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シーズン3-大侵攻の序曲
074-忠犬? 狂犬?
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「あー...オーロラ? あれ、マリアンヌか?」
『はい、現在は名を変えさせ、アインスと名乗らせております』
俺は別人になったマリアンヌを見てドン引きしていた。
記憶や経験は引き継いでいるが、言動が完全に別物だ。
以前は何だか高貴な印象を受ける、我儘放題の皇女様だったが、今は軍人のステレオタイプなイメージ画像を見せられているようだ。
「楽にしていいぞ」
「イエス、サー!」
俺が命じると、彼女は敬礼を解いてビシッと直立した。
『シン、人間、楽の定義...再定義?』
「いや、彼女がおかしいだけだろう、多分...」
俺は「まともに話が出来るようにしろ」と言っただけなのだが...
「アインス、お前の職位は何か理解しているか?」
「イエス、サー! 私は貴方様の副官です! 何なりとお使いください!」
「そうか...」
悩みの種が増えた。
だが、元に戻しても戻さなくても、厄介なことに変わりはない。
「では、最初の任務をお前に与える。皇国へ放送を行い、国民達に無駄な抵抗を止めるように伝えよ」
「イエッサー! 直ちに実行いたします」
「待て」
「はい!」
「こちらで原稿を用意する。それまで自室で待機していろ」
「イエス、サー!」
アインスはきびきびと動きながら、戦闘指揮所を去っていった。
後をカメラで追うと、全く動きを逸らす事なく、最短距離で自室へ向かっていた。
『えっ!? だ、誰ですか!?』
その時、角を曲がってきたルルと鉢合わせる。
アインスはその時点でサッと半歩下がり、ルルに向けて跪いた。
『私の名前はアインス、シン司令官の忠実な副官です。司令官の未来の妻である貴方に、忠誠を捧げます!』
『つ、妻だなんて...まだ決まって...じゃなくて! ううう...あの人、また知らない女の人を連れてきてっ!』
「まずいな」
このままだとルルに怒られそうな気がする。
『それは違います、ルル様。私は無理矢理連れてこられたのではなく、シン司令官の雄姿に感銘を受け、永遠の忠誠を誓っているのです! 恋愛などと畏れ多い...!』
『そ、そうなの? なら、いいですけど...』
「いや、よくはないが」
俺は呟く。
アインスはルルに再度挨拶をすると、真っ直ぐに自室へと辿り着いた。
そして、中の様子はオーロラが解説する。
『ベッドに座り、動作を停止しました。5分40秒の間、殆ど動いていません』
「待機しろって命令を、真面目に捉えすぎたか...」
逆に柔軟性が無くて、使いづらいな。
オーロラのように、ウィットに富んだ思考回路になるのが最良だったが、人間そううまくもいかないんだな、と思うのだった。
その頃。
ビージアイナ帝国の首都、アルジアイナにて。
その中心に立つ帝城の会議室に、ビージアイナ帝国を治める重鎮たちが集っていた。
「2JZ-GTE星系へのゲートが一瞬復旧しました」
「バカな、あれは移動先が重力災害に巻き込まれたという結論で終わったではないか!」
議長が発した話題に、高位貴族の一人が異を発する。
だが、それを、最も高貴な位置へと座る人物が制した。
「やめよ」
「しかし、ディーヴァ様...」
「全ての者の意見を平等に聞き、そして結果を判ずるのが会議というものじゃ、わらわも興味がある、死んだ門が何故甦ったか? 聞こうではないか、皆の意見を」
「ははっ!」
「ビージアイナの至宝に、栄光あれ!」
銀髪とそれに対照的になるような褐色の肌。
碧色と銀色の瞳を持ったビージアイナの至宝、長い耳を持ち、朽ちることのない花とも呼ばれるディーヴァ・ルジェイナ・ビルジアイナの耳に、この話が入った事で、帝国は歩み始める。
終わることのない恭順への道を。
『はい、現在は名を変えさせ、アインスと名乗らせております』
俺は別人になったマリアンヌを見てドン引きしていた。
記憶や経験は引き継いでいるが、言動が完全に別物だ。
以前は何だか高貴な印象を受ける、我儘放題の皇女様だったが、今は軍人のステレオタイプなイメージ画像を見せられているようだ。
「楽にしていいぞ」
「イエス、サー!」
俺が命じると、彼女は敬礼を解いてビシッと直立した。
『シン、人間、楽の定義...再定義?』
「いや、彼女がおかしいだけだろう、多分...」
俺は「まともに話が出来るようにしろ」と言っただけなのだが...
「アインス、お前の職位は何か理解しているか?」
「イエス、サー! 私は貴方様の副官です! 何なりとお使いください!」
「そうか...」
悩みの種が増えた。
だが、元に戻しても戻さなくても、厄介なことに変わりはない。
「では、最初の任務をお前に与える。皇国へ放送を行い、国民達に無駄な抵抗を止めるように伝えよ」
「イエッサー! 直ちに実行いたします」
「待て」
「はい!」
「こちらで原稿を用意する。それまで自室で待機していろ」
「イエス、サー!」
アインスはきびきびと動きながら、戦闘指揮所を去っていった。
後をカメラで追うと、全く動きを逸らす事なく、最短距離で自室へ向かっていた。
『えっ!? だ、誰ですか!?』
その時、角を曲がってきたルルと鉢合わせる。
アインスはその時点でサッと半歩下がり、ルルに向けて跪いた。
『私の名前はアインス、シン司令官の忠実な副官です。司令官の未来の妻である貴方に、忠誠を捧げます!』
『つ、妻だなんて...まだ決まって...じゃなくて! ううう...あの人、また知らない女の人を連れてきてっ!』
「まずいな」
このままだとルルに怒られそうな気がする。
『それは違います、ルル様。私は無理矢理連れてこられたのではなく、シン司令官の雄姿に感銘を受け、永遠の忠誠を誓っているのです! 恋愛などと畏れ多い...!』
『そ、そうなの? なら、いいですけど...』
「いや、よくはないが」
俺は呟く。
アインスはルルに再度挨拶をすると、真っ直ぐに自室へと辿り着いた。
そして、中の様子はオーロラが解説する。
『ベッドに座り、動作を停止しました。5分40秒の間、殆ど動いていません』
「待機しろって命令を、真面目に捉えすぎたか...」
逆に柔軟性が無くて、使いづらいな。
オーロラのように、ウィットに富んだ思考回路になるのが最良だったが、人間そううまくもいかないんだな、と思うのだった。
その頃。
ビージアイナ帝国の首都、アルジアイナにて。
その中心に立つ帝城の会議室に、ビージアイナ帝国を治める重鎮たちが集っていた。
「2JZ-GTE星系へのゲートが一瞬復旧しました」
「バカな、あれは移動先が重力災害に巻き込まれたという結論で終わったではないか!」
議長が発した話題に、高位貴族の一人が異を発する。
だが、それを、最も高貴な位置へと座る人物が制した。
「やめよ」
「しかし、ディーヴァ様...」
「全ての者の意見を平等に聞き、そして結果を判ずるのが会議というものじゃ、わらわも興味がある、死んだ門が何故甦ったか? 聞こうではないか、皆の意見を」
「ははっ!」
「ビージアイナの至宝に、栄光あれ!」
銀髪とそれに対照的になるような褐色の肌。
碧色と銀色の瞳を持ったビージアイナの至宝、長い耳を持ち、朽ちることのない花とも呼ばれるディーヴァ・ルジェイナ・ビルジアイナの耳に、この話が入った事で、帝国は歩み始める。
終わることのない恭順への道を。
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