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第一章:素敵な出会い、それは狂った妖刀でした
011:斬っても斬れない仲
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うまく誘い込み、二匹の緑の小人を倒した流は、油断なく周りを確認しながら少し休む。
(ふぅ~。ここまではよし、木をテコのようにして直線的に引っ張らなかったのがよかったな。残り八匹だがもう一度いけるか?)
ここと真逆の場所で何かの作業をしているのか、緑の小人三人が木材を移動していた。
木材は山積みになっており、身を隠すには最適な場所と判断した流は、気配を消しつつ慎重に木材の裏側へと回る。
(よし、まだ緑の小人は作業中だな。まずは材木が崩れたようにっと……)
流は美琴を抜刀し、木材を支えていた木を斬り裂く。
すると端の数本がバラリと地面に倒れるが、そこまで太くは無いので、近くに居た緑の小人達だけがその音に気が付いた。
倒れた木材は太くないとは言え緑の小人よりかなり長いので、それを三匹で元に戻そうと思ったのか、うまい具合に三匹が木材の裏側へとやって来た。
その様子を木の影から見ていた流は、三匹が木材を担いだのを見計らい静かに背後から近づくと、流は美琴で首を刈っていく。
(残りは五匹、だが流石にあれは……)
村から一気に五匹の姿が見えなくなったのを不審に思ったのか、焚火で何かを食べていた緑の小人達は武器を手に持ち、木材が倒れたのが見えたからか木材保管場所へと歩いて来た。
(奴らの武器は剣と木のこん棒か? 美琴は妖スペックだが油断は出来ないな。ここからが本番だ、気合を入れて行けよ!!)
緑の小人は材木置き場に近づいて来ると血の匂いで異常を察知したらしく、仲間内で騒ぎ出す。
それでも不用心に近づいて来るのを「気配察知」で感じ取った流は、木材の山の中央に杭のようになっている所から出ているロープがある事を「観察眼」で確認する。
流は緑の小人が「射程」に入ったのを確認し、木材の山の頂上、特に太い丸太が縦に縄で縛られている場所へと一気に登る。
「あーあー、マイクは無いがマイクのテスト中~。緑の小人共! 麗しき姫になんと言う悪逆非道をする、お前らに恨みは無いが覚悟しとけよ~天誅!!」
緑の小人達はいきなりの人間の登場に一瞬驚くが、すぐに武器を掲げ襲ってくる。
「ギャガ!」と一匹が叫ぶと残り四匹が一斉に迫って来た。
「準備は万端、仕上げを御覧じろってな~そら、ヨっ!!」
そう言うと流は木材を支える中央の長い杭に掴まりながら、そこから伸びているロープを切り裂く。
すると支えを失った木材が観察眼で予想した通り、一気に雪崩を起こし緑の小人へと殺到する。
緑の小人はいきなりの材木の倒壊に混乱するも、この四匹は他のとは違い運動性が良いらしく、あれだけの木材の倒壊に巻き込まれたのは二匹だけだった。
(残り三匹だが、一匹はボスか? こいつが巻き込まれなかったのは痛いな)
流は杭の上から足元を確認し、身近に居た緑の小人に狙いを定め、中央に残った杭から飛び降りると同時に、まだ体勢が整っていない一匹へと斬りかかり真っ二つにする。
「さあて、残りはお前らだけとなったが……どっちから死にたい?」
そう言うが早いか、緑の小人二匹は一直線に剣を振りかぶり襲ってくる。
流は最初の緑の小人の斬撃を美琴で受け止めるふりをし、そのまま剣ごと袈裟斬りに斬り捨てる。
驚いた奥のボスらしき緑の小人は一端背後へと飛び、ジリジリと間合いを狭めて来た。
流も自分の間合いに入るまで、擦り足でにじり寄る。相手も似たような長さの剣を持っている以上、自分と間合いは差ほど変わらないと思い慎重に進む。
そしてお互いに間合いに入った瞬間、流が行動に移る。
「剣ごと斬らせてもらう!! ツエィ!! ――なッ!?」
流がボス小人の剣を斬り飛ばそうとしたが、それは受け止められてしまう。
その出来事に「マジかよ!」と驚く流であったが、業物なのか、美琴の斬撃で斬り飛ばせない武器と初めて遭遇した瞬間であった。
その様子を見て「ギャググ!」と汚い犬歯をむき出しながら、口角を上げニヤケるボス小人は、好機と見るや素早く流れに斬りかかる。流は必死に美琴で防ぐが、緑の小人のどこにそんな力があるのか、流の持ち手に衝撃が蓄積される。
「ぐぅ、重てぇじゃねーか。だが脇が甘い!」
ボス小人の直情的な攻撃も段々慣れた頃、敵のクセを観察眼で見抜く。
(右から振りかぶった時に皮鎧の隙間がガラ空きだよ!)
「皮鎧クラスなら、頼むぜ美琴!! オリャア!!」
ボス小人の斬撃より一瞬早く、皮鎧の左下の付け根から右上に斬り上げた。
「ギャヴァァァァ!?」
断末魔を上げ、切り口から血液が吹き出しながらも、流へ一太刀浴びせようとボス小人は剣を振りぬく。
流は右上へ斬り上げてるいる最中の美琴をそのままスライドし、そして――「諦めや・が・れ!!」と気合を入れて、そのまま体を両断したのだった。
「ブハアア! ハァハァ……くぅ、キッツイ……まさか、ここまで、とは、異世界ハァ……やばすぎ、フゥ……」
後ろへ倒れ込むように腰を下ろした流は、あまりの疲労にそのまま地面にへたり込む。
「ハァハァ。クソ、まさか武器を両断出来ないとはな。激しい戦闘中は観察眼もだめだ。慣れが必要か。ふぅ美琴が悪い訳じゃない、間違いなく……俺の技量不足だ」
血溜まりの傍で休憩するのも嫌なので、広場が見える場所へ戻って来た流はようやく上がった息も落ち着く。
周囲を見て粗末な小屋の中の事を思い出し、そこへ意識を向けると複数の反応がある。そしてその中に一際大きい生体反応を感じた時にソレは現れた。
「ギャガ、ナンノ、サワギダ!!」
「――――え?」
思わず絶句してしまい、それしか言葉が出ない。
(ふぅ~。ここまではよし、木をテコのようにして直線的に引っ張らなかったのがよかったな。残り八匹だがもう一度いけるか?)
ここと真逆の場所で何かの作業をしているのか、緑の小人三人が木材を移動していた。
木材は山積みになっており、身を隠すには最適な場所と判断した流は、気配を消しつつ慎重に木材の裏側へと回る。
(よし、まだ緑の小人は作業中だな。まずは材木が崩れたようにっと……)
流は美琴を抜刀し、木材を支えていた木を斬り裂く。
すると端の数本がバラリと地面に倒れるが、そこまで太くは無いので、近くに居た緑の小人達だけがその音に気が付いた。
倒れた木材は太くないとは言え緑の小人よりかなり長いので、それを三匹で元に戻そうと思ったのか、うまい具合に三匹が木材の裏側へとやって来た。
その様子を木の影から見ていた流は、三匹が木材を担いだのを見計らい静かに背後から近づくと、流は美琴で首を刈っていく。
(残りは五匹、だが流石にあれは……)
村から一気に五匹の姿が見えなくなったのを不審に思ったのか、焚火で何かを食べていた緑の小人達は武器を手に持ち、木材が倒れたのが見えたからか木材保管場所へと歩いて来た。
(奴らの武器は剣と木のこん棒か? 美琴は妖スペックだが油断は出来ないな。ここからが本番だ、気合を入れて行けよ!!)
緑の小人は材木置き場に近づいて来ると血の匂いで異常を察知したらしく、仲間内で騒ぎ出す。
それでも不用心に近づいて来るのを「気配察知」で感じ取った流は、木材の山の中央に杭のようになっている所から出ているロープがある事を「観察眼」で確認する。
流は緑の小人が「射程」に入ったのを確認し、木材の山の頂上、特に太い丸太が縦に縄で縛られている場所へと一気に登る。
「あーあー、マイクは無いがマイクのテスト中~。緑の小人共! 麗しき姫になんと言う悪逆非道をする、お前らに恨みは無いが覚悟しとけよ~天誅!!」
緑の小人達はいきなりの人間の登場に一瞬驚くが、すぐに武器を掲げ襲ってくる。
「ギャガ!」と一匹が叫ぶと残り四匹が一斉に迫って来た。
「準備は万端、仕上げを御覧じろってな~そら、ヨっ!!」
そう言うと流は木材を支える中央の長い杭に掴まりながら、そこから伸びているロープを切り裂く。
すると支えを失った木材が観察眼で予想した通り、一気に雪崩を起こし緑の小人へと殺到する。
緑の小人はいきなりの材木の倒壊に混乱するも、この四匹は他のとは違い運動性が良いらしく、あれだけの木材の倒壊に巻き込まれたのは二匹だけだった。
(残り三匹だが、一匹はボスか? こいつが巻き込まれなかったのは痛いな)
流は杭の上から足元を確認し、身近に居た緑の小人に狙いを定め、中央に残った杭から飛び降りると同時に、まだ体勢が整っていない一匹へと斬りかかり真っ二つにする。
「さあて、残りはお前らだけとなったが……どっちから死にたい?」
そう言うが早いか、緑の小人二匹は一直線に剣を振りかぶり襲ってくる。
流は最初の緑の小人の斬撃を美琴で受け止めるふりをし、そのまま剣ごと袈裟斬りに斬り捨てる。
驚いた奥のボスらしき緑の小人は一端背後へと飛び、ジリジリと間合いを狭めて来た。
流も自分の間合いに入るまで、擦り足でにじり寄る。相手も似たような長さの剣を持っている以上、自分と間合いは差ほど変わらないと思い慎重に進む。
そしてお互いに間合いに入った瞬間、流が行動に移る。
「剣ごと斬らせてもらう!! ツエィ!! ――なッ!?」
流がボス小人の剣を斬り飛ばそうとしたが、それは受け止められてしまう。
その出来事に「マジかよ!」と驚く流であったが、業物なのか、美琴の斬撃で斬り飛ばせない武器と初めて遭遇した瞬間であった。
その様子を見て「ギャググ!」と汚い犬歯をむき出しながら、口角を上げニヤケるボス小人は、好機と見るや素早く流れに斬りかかる。流は必死に美琴で防ぐが、緑の小人のどこにそんな力があるのか、流の持ち手に衝撃が蓄積される。
「ぐぅ、重てぇじゃねーか。だが脇が甘い!」
ボス小人の直情的な攻撃も段々慣れた頃、敵のクセを観察眼で見抜く。
(右から振りかぶった時に皮鎧の隙間がガラ空きだよ!)
「皮鎧クラスなら、頼むぜ美琴!! オリャア!!」
ボス小人の斬撃より一瞬早く、皮鎧の左下の付け根から右上に斬り上げた。
「ギャヴァァァァ!?」
断末魔を上げ、切り口から血液が吹き出しながらも、流へ一太刀浴びせようとボス小人は剣を振りぬく。
流は右上へ斬り上げてるいる最中の美琴をそのままスライドし、そして――「諦めや・が・れ!!」と気合を入れて、そのまま体を両断したのだった。
「ブハアア! ハァハァ……くぅ、キッツイ……まさか、ここまで、とは、異世界ハァ……やばすぎ、フゥ……」
後ろへ倒れ込むように腰を下ろした流は、あまりの疲労にそのまま地面にへたり込む。
「ハァハァ。クソ、まさか武器を両断出来ないとはな。激しい戦闘中は観察眼もだめだ。慣れが必要か。ふぅ美琴が悪い訳じゃない、間違いなく……俺の技量不足だ」
血溜まりの傍で休憩するのも嫌なので、広場が見える場所へ戻って来た流はようやく上がった息も落ち着く。
周囲を見て粗末な小屋の中の事を思い出し、そこへ意識を向けると複数の反応がある。そしてその中に一際大きい生体反応を感じた時にソレは現れた。
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「――――え?」
思わず絶句してしまい、それしか言葉が出ない。
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