134 / 272
シーズン5-ショートバケーション編
132-海賊殲滅
しおりを挟む
「シトリン、どうだ?」
『温泉エリアに敵はいません、マッサージブースに2人、ドリンクエリアに3人です』
「よし、行くぞ!」
「ハッ!」
私はニケを撃ち、ファイスはバトンで殴り、シトリンはレーザーライフルで援護する。
相手の生死を問わなくてもいいので、遠慮なく撃てる。
「くそっ、何だその連射力!」
「金の力だ!」
「そうかよっ!!」
海賊は煙玉のようなものを使って、私の視界を妨げる。
だけど。
「そこだ」
「なんっ....!?」
センサーも遮断するこの煙の中で、素早く動けないのは向こうも同じ。
煙の動きから位置を割って撃った。
外れても、後ろにいたシトリンが撃っていただろう。
「うわああっ!! 助けごぼあぎゃあっ!!」
「申し訳ございません、主人! 聞き苦しい悲鳴を!」
「大丈夫。そっちはどうだ?」
「終わりました」
ファイスを止めるのは、野良の海賊では無理だろう。
ロートラ狼人は別にそこまで強い種族という訳じゃないんだけど、ファイスだけ何かおかしいんだよね。
「何だこいつは!?」
「止めろ! ダメだ、当たらぎゃっ!?」
突っ込んだファイスによって齎される海賊の悲鳴を聞きながら、私は素早く索敵を試みる。
白兵戦が割と多いのに、白兵戦装備が全くないのが気になったので、これを持って来たのだ。
「ポケットセンサー!」
床に投げた装置が起動し、周囲の生命反応をスキャンして携帯端末に情報を送ってくる。
反対側の壁際に四人、奥に十人かな?
「奥をやる、シトリン、付いてこい」
『了解です』
ファイスに任せて、奥を潰すことにした。
私たちが奥に進むと、そこには縛られている四人組と、六人の海賊らしき人間たちがいた。
「お、お前はっ!?」
「ボンジュール....」
私は格好つけて挨拶をして、ニケを抜いて構える。
「傭兵か、殺せ!!」
「「「「おう!!」」」」
「シトリンっ!!」
シールドを展開して身を守りつつ、廊下側に張り付いて隠れていたシトリンを呼ぶ。
シトリンは素早くレーザーライフルを連射し、三人を倒した。
「お、おい! 人質がどうなっても――――」
「よくないな、だからこそ――――お前たちは死ね」
ファイスの加速姿勢と同じ姿勢を、私は取る。
力を込める足を前に、姿勢をできる限り低くし、一気に地面を蹴って跳躍する。
走り出す、というよりは横に向けてジャンプするというイメージだ。
そして、次に足をつくタイミングで横に跳んで、ニケで二人の頭蓋を撃ち抜く。
「ラーカス! くっ、この!」
私が足を止めたタイミングで、残った男が銃を向ける。
狙いは、いい。
けど――――私にはシールドがある。
「クソッたれーーーーッ!!」
「......」
この手甲のシールドは、シールド展開コイルが焼けつくまではシールドを張り続けられる。
全方位ではなく一面、それも薄い一枚なので、エネルギー源が膨大な今は中々強い防具になった。
まあ、後ろから撃たれたら意味ないんだけど。
『こちらノルス! 救援が到着したようで、海賊船が逃げます――――追いますか?』
「今はいい、それよりドックに船を入れてくれ、中に戻る」
『了解!』
その時、私はこちらに向けて向かってくるファイスを見た。
一人の男を引きずっている。
「そいつは?」
「突入隊の指揮者だったようですので、気絶させて連れてきました」
「引き渡そう」
私はそれに、頷くのであった。
結局、私たちが倒した海賊の懸賞額はかなり高く、ファイスの倒した男は低かったが、TRINITY.からの報奨金は全額ファイスに振り込まれた。
私としては、何かに使ってほしいんだけど..........
『温泉エリアに敵はいません、マッサージブースに2人、ドリンクエリアに3人です』
「よし、行くぞ!」
「ハッ!」
私はニケを撃ち、ファイスはバトンで殴り、シトリンはレーザーライフルで援護する。
相手の生死を問わなくてもいいので、遠慮なく撃てる。
「くそっ、何だその連射力!」
「金の力だ!」
「そうかよっ!!」
海賊は煙玉のようなものを使って、私の視界を妨げる。
だけど。
「そこだ」
「なんっ....!?」
センサーも遮断するこの煙の中で、素早く動けないのは向こうも同じ。
煙の動きから位置を割って撃った。
外れても、後ろにいたシトリンが撃っていただろう。
「うわああっ!! 助けごぼあぎゃあっ!!」
「申し訳ございません、主人! 聞き苦しい悲鳴を!」
「大丈夫。そっちはどうだ?」
「終わりました」
ファイスを止めるのは、野良の海賊では無理だろう。
ロートラ狼人は別にそこまで強い種族という訳じゃないんだけど、ファイスだけ何かおかしいんだよね。
「何だこいつは!?」
「止めろ! ダメだ、当たらぎゃっ!?」
突っ込んだファイスによって齎される海賊の悲鳴を聞きながら、私は素早く索敵を試みる。
白兵戦が割と多いのに、白兵戦装備が全くないのが気になったので、これを持って来たのだ。
「ポケットセンサー!」
床に投げた装置が起動し、周囲の生命反応をスキャンして携帯端末に情報を送ってくる。
反対側の壁際に四人、奥に十人かな?
「奥をやる、シトリン、付いてこい」
『了解です』
ファイスに任せて、奥を潰すことにした。
私たちが奥に進むと、そこには縛られている四人組と、六人の海賊らしき人間たちがいた。
「お、お前はっ!?」
「ボンジュール....」
私は格好つけて挨拶をして、ニケを抜いて構える。
「傭兵か、殺せ!!」
「「「「おう!!」」」」
「シトリンっ!!」
シールドを展開して身を守りつつ、廊下側に張り付いて隠れていたシトリンを呼ぶ。
シトリンは素早くレーザーライフルを連射し、三人を倒した。
「お、おい! 人質がどうなっても――――」
「よくないな、だからこそ――――お前たちは死ね」
ファイスの加速姿勢と同じ姿勢を、私は取る。
力を込める足を前に、姿勢をできる限り低くし、一気に地面を蹴って跳躍する。
走り出す、というよりは横に向けてジャンプするというイメージだ。
そして、次に足をつくタイミングで横に跳んで、ニケで二人の頭蓋を撃ち抜く。
「ラーカス! くっ、この!」
私が足を止めたタイミングで、残った男が銃を向ける。
狙いは、いい。
けど――――私にはシールドがある。
「クソッたれーーーーッ!!」
「......」
この手甲のシールドは、シールド展開コイルが焼けつくまではシールドを張り続けられる。
全方位ではなく一面、それも薄い一枚なので、エネルギー源が膨大な今は中々強い防具になった。
まあ、後ろから撃たれたら意味ないんだけど。
『こちらノルス! 救援が到着したようで、海賊船が逃げます――――追いますか?』
「今はいい、それよりドックに船を入れてくれ、中に戻る」
『了解!』
その時、私はこちらに向けて向かってくるファイスを見た。
一人の男を引きずっている。
「そいつは?」
「突入隊の指揮者だったようですので、気絶させて連れてきました」
「引き渡そう」
私はそれに、頷くのであった。
結局、私たちが倒した海賊の懸賞額はかなり高く、ファイスの倒した男は低かったが、TRINITY.からの報奨金は全額ファイスに振り込まれた。
私としては、何かに使ってほしいんだけど..........
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
チート無しっ!?黒髪の少女の異世界冒険記
ノン・タロー
ファンタジー
ごく普通の女子高生である「武久 佳奈」は、通学途中に突然異世界へと飛ばされてしまう。
これは何の特殊な能力もチートなスキルも持たない、ただごく普通の女子高生が、自力で会得した魔法やスキルを駆使し、元の世界へと帰る方法を探すべく見ず知らずの異世界で様々な人々や、様々な仲間たちとの出会いと別れを繰り返し、成長していく記録である……。
設定
この世界は人間、エルフ、妖怪、獣人、ドワーフ、魔物等が共存する世界となっています。
その為か男性だけでなく、女性も性に対する抵抗がわりと低くなっております。
ダンジョンでオーブを拾って『』を手に入れた。代償は体で払います
とみっしぇる
ファンタジー
スキルなし、魔力なし、1000人に1人の劣等人。
食っていくのがギリギリの冒険者ユリナは同じ境遇の友達3人と、先輩冒険者ジュリアから率のいい仕事に誘われる。それが罠と気づいたときには、絶対絶命のピンチに陥っていた。
もうあとがない。そのとき起死回生のスキルオーブを手に入れたはずなのにオーブは無反応。『』の中には何が入るのだ。
ギリギリの状況でユリアは瀕死の仲間のために叫ぶ。
ユリナはスキルを手に入れ、ささやかな幸せを手に入れられるのだろうか。
この世界、イケメンが迫害されてるってマジ!?〜アホの子による無自覚救済物語〜
具なっしー
恋愛
※この表紙は前世基準。本編では美醜逆転してます。AIです
転生先は──美醜逆転、男女比20:1の世界!?
肌は真っ白、顔のパーツは小さければ小さいほど美しい!?
その結果、地球基準の超絶イケメンたちは “醜男(キメオ)” と呼ばれ、迫害されていた。
そんな世界に爆誕したのは、脳みそふわふわアホの子・ミーミ。
前世で「喋らなければ可愛い」と言われ続けた彼女に同情した神様は、
「この子は救済が必要だ…!」と世界一の美少女に転生させてしまった。
「ひきわり納豆顔じゃん!これが美しいの??」
己の欲望のために押せ押せ行動するアホの子が、
結果的にイケメン達を救い、世界を変えていく──!
「すきーー♡結婚してください!私が幸せにしますぅ〜♡♡♡」
でも、気づけば彼らが全方向から迫ってくる逆ハーレム状態に……!
アホの子が無自覚に世界を救う、
価値観バグりまくりご都合主義100%ファンタジーラブコメ!
理想の男性(ヒト)は、お祖父さま
たつみ
恋愛
月代結奈は、ある日突然、見知らぬ場所に立っていた。
そこで行われていたのは「正妃選びの儀」正妃に側室?
王太子はまったく好みじゃない。
彼女は「これは夢だ」と思い、とっとと「正妃」を辞退してその場から去る。
彼女が思いこんだ「夢設定」の流れの中、帰った屋敷は超アウェイ。
そんな中、現れたまさしく「理想の男性」なんと、それは彼女のお祖父さまだった!
彼女を正妃にするのを諦めない王太子と側近魔術師サイラスの企み。
そんな2人から彼女守ろうとする理想の男性、お祖父さま。
恋愛よりも家族愛を優先する彼女の日常に否応なく訪れる試練。
この世界で彼女がくだす決断と、肝心な恋愛の結末は?
◇◇◇◇◇設定はあくまでも「貴族風」なので、現実の貴族社会などとは異なります。
本物の貴族社会ではこんなこと通用しない、ということも多々あります。
R-Kingdom_1
他サイトでも掲載しています。
クラス最底辺の俺、ステータス成長で資産も身長も筋力も伸びて逆転無双
四郎
ファンタジー
クラスで最底辺――。
「笑いもの」として過ごしてきた佐久間陽斗の人生は、ただの屈辱の連続だった。
教室では見下され、存在するだけで嘲笑の対象。
友達もなく、未来への希望もない。
そんな彼が、ある日を境にすべてを変えていく。
突如として芽生えた“成長システム”。
努力を積み重ねるたびに、陽斗のステータスは確実に伸びていく。
筋力、耐久、知力、魅力――そして、普通ならあり得ない「資産」までも。
昨日まで最底辺だったはずの少年が、今日には同級生を超え、やがて街でさえ無視できない存在へと変貌していく。
「なんであいつが……?」
「昨日まで笑いものだったはずだろ!」
周囲の態度は一変し、軽蔑から驚愕へ、やがて羨望と畏怖へ。
陽斗は努力と成長で、己の居場所を切り拓き、誰も予想できなかった逆転劇を現実にしていく。
だが、これはただのサクセスストーリーではない。
嫉妬、裏切り、友情、そして恋愛――。
陽斗の成長は、同級生や教師たちの思惑をも巻き込み、やがて学校という小さな舞台を飛び越え、社会そのものに波紋を広げていく。
「笑われ続けた俺が、全てを変える番だ。」
かつて底辺だった少年が掴むのは、力か、富か、それとも――。
最底辺から始まる、資産も未来も手にする逆転無双ストーリー。
物語は、まだ始まったばかりだ。
最遅で最強のレベルアップ~経験値1000分の1の大器晩成型探索者は勤続10年目10度目のレベルアップで覚醒しました!~
ある中管理職
ファンタジー
勤続10年目10度目のレベルアップ。
人よりも貰える経験値が極端に少なく、年に1回程度しかレベルアップしない32歳の主人公宮下要は10年掛かりようやくレベル10に到達した。
すると、ハズレスキル【大器晩成】が覚醒。
なんと1回のレベルアップのステータス上昇が通常の1000倍に。
チートスキル【ステータス上昇1000】を得た宮下はこれをきっかけに、今まで出会う事すら想像してこなかったモンスターを討伐。
探索者としての知名度や地位を一気に上げ、勤めていた店は討伐したレアモンスターの肉と素材の販売で大繁盛。
万年Fランクの【永遠の新米おじさん】と言われた宮下の成り上がり劇が今幕を開ける。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる