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終章
203-カルラ星系攻略戦(前編)
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カルラ星系。
王国の要害であり、かつては帝国の侵攻に対しての防衛プロトコルの中心地でもあった。
現在、そこにはたった数百の艦船しか配備されていなかった。
アウトポストは既に撤退準備に入っており、民間人を安全にゲートまで護衛するためのステーションに防衛戦力が回されていた。
『こちらF62、B51F宙域に敵影無し』
『こちらG-11、45-JE宙域に敵影無し』
索敵が飛び交い、短距離ワープを繰り返すNoa-Tun連邦に対する対策が張り巡らされている。
だが。
それらは、全てが無意味だ。
どんなスキャンも、”海中”には届かない。
『こちらホド。アドアステラ、及び主力艦確認できない』
『こちらサタリエル、作戦宙域に布陣完了』
『こちらコバルト、艦隊の展開を完了』
直後。
サタリエル率いるハーヴグーヴァ級潜宙型巡洋艦が、一斉に魚雷を上へ向けて投射する。
”水面”――――即ち、次元境界面を突き抜けた魚雷は、ステーション周囲に展開している王国軍に牙を剥き、そのシールドごと装甲を貫き、爆発させる。
『次元結節点の安定度、マイナス2.1%低下。再浮上に影響しません』
「うん.....ポイントCのフリート、アクティブ」
ポイントC....即ち、深宇宙に位置する場所の異次元同座標に位置するヨグ=ソトスがプローブを射出し、次元境界面に結節点を形成――――つまり、穴を開け、グレンライカ艦隊を通常空間へと表出させる。
『こちらアインス、艦隊は正常に通常空間へ浮上しました。プローブ、パッシブモードへ移行』
グレンライカ艦隊は遮蔽し、そのままステーションの背面部分へとワープする。
そして、一斉にボムを投射。
ステーションの自動セントリータレットからの攻撃を受ける前に、ワープで離脱する。
離脱先は、別のプローブがある場所である。
『プローブ展開、艦隊を潜航させる』
グレンライカ艦隊は再び異次元へと沈み、今度は別の場所にガスト級超弩級戦艦艦隊が出現し、混乱する王国艦隊の眼前へとワープアウトする。
『ガスト級、ランダム射撃開始』
集中砲火ではなく、それぞれが別々の対象を砲撃する。
それは、ガスト級の特徴である単体火力への傾倒という長所を生かすためのものだ。
ガスト級の八門の四連装砲から放たれた徹甲弾は、王国艦隊へと襲い掛かり、そのシールドを貫通、装甲へと突き刺さる。
次の一射で、いくつかの艦が爆炎を上げて撃沈、吹っ飛んだ艦の残骸が別の艦のシールドに衝突して軽い混乱を齎す。
だが、王国艦隊も今回ばかりはやられてばかりではいない。
すぐに艦列を立て直し、レーザー砲でガスト級艦隊に反撃を仕掛ける。
『ガストA01~C12までに攻撃集中』
『シールドエコー、シールドウェーブ投下』
ガスト級の中央部に隠れていたドルイド級支援型駆逐艦が、艦隊全体に届くシールドエコーとシールド共鳴波を放出する。
それによってガスト級のシールドが強化され、王国艦隊からの砲撃を受けきる事が可能になった。
『ゼクス、作戦の完了状況を報告せよ』
『こちらゼクス.....98%』
『もう大丈夫です、ただちに亜空間へと退避しなさい』
『了解!』
直後。
ステーションの各所で大爆発が巻き起こった。
ホドがこっそりと設置した小型核爆弾が、ステーションの外壁に致命的な損傷を負わせた。
『こッ.....こちら、カルラⅡステーション! 外壁を消失! 気密が失われました、現在避難計画を立案中!』
ホドならば、ステーションを覆っているフォースフィールドはまったく意味をなさない。
亜空間に待機している輸送艦に積まれた小型核を運ぶことなど容易なのだ。
A.O.Iは設置に向かないため、今回は使用されなかった。
『作戦の成功を確認。全艦隊、ポイントD-51に集結』
第一次攻撃は終了し、連邦艦隊は転進。
一斉に回収ポイントへと向かう。
王国艦隊は大混乱のステーションで避難民の誘導・収容に戦力を割かざるを得なくなり、索敵に出ていた艦隊も帰還してゲートの防衛を行っていた。
その全てが、コバルトの掌の上であるとも知らずに。
王国の要害であり、かつては帝国の侵攻に対しての防衛プロトコルの中心地でもあった。
現在、そこにはたった数百の艦船しか配備されていなかった。
アウトポストは既に撤退準備に入っており、民間人を安全にゲートまで護衛するためのステーションに防衛戦力が回されていた。
『こちらF62、B51F宙域に敵影無し』
『こちらG-11、45-JE宙域に敵影無し』
索敵が飛び交い、短距離ワープを繰り返すNoa-Tun連邦に対する対策が張り巡らされている。
だが。
それらは、全てが無意味だ。
どんなスキャンも、”海中”には届かない。
『こちらホド。アドアステラ、及び主力艦確認できない』
『こちらサタリエル、作戦宙域に布陣完了』
『こちらコバルト、艦隊の展開を完了』
直後。
サタリエル率いるハーヴグーヴァ級潜宙型巡洋艦が、一斉に魚雷を上へ向けて投射する。
”水面”――――即ち、次元境界面を突き抜けた魚雷は、ステーション周囲に展開している王国軍に牙を剥き、そのシールドごと装甲を貫き、爆発させる。
『次元結節点の安定度、マイナス2.1%低下。再浮上に影響しません』
「うん.....ポイントCのフリート、アクティブ」
ポイントC....即ち、深宇宙に位置する場所の異次元同座標に位置するヨグ=ソトスがプローブを射出し、次元境界面に結節点を形成――――つまり、穴を開け、グレンライカ艦隊を通常空間へと表出させる。
『こちらアインス、艦隊は正常に通常空間へ浮上しました。プローブ、パッシブモードへ移行』
グレンライカ艦隊は遮蔽し、そのままステーションの背面部分へとワープする。
そして、一斉にボムを投射。
ステーションの自動セントリータレットからの攻撃を受ける前に、ワープで離脱する。
離脱先は、別のプローブがある場所である。
『プローブ展開、艦隊を潜航させる』
グレンライカ艦隊は再び異次元へと沈み、今度は別の場所にガスト級超弩級戦艦艦隊が出現し、混乱する王国艦隊の眼前へとワープアウトする。
『ガスト級、ランダム射撃開始』
集中砲火ではなく、それぞれが別々の対象を砲撃する。
それは、ガスト級の特徴である単体火力への傾倒という長所を生かすためのものだ。
ガスト級の八門の四連装砲から放たれた徹甲弾は、王国艦隊へと襲い掛かり、そのシールドを貫通、装甲へと突き刺さる。
次の一射で、いくつかの艦が爆炎を上げて撃沈、吹っ飛んだ艦の残骸が別の艦のシールドに衝突して軽い混乱を齎す。
だが、王国艦隊も今回ばかりはやられてばかりではいない。
すぐに艦列を立て直し、レーザー砲でガスト級艦隊に反撃を仕掛ける。
『ガストA01~C12までに攻撃集中』
『シールドエコー、シールドウェーブ投下』
ガスト級の中央部に隠れていたドルイド級支援型駆逐艦が、艦隊全体に届くシールドエコーとシールド共鳴波を放出する。
それによってガスト級のシールドが強化され、王国艦隊からの砲撃を受けきる事が可能になった。
『ゼクス、作戦の完了状況を報告せよ』
『こちらゼクス.....98%』
『もう大丈夫です、ただちに亜空間へと退避しなさい』
『了解!』
直後。
ステーションの各所で大爆発が巻き起こった。
ホドがこっそりと設置した小型核爆弾が、ステーションの外壁に致命的な損傷を負わせた。
『こッ.....こちら、カルラⅡステーション! 外壁を消失! 気密が失われました、現在避難計画を立案中!』
ホドならば、ステーションを覆っているフォースフィールドはまったく意味をなさない。
亜空間に待機している輸送艦に積まれた小型核を運ぶことなど容易なのだ。
A.O.Iは設置に向かないため、今回は使用されなかった。
『作戦の成功を確認。全艦隊、ポイントD-51に集結』
第一次攻撃は終了し、連邦艦隊は転進。
一斉に回収ポイントへと向かう。
王国艦隊は大混乱のステーションで避難民の誘導・収容に戦力を割かざるを得なくなり、索敵に出ていた艦隊も帰還してゲートの防衛を行っていた。
その全てが、コバルトの掌の上であるとも知らずに。
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