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シーズン8-オルトス王国侵攻編
173-ロスミア星系襲撃戦(後編)
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『突入完了、コンテナから退出してください』
そんな音声がコックピットに響く。
その声を聴きながら、ツヴァイは操縦桿を手前いっぱいに倒した。
コンテナの外は戦場である。
「こちらツヴァイ、これよりロスミア星系第七ステーションの制圧に出る」
『了解した、こちらアインス、移譲された指揮権を受け取った』
「はっ!」
六本足で機敏に動くツヴァイの乗機は、イェソドという名を持つ。
六脚の可動部の上に、不格好な立体八角形が乗っている。
冗談のような形状だが、その攻撃性能は冗談ではない。
左右の側面から飛び出したガトリングパルスレーザーが、周囲にいる生命反応を的確に撃ち抜いていく。
既に内部に突入した陸上兵器「ワームⅡ」と同じく、イェソドは陸上特化の殺戮兵器なのだ。
「クソ、化け物め!」
「バカ、やめろ!」
物陰から飛び出した王国兵が、ロケットランチャーを構えて撃つ。
砲弾がイェソドに直撃するが、直後噴煙の中から徹甲弾が飛び、帝国兵二人の前に突き刺さり、大爆発を引き起こした。
あっという間に王国兵二人の命は失われた。
対してイェソドは無傷である。
当然だ、ワームⅡと同じく、イェソドにはシールドがある。
「ワームⅡは生命反応の消滅に務めてください。私は単身で炉心を抑えます」
高機動重戦車と同じ戦力を持つイェソドを前に、歩兵程度では歯が立たない。
そう想定したツヴァイは、下部装甲からレールガンを展開し、扉を吹っ飛ばして前進した。
『既にこちらの攻撃艦隊との交戦は始まっている、そちらを制圧次第生存者の数に関わらず艦に戻り、艦隊戦に乱入して戦闘の指揮を執れ』
「はっ....しばしお待ちを」
『了解した』
ツヴァイはイェソドを止めた。
そして、右に振り向く。
「こ.....この悪魔が......」
「生体反応をスキャン、瀕死ですか」
そこにいたのは、一人の王国兵だ。
ツヴァイはガトリングパルスレーザーを無慈悲に向けた。
直ぐに殺さずにスキャンしたのは、爆発物を警戒しての事だ。
だが、そのせいで――――次の言葉を聞くことになった。
「騎士道精神もないのか.....糞野郎が」
「?」
だが、聞いたところでそれが何だというのか。
ツヴァイは王国語を解さないし、もとより命乞いなど考慮していないために、言語翻訳インターフェースも搭載されていない。
高速回転する砲身から放たれたレーザー弾が、名もなき一人の王国兵をミンチへと変えた。
ツヴァイは仕事に満足し、直後。
大爆発が通路を蹂躙した。
「チ.....愚かな」
ロケット弾をシールドで弾き、イェソドは全武装――――上部重レーザー砲、頭部パルスレーザー、左右ガトリングパルスレーザー、左右下部レールガン、左腕戦車砲、右腕グレネードランチャーを構え、静かに前進した。
『全艦隊、全隊員に告ぐ。星系内スキャンの生命反応のうち、アンノウンの9割をロスト! 直ちに回収地点に向かえ!』
『了解!』
『了解!』
『了解です!』
『了解っ!』
通信が星系内に響き、艦隊は一斉に撤収を始めた。
先ほどまでの狂乱は過ぎ去り、後には戦闘艦と移民船だったものの残骸、それから放り出され、恐怖に歪んだ表情の人間の残骸。
戦術核と大型中性子爆弾で焼き払われた惑星と、粉々に打ち砕かれ引き裂かれたステーションの残骸。
それだけが残るのみであった。
そんな音声がコックピットに響く。
その声を聴きながら、ツヴァイは操縦桿を手前いっぱいに倒した。
コンテナの外は戦場である。
「こちらツヴァイ、これよりロスミア星系第七ステーションの制圧に出る」
『了解した、こちらアインス、移譲された指揮権を受け取った』
「はっ!」
六本足で機敏に動くツヴァイの乗機は、イェソドという名を持つ。
六脚の可動部の上に、不格好な立体八角形が乗っている。
冗談のような形状だが、その攻撃性能は冗談ではない。
左右の側面から飛び出したガトリングパルスレーザーが、周囲にいる生命反応を的確に撃ち抜いていく。
既に内部に突入した陸上兵器「ワームⅡ」と同じく、イェソドは陸上特化の殺戮兵器なのだ。
「クソ、化け物め!」
「バカ、やめろ!」
物陰から飛び出した王国兵が、ロケットランチャーを構えて撃つ。
砲弾がイェソドに直撃するが、直後噴煙の中から徹甲弾が飛び、帝国兵二人の前に突き刺さり、大爆発を引き起こした。
あっという間に王国兵二人の命は失われた。
対してイェソドは無傷である。
当然だ、ワームⅡと同じく、イェソドにはシールドがある。
「ワームⅡは生命反応の消滅に務めてください。私は単身で炉心を抑えます」
高機動重戦車と同じ戦力を持つイェソドを前に、歩兵程度では歯が立たない。
そう想定したツヴァイは、下部装甲からレールガンを展開し、扉を吹っ飛ばして前進した。
『既にこちらの攻撃艦隊との交戦は始まっている、そちらを制圧次第生存者の数に関わらず艦に戻り、艦隊戦に乱入して戦闘の指揮を執れ』
「はっ....しばしお待ちを」
『了解した』
ツヴァイはイェソドを止めた。
そして、右に振り向く。
「こ.....この悪魔が......」
「生体反応をスキャン、瀕死ですか」
そこにいたのは、一人の王国兵だ。
ツヴァイはガトリングパルスレーザーを無慈悲に向けた。
直ぐに殺さずにスキャンしたのは、爆発物を警戒しての事だ。
だが、そのせいで――――次の言葉を聞くことになった。
「騎士道精神もないのか.....糞野郎が」
「?」
だが、聞いたところでそれが何だというのか。
ツヴァイは王国語を解さないし、もとより命乞いなど考慮していないために、言語翻訳インターフェースも搭載されていない。
高速回転する砲身から放たれたレーザー弾が、名もなき一人の王国兵をミンチへと変えた。
ツヴァイは仕事に満足し、直後。
大爆発が通路を蹂躙した。
「チ.....愚かな」
ロケット弾をシールドで弾き、イェソドは全武装――――上部重レーザー砲、頭部パルスレーザー、左右ガトリングパルスレーザー、左右下部レールガン、左腕戦車砲、右腕グレネードランチャーを構え、静かに前進した。
『全艦隊、全隊員に告ぐ。星系内スキャンの生命反応のうち、アンノウンの9割をロスト! 直ちに回収地点に向かえ!』
『了解!』
『了解!』
『了解です!』
『了解っ!』
通信が星系内に響き、艦隊は一斉に撤収を始めた。
先ほどまでの狂乱は過ぎ去り、後には戦闘艦と移民船だったものの残骸、それから放り出され、恐怖に歪んだ表情の人間の残骸。
戦術核と大型中性子爆弾で焼き払われた惑星と、粉々に打ち砕かれ引き裂かれたステーションの残骸。
それだけが残るのみであった。
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