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シーズン8-ケラカ星系編
204-黄金の海
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「凄いな」
「凄いね」
「....そうでしょうか?」
「見るべきものはないように思えますが」
「綺麗~」
「私、ここで働かされるんでしょうか.....?」
数時間後。
私たちはマイクロバスのような車両に乗ってケラカプライムの一本道を走っていた。
運転手は、標準型のアンドロイドだ。
『こんな星に視察以外で来る方はなかなかいらっしゃいませんからね、アポイントメントがあれば空港もご準備できたのですが』
「気にするな」
『了解です』
青い空の下で、麦畑が風で靡いている。
この辺はカラッとした気候で、小麦の生育には最適の環境なのだという。
普段は隠されているが、管理や収穫の際にはアンドロイドやオートロイド、ドローンなどが働くらしい。
「ねぇねぇ、あまり人は来ないの? 惑星だから、人口がありそうだと思ったんだけど!」
『こちらに住まわれていた方々は、私どもを所有する企業によって支援金と移住先を頂いて移住されました、今は無人に近いですが、郊外には立ち寄らない方がいいでしょう、警備ドローンに攻撃される恐れがあります』
成程、地球型の惑星だから疑問に思っていたけれど、住民は一人残らず退去済みなのか。
「質問があります、これほどの惑星規模でありながら、その全てを食料生産に利用しているのですか? 資源採掘などは....?」
『この惑星の資源は、先住民によってほぼ利用不能なほどに掘りつくされており、資源惑星としての利用は不可能と断定されました』
「軌道上から見た時、海洋部分が残っているように思えましたが、何故埋め立てて農業用地にされないのですか?」
『それは....すみません、データベースにはなく、お客様に開示できる情報ではないようです』
「では.....」
運転手への質問攻めは続き、時間は矢の如く過ぎ去っていく。
私は車両の振動を感じつつ、微睡にその身を委ねた。
ラビに起こされた私は、車両の外へと出た。
「...おお」
そこは、穀倉地帯の中で唯一浮いている巨大な白亜の構造物であった。
太陽光を反射しているから、石ではなく金属らしい。
「ここから先は車両じゃ入れないんだって」
「成程ね」
ここが「都市」。
この惑星に点在する拠点の中で最も大きい場所らしい。
全員で中へと入り、長い通路を抜ける。
「おお....これはまた、凄いな」
「ね」
途中、通路の左右にある窓から、輸送用の超巨大車両に貨物が載せられるのが見えた。
このエリアで作っているのは小麦のみらしいので、あれは全て小麦粉だろう。
「国内に出荷しているものですか?」
『そうです、惑星表面で栽培されているものは、全てブランド品であり、貴族や資産家の方などに人気ですね』
「成程」
惑星表面で作れるなら、農業用コロニーは不要に思えたけれど、そっちはそっちで一般市民に需要があるのね。
『データ上は殆ど差異がありませんが、自然の環境で作られたオーガニック・フードは非常に高額で取引されるのです』
「成程」
私たちが普段食べている食事は、基本的にはコロニーで生産されたものであり、地表で作られたものとは違うらしい。
まあ、傭兵の食事は基本的に冷凍食品と缶詰だから、どこで作られたかはあまり気にしないんだけどね。
「さて、一回解散しようか」
『でしたら、管理AIに問い合わせて人数分の案内ドローンを御用意いたしましょうか』
「では、頼む」
『了解です』
数秒後、壁から出てきた数個の浮かぶボールが、私たちの頭上を飛ぶ。
『行きたい場所を教えてください、立ち入り禁止エリアなどをお伝え出来ます』
「よし、じゃあ....商品加工場を見学したい」
「私も同行します」
「此の身もご一緒させていただきます」
「じゃあ私も行くねっ!」
結局全員ついてくるのか、と思ったけれど、アリアだけはソフを抱きしめて言った。
「休憩できる場所に案内してほしいです、ソフが緊張しているので....」
『了解です、こちらへ』
アリアとソフは別の方向に歩いていく。
何かあったら危ないから連れて来たけれど、忠誠レベルの奴隷価値観に支配されているソフにはちょっと怖かったみたいだ。
”奉仕”やら”雑用”ができないなら肉体労働で....などと思っているようだ。
「では、行くぞ」
「はっ」
私たちは、この建物のより深部まで踏み込むのであった。
「凄いね」
「....そうでしょうか?」
「見るべきものはないように思えますが」
「綺麗~」
「私、ここで働かされるんでしょうか.....?」
数時間後。
私たちはマイクロバスのような車両に乗ってケラカプライムの一本道を走っていた。
運転手は、標準型のアンドロイドだ。
『こんな星に視察以外で来る方はなかなかいらっしゃいませんからね、アポイントメントがあれば空港もご準備できたのですが』
「気にするな」
『了解です』
青い空の下で、麦畑が風で靡いている。
この辺はカラッとした気候で、小麦の生育には最適の環境なのだという。
普段は隠されているが、管理や収穫の際にはアンドロイドやオートロイド、ドローンなどが働くらしい。
「ねぇねぇ、あまり人は来ないの? 惑星だから、人口がありそうだと思ったんだけど!」
『こちらに住まわれていた方々は、私どもを所有する企業によって支援金と移住先を頂いて移住されました、今は無人に近いですが、郊外には立ち寄らない方がいいでしょう、警備ドローンに攻撃される恐れがあります』
成程、地球型の惑星だから疑問に思っていたけれど、住民は一人残らず退去済みなのか。
「質問があります、これほどの惑星規模でありながら、その全てを食料生産に利用しているのですか? 資源採掘などは....?」
『この惑星の資源は、先住民によってほぼ利用不能なほどに掘りつくされており、資源惑星としての利用は不可能と断定されました』
「軌道上から見た時、海洋部分が残っているように思えましたが、何故埋め立てて農業用地にされないのですか?」
『それは....すみません、データベースにはなく、お客様に開示できる情報ではないようです』
「では.....」
運転手への質問攻めは続き、時間は矢の如く過ぎ去っていく。
私は車両の振動を感じつつ、微睡にその身を委ねた。
ラビに起こされた私は、車両の外へと出た。
「...おお」
そこは、穀倉地帯の中で唯一浮いている巨大な白亜の構造物であった。
太陽光を反射しているから、石ではなく金属らしい。
「ここから先は車両じゃ入れないんだって」
「成程ね」
ここが「都市」。
この惑星に点在する拠点の中で最も大きい場所らしい。
全員で中へと入り、長い通路を抜ける。
「おお....これはまた、凄いな」
「ね」
途中、通路の左右にある窓から、輸送用の超巨大車両に貨物が載せられるのが見えた。
このエリアで作っているのは小麦のみらしいので、あれは全て小麦粉だろう。
「国内に出荷しているものですか?」
『そうです、惑星表面で栽培されているものは、全てブランド品であり、貴族や資産家の方などに人気ですね』
「成程」
惑星表面で作れるなら、農業用コロニーは不要に思えたけれど、そっちはそっちで一般市民に需要があるのね。
『データ上は殆ど差異がありませんが、自然の環境で作られたオーガニック・フードは非常に高額で取引されるのです』
「成程」
私たちが普段食べている食事は、基本的にはコロニーで生産されたものであり、地表で作られたものとは違うらしい。
まあ、傭兵の食事は基本的に冷凍食品と缶詰だから、どこで作られたかはあまり気にしないんだけどね。
「さて、一回解散しようか」
『でしたら、管理AIに問い合わせて人数分の案内ドローンを御用意いたしましょうか』
「では、頼む」
『了解です』
数秒後、壁から出てきた数個の浮かぶボールが、私たちの頭上を飛ぶ。
『行きたい場所を教えてください、立ち入り禁止エリアなどをお伝え出来ます』
「よし、じゃあ....商品加工場を見学したい」
「私も同行します」
「此の身もご一緒させていただきます」
「じゃあ私も行くねっ!」
結局全員ついてくるのか、と思ったけれど、アリアだけはソフを抱きしめて言った。
「休憩できる場所に案内してほしいです、ソフが緊張しているので....」
『了解です、こちらへ』
アリアとソフは別の方向に歩いていく。
何かあったら危ないから連れて来たけれど、忠誠レベルの奴隷価値観に支配されているソフにはちょっと怖かったみたいだ。
”奉仕”やら”雑用”ができないなら肉体労働で....などと思っているようだ。
「では、行くぞ」
「はっ」
私たちは、この建物のより深部まで踏み込むのであった。
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