じ理論ですよ』
シャトルは風を切って草原の上を飛翔する。
遠くに見える森を越えると、獣人の国だ。
「一応哨戒は散らせているんだな」
『はい、そのようですね』
森の境界付近に獣人たちが見えた。
こちらに向かって手を振っていた。
『着陸態勢に入ります、下部尾翼収納』
SSCの艦船は重力圏内だと着陸できそうにないのが多いが、その辺は強化船体のおかげで問題ないようだ。
「やはり気づいたか」
シャトルの速度的に気づかないかと思っていたが、獣人の国に近づくと、二人が草原に座って待っていた。
恐らく、星に降りるときの流星を見て気づかれたのだろう。
『停止状態を確認、対地距離0m、タラップを降ろします』
「頼む」
タラップを降ろし、外に出た俺は、草原を駆け抜ける風と、暖かな日差しを感じた。
.....いつぶりだろうな、こういうのは。
「シン様!」
「ああ、来たぞ......中で話をしよう」
お付きの人間達の視線が痛い。
だがその時、ネムと一緒に来た獣人が口を開いた。
「こんにちは、我らの護り手様」
「ああ」
兎の獣人だろうか?
こういう目で人を評するのは正直最低だが、胸も尻もでっか.....となるような様相で、目のやり場に困る。
「私はティファナ・ダイレンシア。新しい族長です」
「ということは.....」
「はい、我らが姫様を、丁重に扱っていただけるようにと懇願しにまいりました」
「...そうか、移動用の船故に何も無いが、話は中でしよう」
「はっ」
俺たちはシャトルの中へと入るのであった。
22
あなたにおすすめの小説
チート無しっ!?黒髪の少女の異世界冒険記
ノン・タロー
ファンタジー
ごく普通の女子高生である「武久 佳奈」は、通学途中に突然異世界へと飛ばされてしまう。
これは何の特殊な能力もチートなスキルも持たない、ただごく普通の女子高生が、自力で会得した魔法やスキルを駆使し、元の世界へと帰る方法を探すべく見ず知らずの異世界で様々な人々や、様々な仲間たちとの出会いと別れを繰り返し、成長していく記録である……。
設定
この世界は人間、エルフ、妖怪、獣人、ドワーフ、魔物等が共存する世界となっています。
その為か男性だけでなく、女性も性に対する抵抗がわりと低くなっております。
高校生の俺、異世界転移していきなり追放されるが、じつは最強魔法使い。可愛い看板娘がいる宿屋に拾われたのでもう戻りません
下昴しん
ファンタジー
高校生のタクトは部活帰りに突然異世界へ転移してしまう。
横柄な態度の王から、魔法使いはいらんわ、城から出ていけと言われ、いきなり無職になったタクト。
偶然会った宿屋の店長トロに仕事をもらい、看板娘のマロンと一緒に宿と食堂を手伝うことに。
すると突然、客の兵士が暴れだし宿はメチャクチャになる。
兵士に殴り飛ばされるトロとマロン。
この世界の魔法は、生活で利用する程度の威力しかなく、とても弱い。
しかし──タクトの魔法は人並み外れて、無法者も脳筋男もひれ伏すほど強かった。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
異世界でぺったんこさん!〜無限収納5段階活用で無双する〜
KeyBow
ファンタジー
間もなく50歳になる銀行マンのおっさんは、高校生達の異世界召喚に巻き込まれた。
何故か若返り、他の召喚者と同じ高校生位の年齢になっていた。
召喚したのは、魔王を討ち滅ぼす為だと伝えられる。自分で2つのスキルを選ぶ事が出来ると言われ、おっさんが選んだのは無限収納と飛翔!
しかし召喚した者達はスキルを制御する為の装飾品と偽り、隷属の首輪を装着しようとしていた・・・
いち早くその嘘に気が付いたおっさんが1人の少女を連れて逃亡を図る。
その後おっさんは無限収納の5段階活用で無双する!・・・はずだ。
上空に飛び、そこから大きな岩を落として押しつぶす。やがて救った少女は口癖のように言う。
またぺったんこですか?・・・
酒好きおじさんの異世界酒造スローライフ
天野 恵
ファンタジー
酒井健一(51歳)は大の酒好きで、酒類マスターの称号を持ち世界各国を飛び回っていたほどの実力だった。
ある日、深酒して帰宅途中に事故に遭い、気がついたら異世界に転生していた。転移した際に一つの“スキル”を授かった。
そのスキルというのは【酒聖(しゅせい)】という名のスキル。
よくわからないスキルのせいで見捨てられてしまう。
そんな時、修道院シスターのアリアと出会う。
こうして、2人は異世界で仲間と出会い、お酒作りや飲み歩きスローライフが始まる。
チート魅了スキルで始まる、美少女たちとの異世界ハーレム生活
仙道
ファンタジー
ごく普通の会社員だった佐々木健太は、異世界へ転移してして、あらゆる女性を無条件に魅了するチート能力を手にする。
彼はこの能力で、女騎士セシリア、ギルド受付嬢リリア、幼女ルナ、踊り子エリスといった魅力的な女性たちと出会い、絆を深めていく。
【完結】発明家アレンの異世界工房 ~元・商品開発部員の知識で村おこし始めました~
シマセイ
ファンタジー
過労死した元商品開発部員の田中浩介は、女神の計らいで異世界の少年アレンに転生。
前世の知識と物作りの才能を活かし、村の道具を次々と改良。
その発明は村の生活を豊かにし、アレンは周囲の信頼と期待を集め始める。
異世界あるある 転生物語 たった一つのスキルで無双する!え?【土魔法】じゃなくって【土】スキル?
よっしぃ
ファンタジー
農民が土魔法を使って何が悪い?異世界あるある?前世の謎知識で無双する!
土砂 剛史(どしゃ つよし)24歳、独身。自宅のパソコンでネットをしていた所、突然轟音がしたと思うと窓が破壊され何かがぶつかってきた。
自宅付近で高所作業車が電線付近を作業中、トラックが高所作業車に突っ込み運悪く剛史の部屋に高所作業車のアームの先端がぶつかり、そのまま窓から剛史に一直線。
『あ、やべ!』
そして・・・・
【あれ?ここは何処だ?】
気が付けば真っ白な世界。
気を失ったのか?だがなんか聞こえた気がしたんだが何だったんだ?
・・・・
・・・
・・
・
【ふう・・・・何とか間に合ったか。たった一つのスキルか・・・・しかもあ奴の元の名からすれば土関連になりそうじゃが。済まぬが異世界あるあるのチートはない。】
こうして剛史は新た生を異世界で受けた。
そして何も思い出す事なく10歳に。
そしてこの世界は10歳でスキルを確認する。
スキルによって一生が決まるからだ。
最低1、最高でも10。平均すると概ね5。
そんな中剛史はたった1しかスキルがなかった。
しかも土木魔法と揶揄される【土魔法】のみ、と思い込んでいたが【土魔法】ですらない【土】スキルと言う謎スキルだった。
そんな中頑張って開拓を手伝っていたらどうやら領主の意に添わなかったようで
ゴウツク領主によって領地を追放されてしまう。
追放先でも土魔法は土木魔法とバカにされる。
だがここで剛史は前世の記憶を徐々に取り戻す。
『土魔法を土木魔法ってバカにすんなよ?異世界あるあるな前世の謎知識で無双する!』
不屈の精神で土魔法を極めていく剛史。
そしてそんな剛史に同じような境遇の人々が集い、やがて大きなうねりとなってこの世界を席巻していく。
その中には同じく一つスキルしか得られず、公爵家や侯爵家を追放された令嬢も。
前世の記憶を活用しつつ、やがて土木魔法と揶揄されていた土魔法を世界一のスキルに押し上げていく。
但し剛史のスキルは【土魔法】ですらない【土】スキル。
転生時にチートはなかったと思われたが、努力の末にチートと言われるほどスキルを活用していく事になる。
これは所持スキルの少なさから世間から見放された人々が集い、ギルド『ワンチャンス』を結成、努力の末に世界一と言われる事となる物語・・・・だよな?
何故か追放された公爵令嬢や他の貴族の令嬢が集まってくるんだが?
俺は農家の4男だぞ?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる