日本最狂の妖刀で、誰も見た事がない異世界・骨董無双~狂気の娘を返品したいがもう遅い!!だから神が宿る骨董品達で、俺が世界を改変してやるッ!!

竹本蘭乃

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第三章:滅ぼす者と、領域者との出会い

076:【狂気の幽霊屋敷を討伐しよう】

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 流は屋敷に付くと壱と参を伴って屋敷を見回る事にする。

 屋敷は地上三階、地下一階、中央には物見櫓のような塔がそびえ立つ。
 部屋数は一階左側が全てホールとなっており、右側は食堂と応接の間のような作りになっている。

 二階は客室なのか貴賓室が多く、大小部屋があった。
 そして三階は主の部屋と言う感じの広い部屋があり、中心部に階層の半分位のスペースを持った大きな部屋があり、その両脇には使用人達が控えに使っていたの、か、装飾が控えめな部屋が並ぶ。
 ちなみに異超門は主の部屋、そこの右奥に設置している。

「壱:はぁ、僕は何時も手帳の中からしか見てなかったんけど、実際この目で見ると凄いでんな~」
「フム。見ると聞くのとでは大違いとよく言いますが……なるほどと言う感じですかな」

 二人とも異世界で自由に出来るのが嬉しいようで、あちらこちらを満足気に見ている。

「時に壱よ、今までどうして出て来なかったんだ?」
「壱:そうでんなぁ。一つは古廻はんの自由な行動に、僕があれこれ言うんは無粋かな? と思ったってのが一つ。それとその右手でんな」

 流は右手の甲に現れた不思議な三日月模様を見る。

「壱:その印はご存じの通りなんやけど、その力が強まれば僕らも好き勝手できますねん」
「フム。いささか語弊があるように言ってしまう、愚かな兄をお許しください。好き勝手と言うよりも、そのおかげで広く活動が出来るようになった……と、今はお考えください」
「そう言う物なのか? まあいい。それでどうする? この屋敷の規模だと、相当の人員が必要になると思うが……」
「それはお任せください、まずは一階のホールへと向かいましょう。そこで古廻様の新たな|僕(しもべ)を呼び出しますゆえ」

 僕ってなんだろう? と思いながらも流は窓から見える景色を眺めながら一階へと向かう。 途中ゴーストが壁や天井から何度か出るが、美琴が殺気立ち全てを払いのける。
 その様子に壱と参は感心しながらも、流の落ち着いた動きにも嬉しそうに頷いて居た。

「壱:昼間っからけったいな奴らやな~。しっかしここは何なんやろ? ここまで幽霊は普通出えへんぞ?」
「さあな~、俺も今日で三回目位しか来てないから分からん。でも確かに異常だな」

 所かまわず屋敷で出現するゴーストにうんざりする一行だった。
 そして一階のホールに到着すると、参は懐から数十枚のお札を取り出す。

「フム。では古廻様はその場でお待ちを」
 
 そう言うと参は「壱をむんず」と掴み、数歩前に出る。

「壱:おまッ! 何すんねん!? って――あががが」

 参は掴んだ壱の頭に「指を突っ込む」と、その手に持ったお札に命ずる。

「フム! 《我は命ずる。深淵の住人よ、この札に宿りて依り代と成せ!》」

 そう言うと札が部屋を乱舞し、やがて十代から六十代ほどの複数の使用人達の姿に変わった。
 その後、もう用は無いとばかりに参は壱を〝ぽい〟と捨てる。

「おお!? これは凄いな参よ。見た目もこっちの住人ぽいぞ?」
「ええ、敬愛する我が兄の記憶から似せて作った者達です。古廻様の命を、最優先に叶える事を生きがいとする者達ですので、ご自由にお使いください」
「壱:って! お前何すんねん!! 僕の頭に風穴開いたやんけ!!」
「フム。これは失礼を……」

 そう言うと参はどこからか絆創膏と取りだし、壱の頭の穴にペタリと貼る。

「壱:分かればええんや、分かればなぁ~」

 そんな壱に流は「お前はそれでいいのか?」とドン引くのであった。
 その後メイドや使用人達に参は仕事を割り振り、壱と流は商業ギルドへと向かう事にする。
 道中の町の雰囲気を楽しみながら歩いていると、肩に止まった赤い折紙が流へと予定を聞く。

「壱:なあ古廻はん、この後どうするんでっか?」
「そうだな、まずは――」


◇◇◇


「え!? ナガレ様あの屋敷をお買い上げになるのですか??」

 商業ギルドに着くなり、流はメリサに屋敷の買い取りを申し出ると、メリサはとても驚いていた。

 流の突然の申し出に困惑するメリサ、それを不思議に思った流は先日の話をしてみる。

「ん? だってお前、買い取っても良いと言ってたじゃないか?」
「そ……それがですね。申し訳ありません、ギルドマスターの部屋まで来ていただけますか?」

 そう言うとメリサは流を三階のギルマスの部屋まで案内する。
 ギルマスのバーツは書類の山に埋もれていたが、流が来たと分かると立ち上がり、両手を広げて歓迎をしながらも即座に席を用意した。
 
「おお! ナガレ、元気そうじゃないか。聞いたぞ、巨滅級になったんだって? 報告しに来た奴が一瞬何を言ってるのか分からなくて二回聞き直したほどだったぞ」

 そう言うとバーツは快活に笑った。その様子を見ると、まるで自分の事のように喜んでくれているようで、流も嬉しいやら恥ずかしいやら複雑な気持ちになる。

「さて、今日はどうしたんだ? また面白い物でもあるのか?」
「それがですね……」

 流はメリサとの話をバーツに話した。

「あ~、あそこなぁ……正直スマン事をした。メリサは知らなかったんだが、あの物件は建物自体は凄く良いんだが、実はゴーストが沢山出るんだよ。だからナガレには相応しくないとメリサとも相談してたんだがな」

 バーツはメリサを見る。すると彼女は消え入るような表情でションボリとしていた。
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