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016-ラパエルの記録
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最初に映し出されたのは、クラマ搭乗時の初戦だった。
僚機のカメラアイに残されていた映像らしく、遠距離から敵パイロット15人を一方的に殺戮する姿が映っていた。
「すごい...」
つい、口から感想が漏れた。
あんな精度の射撃、出来るわけがないのに。
「凄いですけど、彼のやっていることは人殺しですよ」
「...ああ、そうだな」
つい忘れていた。
これは凄惨な映像なんだと。
僕らが乗る機体は、機体の装甲よりも頑丈なコックピットブロックで守ってくれる。
だが、これは戦争の映像であり、吹き飛んだ機体には人が乗っていて、それは今の瞬間に消え去った。
「戦場では、こうして人が消えて行くのね」
「気分が悪いなら、退出しても...」
「いいわ、気を遣わないで」
「はい」
僕は続きを再生する。
次の映像は、第二次ラトカール基地防衛戦のものだった。
同じく映像は僚機のものらしく、先ほどの映像では装備していなかったミサイルポッドや盾を装備したラパエルが、仲間と共に敵を撃破しながら進んでいた。
「まだ機動戦術は取っていなかったのね」
「仲間がいるからじゃないか...じゃないですか?」
「そうでしょうね、先行すれば後続が挟撃されますから」
僚機の援護をうまく使いながら、ギガビームライフルで敵のエースや、巡洋艦、戦艦を集中的に破壊して行く。
当然攻撃は集中するが、その度に遮蔽物に隠れる形でやり過ごしていた。
「何だか、ナスカみたいな動きだな?」
「そうですね、合理的な機動戦術ですよ」
ミサイルポッドはどう使うのかと思っていたのだが、唐突に現れたKFAとの戦闘で使用していた。
ギガビームライフルが近距離戦で使いにくい弱点を、ミサイルで回避先を絞ることで当てていた。
「殺し合いなのは分かってるけど、綺麗ね...」
「そうだ...ですね」
ラパエルのパイロットは、本当の意味で天才だ。
途轍もなく...巧い。
どうして、あんなに綺麗な機体制御が出来るのか、想像もつかなかった。
まだ未発達のマニピュレータによるレーザーブレード捌きに、やはり目を見張る回避技術。
レーザーやビームを見てからかわすというのは、不可能に近い芸当だというのに。
「戦ったら、勝てる?」
「無理だ」
「無理ですね」
そもそも戦う、という次元の話ではない。
一方的に近い狙撃を遠距離から受け、事態を把握する前に全滅するだろう。
「こんなに強いパイロットが、戦後どこに行ったんだ...?」
「噂では、ラパエルを軍に返還後一人で各地を旅しているとか」
どちらにせよ、噂か。
最後の映像は、プロモッド帝国首都惑星の衛星軌道上に存在するという大要塞へテウスを陥落させた時のラパエルの映像だった。
要塞からの砲撃をかわし、KFAを撹乱しながら一直線に吶喊、要塞のシールド発生装置を直接破壊するその姿は、まさに英雄だった。
「俺もあんなふうに...いや、無理だな」
「出来るかもしれないわ」
「絶対無理だと思いますよ...」
通常のKFAの操縦にさえ戸惑っているのに、あのレベルに達せる気がしない。
フウカが言っていることは気休めでしかない。
だけど、それでも少しは嬉しい。
伯爵令嬢から見て、僕はそこそこ戦える印象のようだ。
『この戦いを経て、ラパエルは右腕と左脚から左腹部を損壊し、僚機に牽引されて戦場を後にした。その後の足跡は不明である』
映像は終わった。
2もあったが、こちらがメインチャプターというわけなのだろう。
映像は終了し、映像ブース内部の照明が点灯した。
「凄かったな...」
「ええ」
「話には聞いてたけれど...凄かった、としか言いようがないわ」
感想を言い合いながら、ブースから出た。
2を見る気はなかった、正直お腹一杯、と言った感じだった。
「解散しましょうか?」
「ああ、そうしよう」
用事は終わった。
ナスカは僕にそう言うと、さっさと帰ってしまった。
「ねぇ、この後用事あるの?」
「帰ってください、僕はやる事があるんです」
「そう邪険にしなくてもいいでしょ」
ナスカはともかく、彼女をどうやって振り切るか...
友達としてなら歓迎だが、彼女は下心を隠さない。
絶対に面倒ごとだとわかる。
貴族に関わると碌なことにならないのは、故郷の家族もいつも言っていた事だ。
「決闘場に行きます、一緒に行きますか?」
「...遠慮しておくわ」
一応、決闘場に行くのは彼女を振り切る為だけではない。
明日は決闘についての授業もある訳だし、予習のために観に行くのだ。
どうしてフウカが断ったかはわかる。
決闘は貴族の嗜みで、勉強以外に余裕のない平民よりも貴族が行う。
決闘場に行ったら、会いたくない相手と会うことになるからだろう。
僕は単身、決闘場へ向かうのだった。
僚機のカメラアイに残されていた映像らしく、遠距離から敵パイロット15人を一方的に殺戮する姿が映っていた。
「すごい...」
つい、口から感想が漏れた。
あんな精度の射撃、出来るわけがないのに。
「凄いですけど、彼のやっていることは人殺しですよ」
「...ああ、そうだな」
つい忘れていた。
これは凄惨な映像なんだと。
僕らが乗る機体は、機体の装甲よりも頑丈なコックピットブロックで守ってくれる。
だが、これは戦争の映像であり、吹き飛んだ機体には人が乗っていて、それは今の瞬間に消え去った。
「戦場では、こうして人が消えて行くのね」
「気分が悪いなら、退出しても...」
「いいわ、気を遣わないで」
「はい」
僕は続きを再生する。
次の映像は、第二次ラトカール基地防衛戦のものだった。
同じく映像は僚機のものらしく、先ほどの映像では装備していなかったミサイルポッドや盾を装備したラパエルが、仲間と共に敵を撃破しながら進んでいた。
「まだ機動戦術は取っていなかったのね」
「仲間がいるからじゃないか...じゃないですか?」
「そうでしょうね、先行すれば後続が挟撃されますから」
僚機の援護をうまく使いながら、ギガビームライフルで敵のエースや、巡洋艦、戦艦を集中的に破壊して行く。
当然攻撃は集中するが、その度に遮蔽物に隠れる形でやり過ごしていた。
「何だか、ナスカみたいな動きだな?」
「そうですね、合理的な機動戦術ですよ」
ミサイルポッドはどう使うのかと思っていたのだが、唐突に現れたKFAとの戦闘で使用していた。
ギガビームライフルが近距離戦で使いにくい弱点を、ミサイルで回避先を絞ることで当てていた。
「殺し合いなのは分かってるけど、綺麗ね...」
「そうだ...ですね」
ラパエルのパイロットは、本当の意味で天才だ。
途轍もなく...巧い。
どうして、あんなに綺麗な機体制御が出来るのか、想像もつかなかった。
まだ未発達のマニピュレータによるレーザーブレード捌きに、やはり目を見張る回避技術。
レーザーやビームを見てからかわすというのは、不可能に近い芸当だというのに。
「戦ったら、勝てる?」
「無理だ」
「無理ですね」
そもそも戦う、という次元の話ではない。
一方的に近い狙撃を遠距離から受け、事態を把握する前に全滅するだろう。
「こんなに強いパイロットが、戦後どこに行ったんだ...?」
「噂では、ラパエルを軍に返還後一人で各地を旅しているとか」
どちらにせよ、噂か。
最後の映像は、プロモッド帝国首都惑星の衛星軌道上に存在するという大要塞へテウスを陥落させた時のラパエルの映像だった。
要塞からの砲撃をかわし、KFAを撹乱しながら一直線に吶喊、要塞のシールド発生装置を直接破壊するその姿は、まさに英雄だった。
「俺もあんなふうに...いや、無理だな」
「出来るかもしれないわ」
「絶対無理だと思いますよ...」
通常のKFAの操縦にさえ戸惑っているのに、あのレベルに達せる気がしない。
フウカが言っていることは気休めでしかない。
だけど、それでも少しは嬉しい。
伯爵令嬢から見て、僕はそこそこ戦える印象のようだ。
『この戦いを経て、ラパエルは右腕と左脚から左腹部を損壊し、僚機に牽引されて戦場を後にした。その後の足跡は不明である』
映像は終わった。
2もあったが、こちらがメインチャプターというわけなのだろう。
映像は終了し、映像ブース内部の照明が点灯した。
「凄かったな...」
「ええ」
「話には聞いてたけれど...凄かった、としか言いようがないわ」
感想を言い合いながら、ブースから出た。
2を見る気はなかった、正直お腹一杯、と言った感じだった。
「解散しましょうか?」
「ああ、そうしよう」
用事は終わった。
ナスカは僕にそう言うと、さっさと帰ってしまった。
「ねぇ、この後用事あるの?」
「帰ってください、僕はやる事があるんです」
「そう邪険にしなくてもいいでしょ」
ナスカはともかく、彼女をどうやって振り切るか...
友達としてなら歓迎だが、彼女は下心を隠さない。
絶対に面倒ごとだとわかる。
貴族に関わると碌なことにならないのは、故郷の家族もいつも言っていた事だ。
「決闘場に行きます、一緒に行きますか?」
「...遠慮しておくわ」
一応、決闘場に行くのは彼女を振り切る為だけではない。
明日は決闘についての授業もある訳だし、予習のために観に行くのだ。
どうしてフウカが断ったかはわかる。
決闘は貴族の嗜みで、勉強以外に余裕のない平民よりも貴族が行う。
決闘場に行ったら、会いたくない相手と会うことになるからだろう。
僕は単身、決闘場へ向かうのだった。
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