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シーズン6-ビージアイナ戦線編
174-ハダウガゴ第二アウトポスト奪還戦(後編)
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『撃て』
指揮官の命令が響き、戦場を無数の光弾が一閃する。
王国騎士団の「騎馬隊」に当たるラグリア級コルベット、ナベタ級フリゲート、アルトラス級駆逐艦で構成された分隊が敵艦隊内部に突入、撹乱すると同時に「弓兵隊」とされるバークシア級巡洋艦、ナラロイア巡洋戦艦による長距離射撃を行う。
「初陣ですな」
「黙れ」
「おお、手厳しいですなあ」
指揮官――――王国騎士団長、アルドマン・ゼンクレイは、不満顔の王太子、アーラム・ディクロス・オルトスを宥めていた。
「おっと.....騎馬隊! 帝国艦隊左翼が突出しすぎている、抑えに回れ!」
「いや、その必要はない」
「何故です?」
アーラムは通信機を奪い取り、別の回線に繋ぐ。
「カル! 聞こえているな、帝国艦隊の左翼が突出し始めている、抑えに回れ」
『言われなくとも、もう動いている。お前は黙って居ろ』
「(何たる物言い.....)」
アルドマンは、カルらしき声の傍若無人さに呆れる。
だが同時に、王太子である彼が、騎士団の分隊数個を一つの戦力に劣ると判断していることにも驚いていた。
「王太子、面で攻めてくる相手に点をぶつけるのはお勧めできませんぞ」
「フッ、愚か者め。奴は点より面の方が得意だ」
直後。
アドアステラが攻撃を開始した。
高速で発射される高出力の砲撃が、帝国艦隊を次々と轟沈させていく。
「馬鹿な......なんですか、あれは?」
「分からぬ。しかし、我等にあれが向くことが無い事が、唯一の幸運だ」
アドアステラの撃墜スコアがとんでもない速度で伸びていく。
「聞けば、帝国軍の間ではたった一週間でブラックリスト入りした傭兵だそうですね」
「懸賞金もそれなりに高いだろうな、倒せればの話だが」
帝国軍左翼、その中でも射程距離の長い数百隻に攻撃されているにも拘らず、アドアステラは金色の粒子に守られて攻撃が通らない。
それどころか、射撃の精度が低い。
「電子戦にも特化しているのですね」
「そのようだな」
「しかし、彼に任せたままではこちらも示しが付きません、アドアステラの後方に弓兵隊を展開しても?」
「構わんだろう、気にする性分の男......ではない」
『第十二分隊より入電! シールドを突破された艦船が半数を越えたため、戦線より離脱するとの事です』
「....おっと、第十二分隊に返電! 直ちに後退せよ。第四十三分隊、第十二分隊と位置を後退せよ!」
王国騎士団は、高い練度を維持しつつ敵艦を葬っていた。
帝国軍の本隊ではない艦隊であるため、流石に練度の差が出る。
『ええい、何故ここに王国騎士団が!』
『中央翼を突破されます! 艦隊の密度が保てません!』
『こうなったら最重要ターゲットだけでも!』
『無理です! 肉薄を試みた艦載機編隊が全滅! 撤退指示を!』
帝国軍の最大の誤算が、二つも同じ戦域にあった。
ひとつは、アドアステラ。
主力艦のシールドを突破でき、かつ大艦隊を真正面から相手取り、宇宙艦の弱点である艦載機に対しても有効打を持つ。
その懸賞金は今や、3500万ISCとなっている。
そして、最後のもう一つの誤算。
それは、王国騎士団の登場である。
王国軍とは比べ物にならないほどの強敵、それこそ帝国騎士団が出てこなければ互角に戦えないほどの強敵がそこにいるのだ。
頼みの綱である主力艦が撤退してしまった今、帝国軍に後退する以外の選択肢はなかった。
『せっかく奪取した前哨基地を....糞が!』
指揮官は悪態をつきつつ、撤退を指示した。
撤退に際して前哨基地は破壊されたが、王国軍の一方的な勝利であった。
指揮官の命令が響き、戦場を無数の光弾が一閃する。
王国騎士団の「騎馬隊」に当たるラグリア級コルベット、ナベタ級フリゲート、アルトラス級駆逐艦で構成された分隊が敵艦隊内部に突入、撹乱すると同時に「弓兵隊」とされるバークシア級巡洋艦、ナラロイア巡洋戦艦による長距離射撃を行う。
「初陣ですな」
「黙れ」
「おお、手厳しいですなあ」
指揮官――――王国騎士団長、アルドマン・ゼンクレイは、不満顔の王太子、アーラム・ディクロス・オルトスを宥めていた。
「おっと.....騎馬隊! 帝国艦隊左翼が突出しすぎている、抑えに回れ!」
「いや、その必要はない」
「何故です?」
アーラムは通信機を奪い取り、別の回線に繋ぐ。
「カル! 聞こえているな、帝国艦隊の左翼が突出し始めている、抑えに回れ」
『言われなくとも、もう動いている。お前は黙って居ろ』
「(何たる物言い.....)」
アルドマンは、カルらしき声の傍若無人さに呆れる。
だが同時に、王太子である彼が、騎士団の分隊数個を一つの戦力に劣ると判断していることにも驚いていた。
「王太子、面で攻めてくる相手に点をぶつけるのはお勧めできませんぞ」
「フッ、愚か者め。奴は点より面の方が得意だ」
直後。
アドアステラが攻撃を開始した。
高速で発射される高出力の砲撃が、帝国艦隊を次々と轟沈させていく。
「馬鹿な......なんですか、あれは?」
「分からぬ。しかし、我等にあれが向くことが無い事が、唯一の幸運だ」
アドアステラの撃墜スコアがとんでもない速度で伸びていく。
「聞けば、帝国軍の間ではたった一週間でブラックリスト入りした傭兵だそうですね」
「懸賞金もそれなりに高いだろうな、倒せればの話だが」
帝国軍左翼、その中でも射程距離の長い数百隻に攻撃されているにも拘らず、アドアステラは金色の粒子に守られて攻撃が通らない。
それどころか、射撃の精度が低い。
「電子戦にも特化しているのですね」
「そのようだな」
「しかし、彼に任せたままではこちらも示しが付きません、アドアステラの後方に弓兵隊を展開しても?」
「構わんだろう、気にする性分の男......ではない」
『第十二分隊より入電! シールドを突破された艦船が半数を越えたため、戦線より離脱するとの事です』
「....おっと、第十二分隊に返電! 直ちに後退せよ。第四十三分隊、第十二分隊と位置を後退せよ!」
王国騎士団は、高い練度を維持しつつ敵艦を葬っていた。
帝国軍の本隊ではない艦隊であるため、流石に練度の差が出る。
『ええい、何故ここに王国騎士団が!』
『中央翼を突破されます! 艦隊の密度が保てません!』
『こうなったら最重要ターゲットだけでも!』
『無理です! 肉薄を試みた艦載機編隊が全滅! 撤退指示を!』
帝国軍の最大の誤算が、二つも同じ戦域にあった。
ひとつは、アドアステラ。
主力艦のシールドを突破でき、かつ大艦隊を真正面から相手取り、宇宙艦の弱点である艦載機に対しても有効打を持つ。
その懸賞金は今や、3500万ISCとなっている。
そして、最後のもう一つの誤算。
それは、王国騎士団の登場である。
王国軍とは比べ物にならないほどの強敵、それこそ帝国騎士団が出てこなければ互角に戦えないほどの強敵がそこにいるのだ。
頼みの綱である主力艦が撤退してしまった今、帝国軍に後退する以外の選択肢はなかった。
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指揮官は悪態をつきつつ、撤退を指示した。
撤退に際して前哨基地は破壊されたが、王国軍の一方的な勝利であった。
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