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終章
213-制圧される王国領
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ファラフォーム星系。
そこでは、虐殺が行われていた。
王国軍はファラフォーム星系から完全に戦力を撤退させ、仕方なく人間たちは旧型の艦船を使って自警団を編成、そして無残に敗北した。
「うわぁああん....」
廃墟と化した都市で、幼子の鳴き声が響き渡る。
少女が泣いているのは、孤立しているからだ。
彼女を助けようとした両親はワームⅢの散弾レーザーの精密射撃によって肉塊へと変わり、ビルの残骸の下で眠っている。
「おかぁさああ――――」
直後、少女の頭蓋を何かが撃ち抜く。
脳髄が一瞬で沸騰したのちに、頭蓋を破壊して破裂する。
少女は一瞬で絶命し、不気味なほどの沈黙が都市に戻った。
別の場所では、三脚の長い脚を持つ兵器と、人が戦っていた。
「クソッ、何だこいつらは....!」
都市を埋め尽くすのは、ワームⅢと呼ばれる兵器群であった。
ワームⅡが精密射撃に特化した機体なら、ワームⅢは地上戦に特化した機体である。
特筆すべきは、その巨体に見合わない数である。
ワームⅡが持つ精密射撃能力は、ワームⅢの四本腕に引き継がれた。
そして、更に....
「お、俺は逃げるぜ!」
「待て!」
ワームⅢが急速に姿勢を低くし、長かった脚が一挙に短くなる。
そうする事で、ワームⅢは大振りな前進から、細やかな加速へと切り替え、逃げた相手の眼前に立ちふさがった。
「なっ、ごぎゃ?!」
一瞬で肉塊になった人間を見下ろしつつ、ワームⅢは背中から何かを数個落とす。
それらは変形し、ワームⅡとなった。
「たっ、助け!」
「きゃ――――」
サプレッサーにより完全に射撃音が消え、無音の射撃で人間三人は即座に死んだ。
この平和だった都市に何が起きたのか?
それは、軌道上にある艦隊が原因である。
『都市C、生存者数22%まで低下』
『都市A、生存者数0%』
都市を吹っ飛ばしたのは小型核であるが、市民はシェルターに逃げ込んでおりほぼ全員が生存していた。
その為、コバルトは今次作戦に人的リソースを割く必要はないと判断し、地上戦用の新型ボットであるワームⅢが投入されたのだ。
四基の精密射撃レーザーガンを装備し、下部から突き出た支柱に脚が三つ接合されたデザインであり、ワームⅡを四基収納できる上に、低姿勢になる事で速度を出す事が出来る。
そして、スラスターによる立体機動やシールドによる現地戦力の防備等、兵器としての様々な側面を併せ持つ自律兵器であった。
ワームⅢは半永久的に行動できる兵器であり、生命反応があれば即応する。
ワームⅡの射撃精度は重力下でもまったく変動しないため、遠近両方に対応した対人戦術を展開できるのである。
『ファラフォームⅡ、Ⅲ、Ⅳ、Ⅴの住民の殲滅を完了、引き続きⅠ、Ⅵ、Ⅶの殲滅を続行します』
『了解しました』
コバルトが率いる艦隊は、適宜現地にいる指揮官に指示を仰ぎながら構造物を破壊していた。
中に大量の人間が居ようと、知った事ではない。
『第六艦隊に交戦発生、王国データベースと照合.....アプレンティス傭兵の「レゾナンス」を中心とした、複数の傭兵団の混成艦隊と思われます』
そして、ただ終わりを待つばかりではない。
王国艦隊ではない戦力が今、手を組み艦隊に襲い掛かって来ていた。
それは、傭兵、海賊、星系軍。
我が身惜しさに後方に下がる事をよしとしない者達が、呉越同舟し勝てると思い込み襲い掛かるのである。
『オーロラ様に顔向けできるようにしなければなりませんね.....いいでしょう、VIGILANTS、全機発進!』
コバルトは決心を下す。
そして、秘匿されていた”それ”が動き出すのであった。
そこでは、虐殺が行われていた。
王国軍はファラフォーム星系から完全に戦力を撤退させ、仕方なく人間たちは旧型の艦船を使って自警団を編成、そして無残に敗北した。
「うわぁああん....」
廃墟と化した都市で、幼子の鳴き声が響き渡る。
少女が泣いているのは、孤立しているからだ。
彼女を助けようとした両親はワームⅢの散弾レーザーの精密射撃によって肉塊へと変わり、ビルの残骸の下で眠っている。
「おかぁさああ――――」
直後、少女の頭蓋を何かが撃ち抜く。
脳髄が一瞬で沸騰したのちに、頭蓋を破壊して破裂する。
少女は一瞬で絶命し、不気味なほどの沈黙が都市に戻った。
別の場所では、三脚の長い脚を持つ兵器と、人が戦っていた。
「クソッ、何だこいつらは....!」
都市を埋め尽くすのは、ワームⅢと呼ばれる兵器群であった。
ワームⅡが精密射撃に特化した機体なら、ワームⅢは地上戦に特化した機体である。
特筆すべきは、その巨体に見合わない数である。
ワームⅡが持つ精密射撃能力は、ワームⅢの四本腕に引き継がれた。
そして、更に....
「お、俺は逃げるぜ!」
「待て!」
ワームⅢが急速に姿勢を低くし、長かった脚が一挙に短くなる。
そうする事で、ワームⅢは大振りな前進から、細やかな加速へと切り替え、逃げた相手の眼前に立ちふさがった。
「なっ、ごぎゃ?!」
一瞬で肉塊になった人間を見下ろしつつ、ワームⅢは背中から何かを数個落とす。
それらは変形し、ワームⅡとなった。
「たっ、助け!」
「きゃ――――」
サプレッサーにより完全に射撃音が消え、無音の射撃で人間三人は即座に死んだ。
この平和だった都市に何が起きたのか?
それは、軌道上にある艦隊が原因である。
『都市C、生存者数22%まで低下』
『都市A、生存者数0%』
都市を吹っ飛ばしたのは小型核であるが、市民はシェルターに逃げ込んでおりほぼ全員が生存していた。
その為、コバルトは今次作戦に人的リソースを割く必要はないと判断し、地上戦用の新型ボットであるワームⅢが投入されたのだ。
四基の精密射撃レーザーガンを装備し、下部から突き出た支柱に脚が三つ接合されたデザインであり、ワームⅡを四基収納できる上に、低姿勢になる事で速度を出す事が出来る。
そして、スラスターによる立体機動やシールドによる現地戦力の防備等、兵器としての様々な側面を併せ持つ自律兵器であった。
ワームⅢは半永久的に行動できる兵器であり、生命反応があれば即応する。
ワームⅡの射撃精度は重力下でもまったく変動しないため、遠近両方に対応した対人戦術を展開できるのである。
『ファラフォームⅡ、Ⅲ、Ⅳ、Ⅴの住民の殲滅を完了、引き続きⅠ、Ⅵ、Ⅶの殲滅を続行します』
『了解しました』
コバルトが率いる艦隊は、適宜現地にいる指揮官に指示を仰ぎながら構造物を破壊していた。
中に大量の人間が居ようと、知った事ではない。
『第六艦隊に交戦発生、王国データベースと照合.....アプレンティス傭兵の「レゾナンス」を中心とした、複数の傭兵団の混成艦隊と思われます』
そして、ただ終わりを待つばかりではない。
王国艦隊ではない戦力が今、手を組み艦隊に襲い掛かって来ていた。
それは、傭兵、海賊、星系軍。
我が身惜しさに後方に下がる事をよしとしない者達が、呉越同舟し勝てると思い込み襲い掛かるのである。
『オーロラ様に顔向けできるようにしなければなりませんね.....いいでしょう、VIGILANTS、全機発進!』
コバルトは決心を下す。
そして、秘匿されていた”それ”が動き出すのであった。
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