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仕事復帰したい
子育てはやっぱり大変だけど子供は愛しい。ルークは起きている時間も長くなり表情も豊かになってきた。寝返りをしてお座りできるようになるとレオナードさんはその都度感動していた。
レオナードさんはあまり感情を表に出す人ではなかったが、子供の成長と共に感情を出すようになってきたしルークは人見知りもしないので私も家事をする間は安心して任せられた。
「リオナ早く来て! 見てくれ、ルークが四つん這いで動いているんだ。凄いだろ?」
「あっ、本当だ。動けるようになったら危険な物は退かさないと。偉いわね、ルーク。次はつかまり立ちをするようになるわよ」
「それは大変だ! ルークが怪我しないようにしないと心配で堪らん」
辺りを見回してなんだかブツブツと呟いていた。後日、また騎士団の団員さんを引き連れて階段の出入り口に柵を付けたり大工仕事をしていたのは言うまでもない。親馬鹿の団長を見て苦笑いの団員さんだった。
それから数ヶ月後、ハイハイをしながらつかまり立ちをしたり数歩ずつ歩いたりして動きが活発になってきた。
私は仕事に復帰したいがレオナードさんを説得しなければ許可はでない。難関であるレオナードさんへの対策を考えミシェルさんを訪れた。
「ミシェルさん、お久しぶりです。お時間ありますか?」
「リオナいらっしゃい。ルーク、ミシェルおばさんですよ、こんにちは」
人見知りをしないルークもニコニコ笑う。
「いつ見ても可愛いわぁ。ところで何か話しがあって来た感じね?」
「ミシェルさん、鋭いですね。実は仕事をしたいのですがまた雇ってもらえませんか?」
「リオナが戻ってくるのは大歓迎だけど…。ルークはどうするの? 預けられる人でも家で雇うつもり? それならレオナードさんが納得しないでしょう」
「色々考えたのですがミシェルさんに私から提案があります」
提案とは商会に保育所を作ることだ。使われていない部屋を借り乳幼児の世話をする人を雇い利用者は一日毎に保育料を支払う。料金からは部屋の使用料などの経費を商会へ支払い世話人には賃金を支払う。
私以外にも子供を持つ家庭の社員がいるので利用者はいるだろうし子育てが終わった女性も小遣い程度には稼げる。企業の福利厚生なのでミシェルさんに内容を説明する。
「最初は乳幼児なのですが教育的なことはせず健やかに育つように預かります。世話人は子育ての終わった女性で良いと思いますが体力の無い人は困ります。
それに預ける側も子供がそばにいれば安心して働けると思いますがいかがでしょうか?」
「いいわ、試してみましょう。世話人は私が面接して雇うことにして空いている部屋も整理しておくわ。女性だって働きたい人もたくさんいるわけだしね」
「ありがとうございます、ミシェルさん。レオナードさんにも納得してもらえるように話をしますのでよろしくお願いします」
「リオナが戻ってくるのを楽しみにしているわ。ルークにも毎日会えるし任せてちょうだい」
会長がミシェルさんで本当に良かった。身寄りのない私は預ける人がいなくてルークのこともそばで見れる。女性を大切にしてくれるミシェルさんだから承諾してもらえた。
レオナードさんに話をしたがやはり納得してくれない。それならしばらく時間を置いた方が良さそうかな。
「リオナ、条件がある。仕事はしても良いが俺が休みの日にはルークは俺が世話をするから連れて行くな。本当は自分達で育てたいんだ、理解してくれ」
「もちろんそうするわ。私もルークも慣れるまでは仕事の日数も抑えるしレオナードさんがお休みの日は全てお任せします。だからいい?」
可愛く上目遣いで少しおねだりしてみた。
「うっっ、分かった、分かったから。リオナが可愛すぎて反対できない」
「ありがとう! レオナードさん愛してる」
「あぁ、俺も愛してるよ」
レオナードさんの首に抱きつき深い口付けをしているとルークが見ていたようで視線が合いなんだか照れてしまった。
レオナードさんは私の気持ちを大切にしてくれた。私もルークもレオナードさんがいてくれて幸せだ…。
それから1ヶ月くらいした頃、商会の受け入れ準備も整い仕事に復帰する。ミシェルさんが選んだ世話人の女性は二人子供を育てお子さん達はすでに成人している。この国では出産も早いので世話人の方も30代、まだまだ若いから乳幼児でも大丈夫そう。
お昼休みにはルークに会いに行き持参した物で昼食を取る。なぜかレーナとライモンドも保育室で一緒に食べている。
「ルーク、ライおじさんだよ。しかし団長さんにそっくりだな。団長さんが小さくなって怖くなくなった感じ?」
「男の子だから団長さんに似て美男子よ。私も早く子供が欲しくなったわ」
「子育ては大変よ。レオナードさんは子煩悩だからたくさん協力してくれるけど皆がそうじゃないからね。ライモンドも子供ができたら奥さんを助けなさいよ」
「俺は子供大好きだし婚約者も愛してるから心配ないね」
あぁ、なんだか前世の夫も最初は子供好きとか言ってたな…。一度も我が子に興味を示さなかったけど。
「レーナは最近どう?」
「私? 全く出会いはないわ。でも前回のことがあってから焦らないようにしているの。リオナに影響されたわけではないけどこればかりは焦っても縁だと思うのよね。誰かのものを奪ったり男に縋って生きていくのなんて嫌だわ。それに、ただ好きなだけでは結婚しないわ」
「そうね、私もレオナードさんとこうなるとは思っていなかったし出会いなんて分からないから焦る必要もないわよ。
レーナはまだ20歳で若いし、30代までは子供を産めるわ。40代は高齢出産になって母体や子供に問題も出てくるからお勧めしないけど」
「俺は半年後に結婚式をする予定だからお前らも来いよな!」
「レオナードさんとルークもいいかしら?」
「もちろんだ。盛大に祝ってくれよ」
ライモンドも結婚かぁ。婚約者をずっと大切にしていたから嬉しそうにしている。大切な友人が幸せになりますように。そしてレーナにも素敵な出会いがありますように…。
レオナードさんはあまり感情を表に出す人ではなかったが、子供の成長と共に感情を出すようになってきたしルークは人見知りもしないので私も家事をする間は安心して任せられた。
「リオナ早く来て! 見てくれ、ルークが四つん這いで動いているんだ。凄いだろ?」
「あっ、本当だ。動けるようになったら危険な物は退かさないと。偉いわね、ルーク。次はつかまり立ちをするようになるわよ」
「それは大変だ! ルークが怪我しないようにしないと心配で堪らん」
辺りを見回してなんだかブツブツと呟いていた。後日、また騎士団の団員さんを引き連れて階段の出入り口に柵を付けたり大工仕事をしていたのは言うまでもない。親馬鹿の団長を見て苦笑いの団員さんだった。
それから数ヶ月後、ハイハイをしながらつかまり立ちをしたり数歩ずつ歩いたりして動きが活発になってきた。
私は仕事に復帰したいがレオナードさんを説得しなければ許可はでない。難関であるレオナードさんへの対策を考えミシェルさんを訪れた。
「ミシェルさん、お久しぶりです。お時間ありますか?」
「リオナいらっしゃい。ルーク、ミシェルおばさんですよ、こんにちは」
人見知りをしないルークもニコニコ笑う。
「いつ見ても可愛いわぁ。ところで何か話しがあって来た感じね?」
「ミシェルさん、鋭いですね。実は仕事をしたいのですがまた雇ってもらえませんか?」
「リオナが戻ってくるのは大歓迎だけど…。ルークはどうするの? 預けられる人でも家で雇うつもり? それならレオナードさんが納得しないでしょう」
「色々考えたのですがミシェルさんに私から提案があります」
提案とは商会に保育所を作ることだ。使われていない部屋を借り乳幼児の世話をする人を雇い利用者は一日毎に保育料を支払う。料金からは部屋の使用料などの経費を商会へ支払い世話人には賃金を支払う。
私以外にも子供を持つ家庭の社員がいるので利用者はいるだろうし子育てが終わった女性も小遣い程度には稼げる。企業の福利厚生なのでミシェルさんに内容を説明する。
「最初は乳幼児なのですが教育的なことはせず健やかに育つように預かります。世話人は子育ての終わった女性で良いと思いますが体力の無い人は困ります。
それに預ける側も子供がそばにいれば安心して働けると思いますがいかがでしょうか?」
「いいわ、試してみましょう。世話人は私が面接して雇うことにして空いている部屋も整理しておくわ。女性だって働きたい人もたくさんいるわけだしね」
「ありがとうございます、ミシェルさん。レオナードさんにも納得してもらえるように話をしますのでよろしくお願いします」
「リオナが戻ってくるのを楽しみにしているわ。ルークにも毎日会えるし任せてちょうだい」
会長がミシェルさんで本当に良かった。身寄りのない私は預ける人がいなくてルークのこともそばで見れる。女性を大切にしてくれるミシェルさんだから承諾してもらえた。
レオナードさんに話をしたがやはり納得してくれない。それならしばらく時間を置いた方が良さそうかな。
「リオナ、条件がある。仕事はしても良いが俺が休みの日にはルークは俺が世話をするから連れて行くな。本当は自分達で育てたいんだ、理解してくれ」
「もちろんそうするわ。私もルークも慣れるまでは仕事の日数も抑えるしレオナードさんがお休みの日は全てお任せします。だからいい?」
可愛く上目遣いで少しおねだりしてみた。
「うっっ、分かった、分かったから。リオナが可愛すぎて反対できない」
「ありがとう! レオナードさん愛してる」
「あぁ、俺も愛してるよ」
レオナードさんの首に抱きつき深い口付けをしているとルークが見ていたようで視線が合いなんだか照れてしまった。
レオナードさんは私の気持ちを大切にしてくれた。私もルークもレオナードさんがいてくれて幸せだ…。
それから1ヶ月くらいした頃、商会の受け入れ準備も整い仕事に復帰する。ミシェルさんが選んだ世話人の女性は二人子供を育てお子さん達はすでに成人している。この国では出産も早いので世話人の方も30代、まだまだ若いから乳幼児でも大丈夫そう。
お昼休みにはルークに会いに行き持参した物で昼食を取る。なぜかレーナとライモンドも保育室で一緒に食べている。
「ルーク、ライおじさんだよ。しかし団長さんにそっくりだな。団長さんが小さくなって怖くなくなった感じ?」
「男の子だから団長さんに似て美男子よ。私も早く子供が欲しくなったわ」
「子育ては大変よ。レオナードさんは子煩悩だからたくさん協力してくれるけど皆がそうじゃないからね。ライモンドも子供ができたら奥さんを助けなさいよ」
「俺は子供大好きだし婚約者も愛してるから心配ないね」
あぁ、なんだか前世の夫も最初は子供好きとか言ってたな…。一度も我が子に興味を示さなかったけど。
「レーナは最近どう?」
「私? 全く出会いはないわ。でも前回のことがあってから焦らないようにしているの。リオナに影響されたわけではないけどこればかりは焦っても縁だと思うのよね。誰かのものを奪ったり男に縋って生きていくのなんて嫌だわ。それに、ただ好きなだけでは結婚しないわ」
「そうね、私もレオナードさんとこうなるとは思っていなかったし出会いなんて分からないから焦る必要もないわよ。
レーナはまだ20歳で若いし、30代までは子供を産めるわ。40代は高齢出産になって母体や子供に問題も出てくるからお勧めしないけど」
「俺は半年後に結婚式をする予定だからお前らも来いよな!」
「レオナードさんとルークもいいかしら?」
「もちろんだ。盛大に祝ってくれよ」
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