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序章
018-オーバーウェポン
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『全艦突撃隊制に移行! また、艦隊内部ではワープができない可能性がある! 』
アレンスターの乗艦から指示が飛ぶ。
その艦の名は、クロームクアッド級高速駆逐艦「クロームスター」。
そして、本来三連エントロピー減少集束パルスレーザー砲塔が搭載されている部分には、無骨な四連装ブラスターが装着されていた。
「........カル殿が供与してくれたこの武装、決して無駄にはしない!」
カルは、TRINITY.の艦船の貧弱な武装を危険視し新たな武装のブループリントを提供した。
それはオーバーテクノロジーの塊と言ってもいいモノだったが、唯一ブラスター...電磁粒子加速砲のみ現代の科学に適用させることができた。
ブラスターは非常に狭い攻撃範囲の兵装だが、その威力は絶大であり...
『バカなっ、TRINIY.の奴らに戦艦が落とせるわけが...!』
たった四隻の掃射により、ケイロン級がまた一隻宇宙の藻屑と化した。
クロームクアッド級には5基、その下位に位置するべスラ級邀撃型フリゲートには四基、最も数の多いクルムラ級コルベットには二基が搭載されている。
つまるところ、足の速い艦隊を追いきれない海賊艦隊に、勝ち目はなくなったという事である。
「フリゲート艦隊、敵指揮型戦艦と思われる艦に攻撃集中! クルムラ級はアドアステラ付近に展開、カル殿を守れ!」
「アレンスター警視! 本艦は二十一隻からのターゲット、プライマリを受けています!」
「敵の武装はレーザーだ、振り切れ!」
「了解!」
クロームスターは、アフターバーナーを起動してレーザーの斉射を振り切る。
その間を縫うように、ベスラの艦隊が布陣し、指揮型戦艦に向けて一斉にブラスターを放つ。
あっという間にシールドを貫通した粒子弾は、ケルジェッドエインを粉々に吹き飛ばす。
「旗艦を殺った! 全艦、包囲陣形に移行! 一隻も逃すな!」
『了解!』
旗艦を失った海賊艦隊は統率を失ったものの......
『各個、判断は艦長に任せるぜ! 海賊艦隊の強さ、思い知らせてやらぁ!!』
逆に統率を失ったことで、独自の指揮系統へと戻り戦闘を再開したのである。
アレンスターのもとに、救援を求める通信が舞い込んでくる。
『警視、戦闘機と交戦中! 手が足りません!』
「よぅし、フリゲートから四隻離脱し、B-02の援護に当たらせろ!」
『警視、B-22分隊の射線がC-11と重なってます、デフレクトの可能性大です!』
「構うな、影響があると判断した場合は射線をずらすか、離脱し再度射角を計算せよ!」
『了解!』
その時、艦隊の後方で大爆発が巻き起こる。
アリステロン級が動力炉ごと自爆し、後続の母艦を巻き込んだのだ。
「何が起こった!?」
『わかりませんが.......爆発直前に膨大な熱源の増幅を確認――――恐らくは、反応弾頭の誤爆と思われます!』
「危ないな、使われる前に潰すぞ、母艦を攻撃可能な艦は、全て弾薬庫に攻撃を集中させろ!」
残ったアリステロン級一隻に攻撃が集中するものの、弾薬庫に誘爆することはない。
たまたま積んでいただけであり、艦載機が装備するリスクは減ったというわけだ。
『残存するメリローグ級一隻が、離脱する機動を見せています!』
「全艦攻撃中止、最重要ターゲットをメリローグ級に設定せよ!」
攻城艦だけは逃さない。
そんな硬い意志とともに、一斉に攻撃が開始される。
もっとも、攻城艦といっても硬いというわけでは無い。
圧倒的なシールドは、四方からの射撃によって簡単に崩壊し、その装甲にあらゆる方向から粒子弾が突き刺さる。
機関内部に被弾したメリローグ級は、そのまま動きを止めた。
『敵艦隊損耗率、82%! 対してこちらの損耗率は12%です!』
「圧勝だな...」
勿論墜ちた船もある。
相手は一国の防衛艦隊に相当する戦力であり、その武装や装甲は適切な処置を受けておらずに劣化したものだが、それでもTRINITY.のこの戦力で相対できる程ではない。
アレンスターは12%の犠牲者たちに黙祷を捧げる。
『ま、待った! 降伏する、だから俺たちには手を出さないでくれ!』
『そ、そうだ! 俺たちに手を出すと後が怖いぞ!』
その時、音声通信がクロームスターに届く。
だがアレンスターは、それを無言で切断する。
「ハッ、違法物品の売買に奴隷だぞ? そんな言い訳がいまさら通るか。情報は建造物の中にいる金持ち共に聞くとして...だ、ジエット、状況は?」
「ほぼ制圧完了です」
「よろしい」
数の暴力によって、逃げ場を失った大型艦にできることはなく、艦隊は数時間をかけて壊滅した。
アレンスターの乗艦から指示が飛ぶ。
その艦の名は、クロームクアッド級高速駆逐艦「クロームスター」。
そして、本来三連エントロピー減少集束パルスレーザー砲塔が搭載されている部分には、無骨な四連装ブラスターが装着されていた。
「........カル殿が供与してくれたこの武装、決して無駄にはしない!」
カルは、TRINITY.の艦船の貧弱な武装を危険視し新たな武装のブループリントを提供した。
それはオーバーテクノロジーの塊と言ってもいいモノだったが、唯一ブラスター...電磁粒子加速砲のみ現代の科学に適用させることができた。
ブラスターは非常に狭い攻撃範囲の兵装だが、その威力は絶大であり...
『バカなっ、TRINIY.の奴らに戦艦が落とせるわけが...!』
たった四隻の掃射により、ケイロン級がまた一隻宇宙の藻屑と化した。
クロームクアッド級には5基、その下位に位置するべスラ級邀撃型フリゲートには四基、最も数の多いクルムラ級コルベットには二基が搭載されている。
つまるところ、足の速い艦隊を追いきれない海賊艦隊に、勝ち目はなくなったという事である。
「フリゲート艦隊、敵指揮型戦艦と思われる艦に攻撃集中! クルムラ級はアドアステラ付近に展開、カル殿を守れ!」
「アレンスター警視! 本艦は二十一隻からのターゲット、プライマリを受けています!」
「敵の武装はレーザーだ、振り切れ!」
「了解!」
クロームスターは、アフターバーナーを起動してレーザーの斉射を振り切る。
その間を縫うように、ベスラの艦隊が布陣し、指揮型戦艦に向けて一斉にブラスターを放つ。
あっという間にシールドを貫通した粒子弾は、ケルジェッドエインを粉々に吹き飛ばす。
「旗艦を殺った! 全艦、包囲陣形に移行! 一隻も逃すな!」
『了解!』
旗艦を失った海賊艦隊は統率を失ったものの......
『各個、判断は艦長に任せるぜ! 海賊艦隊の強さ、思い知らせてやらぁ!!』
逆に統率を失ったことで、独自の指揮系統へと戻り戦闘を再開したのである。
アレンスターのもとに、救援を求める通信が舞い込んでくる。
『警視、戦闘機と交戦中! 手が足りません!』
「よぅし、フリゲートから四隻離脱し、B-02の援護に当たらせろ!」
『警視、B-22分隊の射線がC-11と重なってます、デフレクトの可能性大です!』
「構うな、影響があると判断した場合は射線をずらすか、離脱し再度射角を計算せよ!」
『了解!』
その時、艦隊の後方で大爆発が巻き起こる。
アリステロン級が動力炉ごと自爆し、後続の母艦を巻き込んだのだ。
「何が起こった!?」
『わかりませんが.......爆発直前に膨大な熱源の増幅を確認――――恐らくは、反応弾頭の誤爆と思われます!』
「危ないな、使われる前に潰すぞ、母艦を攻撃可能な艦は、全て弾薬庫に攻撃を集中させろ!」
残ったアリステロン級一隻に攻撃が集中するものの、弾薬庫に誘爆することはない。
たまたま積んでいただけであり、艦載機が装備するリスクは減ったというわけだ。
『残存するメリローグ級一隻が、離脱する機動を見せています!』
「全艦攻撃中止、最重要ターゲットをメリローグ級に設定せよ!」
攻城艦だけは逃さない。
そんな硬い意志とともに、一斉に攻撃が開始される。
もっとも、攻城艦といっても硬いというわけでは無い。
圧倒的なシールドは、四方からの射撃によって簡単に崩壊し、その装甲にあらゆる方向から粒子弾が突き刺さる。
機関内部に被弾したメリローグ級は、そのまま動きを止めた。
『敵艦隊損耗率、82%! 対してこちらの損耗率は12%です!』
「圧勝だな...」
勿論墜ちた船もある。
相手は一国の防衛艦隊に相当する戦力であり、その武装や装甲は適切な処置を受けておらずに劣化したものだが、それでもTRINITY.のこの戦力で相対できる程ではない。
アレンスターは12%の犠牲者たちに黙祷を捧げる。
『ま、待った! 降伏する、だから俺たちには手を出さないでくれ!』
『そ、そうだ! 俺たちに手を出すと後が怖いぞ!』
その時、音声通信がクロームスターに届く。
だがアレンスターは、それを無言で切断する。
「ハッ、違法物品の売買に奴隷だぞ? そんな言い訳がいまさら通るか。情報は建造物の中にいる金持ち共に聞くとして...だ、ジエット、状況は?」
「ほぼ制圧完了です」
「よろしい」
数の暴力によって、逃げ場を失った大型艦にできることはなく、艦隊は数時間をかけて壊滅した。
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