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シーズン9-オストプライム編(前編)
244-無法物品区画
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「物品」区画は、事前の情報がないにも関わらず、私の予想をあまり裏切らなかった。
そこは、細かく分類された違法物品の取引場所だった。
最初に足を踏み入れたのは、違法薬物の販売所。
こんなに広くて意味があるのかと思ったけれど、実際はそうではないようで。
「いらっしゃい、あんたはあまり見ない格好だね」
「ああ、悪いが今日は冷やかしだ――――ちょっと聞きたい事があってな、薬は買わないが金は払う」
その辺の店主に袖の下を渡して、話を聞く。
なんで薬物なんて単価が決まってそうなものがこんなに手広く売られてるの? と。
「あー、言っちゃなんですが、ヤクにも安い、高いはあるからね。お得意様にしか売らないって店もあるし、この店でしか買わないって人もいるんだ、だからこうして、広い区画で売ってるのさ――――ありがとよ、今晩の酒代くらいにはなるかね」
分かりやすくはあった。
私はその店を離れ、ビルから出て街を歩く。
見れば、ボロボロの店の傍に屯する人々がいた。
虚ろな目で、口からは液体が零れ落ちている。
あれが、安い薬――――ってやつなのだろうか。
「ッ!?」
その時。
頭上を、中型船が通り過ぎた。
照明が遮られ、周囲は街灯だけが光源の暗闇と化す。
中型船が通り過ぎると、あの店の周囲にいた人間は白目をむいていた。
「......」
仲間を連れてこなくてよかったな。
オーバーリアクションでもされたら目立って困る。
私は、薬物エリアを抜けて、今度は違法物品エリアに入る。
コナやら葉っぱやらを取引していた今までの場所とは違って、別の意味で禁止されているものが販売されている。
ようは、核廃棄物だったり。
危険物から始まり、マサドライト合金と呼ばれる違法合金のような、作成が禁じられているようなものが販売されている。
こちらは、他と比べて少しは面白みがあるね。
足がつくので買えないのが残念だけど。
ここで買い物をする人たちは、皆違法な手段で手に入れた口座を利用するらしいから。
「.....これは!」
『お目が高い、デスね』
「だが、残念ながら今は支払い手段がなくてね」
『ヒヤカシ、無用』
シトリンの同型のパーツを見つけたりしたけど、詳細を見たら「V-SRウイルス感染済み」と書いてあった。
後で知ったのだけど、二千年前にアンドロイドの反乱を引き起こした原因らしい。
冗談じゃない、凄い危険物だった。
「ん.....?」
その時。
私は、とある店のショーウィンドウを見て足を止めた。
「なんでアドアステラが.....って」
カナードの商品だ、これ。
人の船を勝手に.....今度連絡する機会があったら、パテント料でも請求しようかな。
お兄ちゃんの船を勝手に宣伝に使ってるんだから、当然の権利だよね。
「次に行くか.....」
ブラックマーケットは、まだまだ奥まで存在している。
私は、何故か当然のように存在しているレールウェイの駅に向かう。
流石に、インフラを管理しているのは現地の勢力のようで、駅周辺は武装した人間に囲まれていた。
何か不審な動きをすれば、即座に捕えられるだろうな...と私は思った。
幸い、絡まれる事はなくレールウェイに乗り込んだ私は、動き出した列車の中から、流れていく景色を見る。
「...」
地下都市と言っても、ここには営みがあった。
ただ、全てに違法性があるというだけで、ここに住む人達には普通の営みがあるのだ。
物事には、側面がある...かぁ。
お兄ちゃんの言うことは、やっぱりいつも正しい。
ここで私がどうこう言っても、その側面がある限り人は救われない。
私にとって与えることのできる「救い」は、ここの人間たちにとってはトイレの虫の死骸くらいには忌々しいものなのだ。
見極めろ、私。
そして、その後どうするか決めるんだ。
そこは、細かく分類された違法物品の取引場所だった。
最初に足を踏み入れたのは、違法薬物の販売所。
こんなに広くて意味があるのかと思ったけれど、実際はそうではないようで。
「いらっしゃい、あんたはあまり見ない格好だね」
「ああ、悪いが今日は冷やかしだ――――ちょっと聞きたい事があってな、薬は買わないが金は払う」
その辺の店主に袖の下を渡して、話を聞く。
なんで薬物なんて単価が決まってそうなものがこんなに手広く売られてるの? と。
「あー、言っちゃなんですが、ヤクにも安い、高いはあるからね。お得意様にしか売らないって店もあるし、この店でしか買わないって人もいるんだ、だからこうして、広い区画で売ってるのさ――――ありがとよ、今晩の酒代くらいにはなるかね」
分かりやすくはあった。
私はその店を離れ、ビルから出て街を歩く。
見れば、ボロボロの店の傍に屯する人々がいた。
虚ろな目で、口からは液体が零れ落ちている。
あれが、安い薬――――ってやつなのだろうか。
「ッ!?」
その時。
頭上を、中型船が通り過ぎた。
照明が遮られ、周囲は街灯だけが光源の暗闇と化す。
中型船が通り過ぎると、あの店の周囲にいた人間は白目をむいていた。
「......」
仲間を連れてこなくてよかったな。
オーバーリアクションでもされたら目立って困る。
私は、薬物エリアを抜けて、今度は違法物品エリアに入る。
コナやら葉っぱやらを取引していた今までの場所とは違って、別の意味で禁止されているものが販売されている。
ようは、核廃棄物だったり。
危険物から始まり、マサドライト合金と呼ばれる違法合金のような、作成が禁じられているようなものが販売されている。
こちらは、他と比べて少しは面白みがあるね。
足がつくので買えないのが残念だけど。
ここで買い物をする人たちは、皆違法な手段で手に入れた口座を利用するらしいから。
「.....これは!」
『お目が高い、デスね』
「だが、残念ながら今は支払い手段がなくてね」
『ヒヤカシ、無用』
シトリンの同型のパーツを見つけたりしたけど、詳細を見たら「V-SRウイルス感染済み」と書いてあった。
後で知ったのだけど、二千年前にアンドロイドの反乱を引き起こした原因らしい。
冗談じゃない、凄い危険物だった。
「ん.....?」
その時。
私は、とある店のショーウィンドウを見て足を止めた。
「なんでアドアステラが.....って」
カナードの商品だ、これ。
人の船を勝手に.....今度連絡する機会があったら、パテント料でも請求しようかな。
お兄ちゃんの船を勝手に宣伝に使ってるんだから、当然の権利だよね。
「次に行くか.....」
ブラックマーケットは、まだまだ奥まで存在している。
私は、何故か当然のように存在しているレールウェイの駅に向かう。
流石に、インフラを管理しているのは現地の勢力のようで、駅周辺は武装した人間に囲まれていた。
何か不審な動きをすれば、即座に捕えられるだろうな...と私は思った。
幸い、絡まれる事はなくレールウェイに乗り込んだ私は、動き出した列車の中から、流れていく景色を見る。
「...」
地下都市と言っても、ここには営みがあった。
ただ、全てに違法性があるというだけで、ここに住む人達には普通の営みがあるのだ。
物事には、側面がある...かぁ。
お兄ちゃんの言うことは、やっぱりいつも正しい。
ここで私がどうこう言っても、その側面がある限り人は救われない。
私にとって与えることのできる「救い」は、ここの人間たちにとってはトイレの虫の死骸くらいには忌々しいものなのだ。
見極めろ、私。
そして、その後どうするか決めるんだ。
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