異世界の宇宙に転移しましたが、お兄ちゃんのいない宇宙には住めないので、お兄ちゃんを探す事にしました!〜男装ブラコン少女の宇宙冒険記〜

黴男

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シーズン6-ビージアイナ戦線編

153-戦地の天国

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戦闘が終了し、私たちは王国軍らしき人々と会話していた。

『本当に助かりました.....しかし、恐るべき強さですね』
「大したことはなかった」
『しかし、あれは帝国精鋭騎士団の所属艦ですよ!?』
「だとしたら、あんたたちと戦闘している間に消耗したんだろう」
『.....そういう事にしておきましょう、それで、傭兵でしたね....』

報酬のお時間だ。
私は要らないけど、ラビも増えて出費が多い。
スマートミサイル含める弾薬も結構掛かるし、貰えるだけ貰っておこう。

「ああ、報酬はどうなる?」
『上に申請するので、少々時間がかかりますが....』
「それでいい」

艦隊の連動ワープには乗らず、アドアステラはワープを続けている。

『データベースを参照しました、勲章をお持ちの傭兵様なのですね』
「安い勲章だ」
『安いとは.....』

画面の向こうで呆れた声が響く。
実際安いんだよね、死にそうになって得たけれど、最終的に五体満足だし。

「ところで、何故あの場所で?」
『それが......』

ビージアイナ帝国との交戦中だった艦隊は、ビージアイナ帝国の中規模艦隊との戦闘中に未知の兵器を使用され、本隊を置いて逃げたのだそうだ。

『私たちも継続戦闘する覚悟でしたが、隊長が我々に逃げて、通信妨害を突破してくれと頼んだのです、しかし――――』

待ち伏せを受け、あのざまという訳ね。
それにしても....未知の兵器か。

「どういうものだ?」
『機密に該当する可能性があるので.....』
「分かった」

恐らく特殊兵器の類だね。
本隊と会敵しなければいい話だし、到着したらその辺の話もあるだろう。

「先に報告を入れておいてくれると助かる」
『分かりました、航海の安全を!』
「ああ」

通信は切れた。
私はシトリンの方を向き、聞きたかったことを尋ねる。

「帝国軍の艦船データにアクセスできたか?」
『無理でした。偽装コード対策が厳重になされています』
「ダメか」

帝国艦からサルベージしたデータを使って、敵の艦船データについて知れないか試してみたけれど、海賊と違って対策は万全だった。

『ただし、いくつか帝国内の情報を入手出来ました』
「表示しろ」
『はい』

リストアップされた情報を見る。
『アークホルスト星系割譲案、否決』
『2JZ-GTE星系のゲートが途絶』
『新型主力艦「ジークレンド」建造開始』
『第四次ナサトラ星系奪還戦戦力の再編成』
色々な情報があるが、

「あまり見る価値はないな」
『ただし、最後の情報は有用かと』

シトリンはそう言う。
確かに、戦力を再編するという事は、再び侵攻する準備を整えているという事。
近く戦争が始まるという事でもある。

「まあ、関係ないか」

この星系を去る後の事は気にしなくてもいいし。
私は再び前を向く。

「あとどれ位だ?」
『二時間十分でゲートに到着します』
「分かった」

私は今後の計画を練る。
ナサトラ星系に到着後、すぐにハダウガゴ星系へと向かう。
そちらにアウトポストがあり、そこで依頼を受ける事が出来る。
そうしたら、ようやくこの星系での目的のスタートラインに立つ事が出来るのだ。
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