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シーズン7-対エミド戦線
154-傲慢の代償
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さて。
どうやらユグドラシル星系を奪還したわけだが...
現在、この星系は完全に閉じた星系となっている。
何故なら、ゲートを破壊したからだ。
向こうからはこの星系にはアクセス出来ないし、安全地帯の確保はうまく行った。
だが...
「そうか、被害は甚大か...」
イルエジータはエミドに攻撃され、人類の生存圏の殆どを失っていた。
クロトザクの本星に至っては星ごと砕かれ、岩塊しか残っていない。
『はい、しかし...戦いは決したのですね?』
「いいや、まだだ。空に空いた穴は閉じたが、俺たちはこれより再度その穴に飛び込み、敵の傲慢に楔を穿つ予定だ」
『星空の帝王にこのように頼み事をするなど烏滸がましい事だとは分かっています、しかし...』
ティファナは胸に手を当て、こちらを見上げてきた。
『どうか、散った仲間達の無念を、仇をとってください』
「俺はそれについて責任を持たない」
『そう......ですか.....』
復讐や信念の為に戦う訳ではない。
だから俺は、ティファナの目を真っすぐに見て言う。
「俺が敵を倒すことで、それが無念を晴らし仇を取ることになるというのなら。――――勝手に思うがいい」
『....分かりました、星空の帝王』
......今回の戦い、天空騎士団は甚大な被害を出した。
まず、初期の侵攻時点で全体の戦力の40%を喪失。
ユグドラシル星系での戦いでは、未帰還機は全体の24%。
母数が多いために、その被害は計り知れないものとなった。
彼らは対価を貰って死んだが、彼らが守ろうとした獣人族も、今やその半数を失っている。
「.......オーロラ」
通信を切った俺は、席を立つ。
未だNoa-Tunは、次元断層の中にある。
戦域の安全を保てないからだ。
『はい』
「獣人は、対価を余分に払った。だから俺は、余剰分の対価を払ってやらなければならないと思っている」
俺だって、獣人を大切に思っていないわけではない。
『ブラックバード』に搭乗していた兎人、アズル。
俺は彼の事を高く買っていたし、彼も俺に忠誠心を持って任務に励んでくれた。
「.....苦手だな、こういうのは」
俺は彼の遺影を、自分のデスクに飾っている。
彼は明確に死んだ。
P.O.Dで数度切り裂かれ、その機体が爆発するその瞬間を、俺は見ている。
きっと、ルルやネムが死んだときに比べれば悲しみは薄い。
だが.....退けなくなった。
獣人たちが、蹂躙された故郷を想う様に。
俺は、彼を死に追いやった責任を取らなければならない。
「悲観するつもりも、後悔するつもりもないけどな」
昔だったら吐いたり、落ち込むこともあっただろう。
だが俺は『目的』が出来た。
もう後戻りはできないし、泣き言や弱音なんて吐いていられない。
「燃料と資源の備蓄割合をリストアップしろ」
『はい』
俺はオーロラに命じ、資源の状況をチェックする。
燃料は半分を切ったものが多く、資源はその殆どが通常艦船ならば充分、主力艦の建造には全く足りないといった状況だ。
敵の拠点に攻め込むには少し物足りないが...
「まだ、だよな。ミドガルズ・オルム」
俺は敵に破壊されずに残った主力艦を見る。
それは、へーパイストスの残骸に寄り添うように浮かんでいる。
その船体はボロボロだが、まだアーマーリペアラは生きている。
オーロラとの接続が切れて無くなったことで、停止しただけなのだ。
「こうなったら意地でも敵の本星を叩くぞ」
俺はそう決意したのであった。
どうやらユグドラシル星系を奪還したわけだが...
現在、この星系は完全に閉じた星系となっている。
何故なら、ゲートを破壊したからだ。
向こうからはこの星系にはアクセス出来ないし、安全地帯の確保はうまく行った。
だが...
「そうか、被害は甚大か...」
イルエジータはエミドに攻撃され、人類の生存圏の殆どを失っていた。
クロトザクの本星に至っては星ごと砕かれ、岩塊しか残っていない。
『はい、しかし...戦いは決したのですね?』
「いいや、まだだ。空に空いた穴は閉じたが、俺たちはこれより再度その穴に飛び込み、敵の傲慢に楔を穿つ予定だ」
『星空の帝王にこのように頼み事をするなど烏滸がましい事だとは分かっています、しかし...』
ティファナは胸に手を当て、こちらを見上げてきた。
『どうか、散った仲間達の無念を、仇をとってください』
「俺はそれについて責任を持たない」
『そう......ですか.....』
復讐や信念の為に戦う訳ではない。
だから俺は、ティファナの目を真っすぐに見て言う。
「俺が敵を倒すことで、それが無念を晴らし仇を取ることになるというのなら。――――勝手に思うがいい」
『....分かりました、星空の帝王』
......今回の戦い、天空騎士団は甚大な被害を出した。
まず、初期の侵攻時点で全体の戦力の40%を喪失。
ユグドラシル星系での戦いでは、未帰還機は全体の24%。
母数が多いために、その被害は計り知れないものとなった。
彼らは対価を貰って死んだが、彼らが守ろうとした獣人族も、今やその半数を失っている。
「.......オーロラ」
通信を切った俺は、席を立つ。
未だNoa-Tunは、次元断層の中にある。
戦域の安全を保てないからだ。
『はい』
「獣人は、対価を余分に払った。だから俺は、余剰分の対価を払ってやらなければならないと思っている」
俺だって、獣人を大切に思っていないわけではない。
『ブラックバード』に搭乗していた兎人、アズル。
俺は彼の事を高く買っていたし、彼も俺に忠誠心を持って任務に励んでくれた。
「.....苦手だな、こういうのは」
俺は彼の遺影を、自分のデスクに飾っている。
彼は明確に死んだ。
P.O.Dで数度切り裂かれ、その機体が爆発するその瞬間を、俺は見ている。
きっと、ルルやネムが死んだときに比べれば悲しみは薄い。
だが.....退けなくなった。
獣人たちが、蹂躙された故郷を想う様に。
俺は、彼を死に追いやった責任を取らなければならない。
「悲観するつもりも、後悔するつもりもないけどな」
昔だったら吐いたり、落ち込むこともあっただろう。
だが俺は『目的』が出来た。
もう後戻りはできないし、泣き言や弱音なんて吐いていられない。
「燃料と資源の備蓄割合をリストアップしろ」
『はい』
俺はオーロラに命じ、資源の状況をチェックする。
燃料は半分を切ったものが多く、資源はその殆どが通常艦船ならば充分、主力艦の建造には全く足りないといった状況だ。
敵の拠点に攻め込むには少し物足りないが...
「まだ、だよな。ミドガルズ・オルム」
俺は敵に破壊されずに残った主力艦を見る。
それは、へーパイストスの残骸に寄り添うように浮かんでいる。
その船体はボロボロだが、まだアーマーリペアラは生きている。
オーロラとの接続が切れて無くなったことで、停止しただけなのだ。
「こうなったら意地でも敵の本星を叩くぞ」
俺はそう決意したのであった。
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