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シーズン6-ビージアイナ戦線編
159-罠
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ゲートを抜けた私たちは、ワープしながら船体の修理を行っていた。
調子の悪かったワープドライブを、応急修理したサブワープドライブでワープすることで、ファイスが修理できるようにした。
「どう? ファイス?」
「大丈夫です、多分......ここの回路をこうすれば」
ファイスはあまり細かい作業が上手ではないので、指が自在に曲がるノルスも手伝っている。
ただ、
「誤差が0.2cmありますよ」
「いや、これで構わないでしょう」
「その誤差がどう繋がるか分からない以上.....」
二人はあんまり仲が良くない。
技術者と数学者だからだろうか?
ともかく、ワープドライブの機能に影響があったら困るので、一応作業を見ておく。
「必要ないよ」
「ラビ?」
「あそこのパーツはワープドライブの波長演算に使う部分だから、もう一回試運転して見て安定しないなら大丈夫」
「....詳しいね」
「一人で傭兵やってると、色々詳しくなるんだよ」
ラビと一緒にブリッジに上がると、シトリンが大モニターを使って何か作業をしていた。
「シトリン、何してるの?」
「モードチェンジ機能の最適化を行っています」
「成程?」
皆、このアドアステラのメンテナンスに忙しい。
私も、何かできることがあればいいんだけど。
「....!」
『マスター、SOSです。向かいますか?』
「行こう」
その時、通信がアラート音を響かせた。
ちょっと危ないかもしれないけど、
少なくとも、私たちにはそれが出来る。
無視すると罪に問われるしね。
『全員、修理作業を5分以内に一度切り上げる事! これより本艦は、SOSを発信している艦の救援へ向かう!』
私は艦内放送にそう声を通し、すぐにシステムを立ち上げる。
キャッシュが溜まって重くなっていた画面が、すっきりした挙動で起動する。
シトリンのおかげだ。
「ワープ強制停止!」
サブワープドライブを停止させ、アドアステラはワープを停止して通常空間へと飛び出る。
すぐに、信号の発生している場所まで回頭、戻ってきたノルスがワープドライブを起動する。
「遅くなりました!」
「ああ!」
ファイスとアリアが駆けこんでくる。
そして、アドアステラは”その場所”へと辿り着いた。
だけど......
「王国艦がいない.....? 嵌められたか!」
『222番の偽造防止コードに不正なループ検知、偽装された救難信号です』
「まずいよ、カル! 一個艦隊だ!」
シトリンからの情報が、私から見える船外カメラの映像と同期する。
えーと、戦艦4隻、巡洋艦8隻、駆逐艦4隻、輸送艦......
「よし。戦おう」
「えっ!?」
「輸送艦がいるし、中身を奪えばそれなりのお金になるかもしれないよ」
「......ご主人様、意地汚い....」
アリアが口に手を当てて驚いている。
だけど、案外いいものを積んでるかもしれないよ?
お兄ちゃんだって、「奪う覚悟があるなら、奪われる覚悟もするべきだ」って言ってたし。
「SOSには応えないと犯罪だし、応えたら罠だった。せっかく報酬の受け取りが出来るチャンスだったのに、肝心の助けるべき人はいない、で、帝国兵からは懸賞金は受け取れない....じゃあ、別に盗賊の真似事でもよくないか?」
「カルがいいならいいんだけど」
「では、まずは輸送艦を破壊する! WDA起動!」
私は素早く指示を飛ばすのであった。
調子の悪かったワープドライブを、応急修理したサブワープドライブでワープすることで、ファイスが修理できるようにした。
「どう? ファイス?」
「大丈夫です、多分......ここの回路をこうすれば」
ファイスはあまり細かい作業が上手ではないので、指が自在に曲がるノルスも手伝っている。
ただ、
「誤差が0.2cmありますよ」
「いや、これで構わないでしょう」
「その誤差がどう繋がるか分からない以上.....」
二人はあんまり仲が良くない。
技術者と数学者だからだろうか?
ともかく、ワープドライブの機能に影響があったら困るので、一応作業を見ておく。
「必要ないよ」
「ラビ?」
「あそこのパーツはワープドライブの波長演算に使う部分だから、もう一回試運転して見て安定しないなら大丈夫」
「....詳しいね」
「一人で傭兵やってると、色々詳しくなるんだよ」
ラビと一緒にブリッジに上がると、シトリンが大モニターを使って何か作業をしていた。
「シトリン、何してるの?」
「モードチェンジ機能の最適化を行っています」
「成程?」
皆、このアドアステラのメンテナンスに忙しい。
私も、何かできることがあればいいんだけど。
「....!」
『マスター、SOSです。向かいますか?』
「行こう」
その時、通信がアラート音を響かせた。
ちょっと危ないかもしれないけど、
少なくとも、私たちにはそれが出来る。
無視すると罪に問われるしね。
『全員、修理作業を5分以内に一度切り上げる事! これより本艦は、SOSを発信している艦の救援へ向かう!』
私は艦内放送にそう声を通し、すぐにシステムを立ち上げる。
キャッシュが溜まって重くなっていた画面が、すっきりした挙動で起動する。
シトリンのおかげだ。
「ワープ強制停止!」
サブワープドライブを停止させ、アドアステラはワープを停止して通常空間へと飛び出る。
すぐに、信号の発生している場所まで回頭、戻ってきたノルスがワープドライブを起動する。
「遅くなりました!」
「ああ!」
ファイスとアリアが駆けこんでくる。
そして、アドアステラは”その場所”へと辿り着いた。
だけど......
「王国艦がいない.....? 嵌められたか!」
『222番の偽造防止コードに不正なループ検知、偽装された救難信号です』
「まずいよ、カル! 一個艦隊だ!」
シトリンからの情報が、私から見える船外カメラの映像と同期する。
えーと、戦艦4隻、巡洋艦8隻、駆逐艦4隻、輸送艦......
「よし。戦おう」
「えっ!?」
「輸送艦がいるし、中身を奪えばそれなりのお金になるかもしれないよ」
「......ご主人様、意地汚い....」
アリアが口に手を当てて驚いている。
だけど、案外いいものを積んでるかもしれないよ?
お兄ちゃんだって、「奪う覚悟があるなら、奪われる覚悟もするべきだ」って言ってたし。
「SOSには応えないと犯罪だし、応えたら罠だった。せっかく報酬の受け取りが出来るチャンスだったのに、肝心の助けるべき人はいない、で、帝国兵からは懸賞金は受け取れない....じゃあ、別に盗賊の真似事でもよくないか?」
「カルがいいならいいんだけど」
「では、まずは輸送艦を破壊する! WDA起動!」
私は素早く指示を飛ばすのであった。
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