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第八章:塔の管理者達と、新たな敵
321:崩壊の水塔
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「ッゥ……助かったぞ美琴。なんだあれは?」
『おなじ外法の一つだよ。たしか滅手刀と言って、妖力を貫通してくるんだったかな』
「マジカヨ、相性最悪だろう……」
「ふ~むぅ……なんと言う知識と力。古廻様のその妖刀……どうですかな、わたくしめにお譲りいただけないでしょうか? そうですな、価格は竜貨八枚……いや、王貨五枚でいかがですかな?」
「……まぁ、少し考えておこう」
『なに言ってるんですか!?』
美琴の悲鳴のような怒号がきっかけのように、二人は斬り結ぶ。
エスポワールは片手で曲刀を生き物のようにしならせ、またはクネらせながら、見たことも無い動きで流へと襲いかかる。
上から襲いかかってきたかと思えば、いきなり方向を変えて左から一閃し、それを美琴の刀の先端である切っ先を下にして防ぎ、流が攻撃に転じた瞬間エスポワールの左手の滅手刀で襲いかかってくる。
それをなんとか躱したと思えば、下からすくい上げるように曲刀が流のあご先を掠め飛ぶ。
見たことの無い、まるで生き物のような剣筋で襲いかかる曲刀に翻弄される。
(オイオイ!? どうなっていやがる、コイツの隙がまったくないぞ!? だが!!)
メリサの件もあり、焦る流はここで勝負に出る。鑑定眼を発動させた流は、そこに妖気を練り込み建物の構造を解析しながら戦う。
だが初めての試みと、高度な戦闘中ということもあり、その把握に時間がかかってしまったが、ついにその場所を特定する。
「――ジジイ流・薙払術! 岩斬破砕!!」
「ッ! なんですと!?」
エスポワールが斬り込む事を予想した流は、その「足元」へ向けて岩斬破砕を放つ。
瞬間、その場所を中心としてクモの巣状に砕け散る床は、そのまま下へと落下する。
流とエスポワールは踏ん張りが効かず落下するが、足元には大人を十人は詰め込めるだろう水を運ぶゴンドラが稼働しており、二人はそこへと着地する。
落下しながら塔の中心部を見ると、水柱の奥にメリサとアルレアン子爵が下っていくのが見えた。
まずは無事なのを確認しホッとするもなく、エスポワールが襲いかかってくる。
長方形のゴンドラは、足場の縁が幅二十センチの部分と、中央にある木製の直径三メートルほどの蓋のような補強材の上だった。
お互いゴンドラの縁へと着地すると、中央の木製の足場へとめがけ飛んだと思いきや、そのまま斬り結び始める。
やがてその二人の斬撃の余波がゴンドラへと伝わると、真っ二つに割れ中の水を吐き散らしながらゴンドラが落下していく。
その落下する刹那、二人は隣のゴンドラへと乗り移り、激しい剣戟を積み重ねる。
エスポワールは実に楽しげに曲刀で突きを乱発し、流もそれに合わせるように連撃を放つ。
だが曲刀による斬撃だけならまだしも、厄介な左手の滅手刀で襲いかかる攻撃に流も冷や汗をながす。
やがて今乗っているゴンドラも限界が近づき、支え部分のアームが耐えきれなくなり落下する刹那に次のゴンドラへと移る。
飛び移る途中メリサを見れば、まだ追いつけると確信しながらも妖人になろうかを迷う。
もしメリサがさっきのシュバルツのように自分を恐れたらと思うと、妖人化に躊躇してしまう。
だがそんな事をよく考える暇もなく、エスポワールは縁へ着地したと同時に空中でコマのように回転しながら襲いかかる。
「クッソ!! お前はコマなのか!? ジジイ流・刺突術! 針孔三寸!!」
――水昇双牙とは、水中での戦闘を想定して錬られた業であり、本来は気で足を地面に固定しながら、その纏った気で水の抵抗を無くし高速で二連斬撃を放つことで、水を圧縮した斬撃を付与し敵を真っ二つにする業だ……しかし妖力を得た流が放つと――
鑑定眼でその中心とも言える部分に狙いを定めた流は、迷わずそこへ針孔三寸を叩き込む。
するとあれほど高速で回転していたエスポワールは、回転を止められ苦虫を噛みしめるように吐き捨てる。
「くうっ!? まさか〝曲舞踏〟が止められるとはッ」
回転が止まるのを確認するまでもなく、流は次の行動へと移る。それは「足元の補強材を破壊」するために三連斬を放つ。
「なにをするのです!?」
驚くエスポワールを無視し、そのままゴンドラの水の中へと落下する流……。
そのまま水中へと潜ったまま、妖力を足の裏に集中して「ゴンドラの底」へとくっつけるように踏ん張る。
(そのまま驚いて逝け! ジジイ流・水斬術! 水昇双牙)
――水昇双牙とは、水中での戦闘を想定して錬られた業であり、本来は気で足を地面に固定しながら高速で二連斬撃を放つことで、水を圧縮した斬撃を付与し敵を真っ二つにする業だ……だが妖力を得た流が放つと――
「ナンダト!! 水が襲ってくるだとおおおお!?」
突如真下から二本の水柱が出来たかと思った次の瞬間、それが自分へめがけてクロスしながら襲いかかってくる。
その水は紫色の光を纏、全てを切裂くように足場も下の水も何もかも真っ二つにしながら襲いかかる。
「チイイイイイイイイイイッ!!!!」
エスポワールは咄嗟に左手で印を切り、その左手を曲刀へと当てた瞬間、曲刀は赤黒く光りだす。
直後に水昇双牙はエスポワールへと牙を剥くが――。
「やられはせんぞおおおおおおおおお!!」
曲刀を全面に押し出しながら両手でガードする。そのまま拮抗するかに思えたが、直後に背後へとエスポワールはハデに吹き飛ぶのだった。
『おなじ外法の一つだよ。たしか滅手刀と言って、妖力を貫通してくるんだったかな』
「マジカヨ、相性最悪だろう……」
「ふ~むぅ……なんと言う知識と力。古廻様のその妖刀……どうですかな、わたくしめにお譲りいただけないでしょうか? そうですな、価格は竜貨八枚……いや、王貨五枚でいかがですかな?」
「……まぁ、少し考えておこう」
『なに言ってるんですか!?』
美琴の悲鳴のような怒号がきっかけのように、二人は斬り結ぶ。
エスポワールは片手で曲刀を生き物のようにしならせ、またはクネらせながら、見たことも無い動きで流へと襲いかかる。
上から襲いかかってきたかと思えば、いきなり方向を変えて左から一閃し、それを美琴の刀の先端である切っ先を下にして防ぎ、流が攻撃に転じた瞬間エスポワールの左手の滅手刀で襲いかかってくる。
それをなんとか躱したと思えば、下からすくい上げるように曲刀が流のあご先を掠め飛ぶ。
見たことの無い、まるで生き物のような剣筋で襲いかかる曲刀に翻弄される。
(オイオイ!? どうなっていやがる、コイツの隙がまったくないぞ!? だが!!)
メリサの件もあり、焦る流はここで勝負に出る。鑑定眼を発動させた流は、そこに妖気を練り込み建物の構造を解析しながら戦う。
だが初めての試みと、高度な戦闘中ということもあり、その把握に時間がかかってしまったが、ついにその場所を特定する。
「――ジジイ流・薙払術! 岩斬破砕!!」
「ッ! なんですと!?」
エスポワールが斬り込む事を予想した流は、その「足元」へ向けて岩斬破砕を放つ。
瞬間、その場所を中心としてクモの巣状に砕け散る床は、そのまま下へと落下する。
流とエスポワールは踏ん張りが効かず落下するが、足元には大人を十人は詰め込めるだろう水を運ぶゴンドラが稼働しており、二人はそこへと着地する。
落下しながら塔の中心部を見ると、水柱の奥にメリサとアルレアン子爵が下っていくのが見えた。
まずは無事なのを確認しホッとするもなく、エスポワールが襲いかかってくる。
長方形のゴンドラは、足場の縁が幅二十センチの部分と、中央にある木製の直径三メートルほどの蓋のような補強材の上だった。
お互いゴンドラの縁へと着地すると、中央の木製の足場へとめがけ飛んだと思いきや、そのまま斬り結び始める。
やがてその二人の斬撃の余波がゴンドラへと伝わると、真っ二つに割れ中の水を吐き散らしながらゴンドラが落下していく。
その落下する刹那、二人は隣のゴンドラへと乗り移り、激しい剣戟を積み重ねる。
エスポワールは実に楽しげに曲刀で突きを乱発し、流もそれに合わせるように連撃を放つ。
だが曲刀による斬撃だけならまだしも、厄介な左手の滅手刀で襲いかかる攻撃に流も冷や汗をながす。
やがて今乗っているゴンドラも限界が近づき、支え部分のアームが耐えきれなくなり落下する刹那に次のゴンドラへと移る。
飛び移る途中メリサを見れば、まだ追いつけると確信しながらも妖人になろうかを迷う。
もしメリサがさっきのシュバルツのように自分を恐れたらと思うと、妖人化に躊躇してしまう。
だがそんな事をよく考える暇もなく、エスポワールは縁へ着地したと同時に空中でコマのように回転しながら襲いかかる。
「クッソ!! お前はコマなのか!? ジジイ流・刺突術! 針孔三寸!!」
――水昇双牙とは、水中での戦闘を想定して錬られた業であり、本来は気で足を地面に固定しながら、その纏った気で水の抵抗を無くし高速で二連斬撃を放つことで、水を圧縮した斬撃を付与し敵を真っ二つにする業だ……しかし妖力を得た流が放つと――
鑑定眼でその中心とも言える部分に狙いを定めた流は、迷わずそこへ針孔三寸を叩き込む。
するとあれほど高速で回転していたエスポワールは、回転を止められ苦虫を噛みしめるように吐き捨てる。
「くうっ!? まさか〝曲舞踏〟が止められるとはッ」
回転が止まるのを確認するまでもなく、流は次の行動へと移る。それは「足元の補強材を破壊」するために三連斬を放つ。
「なにをするのです!?」
驚くエスポワールを無視し、そのままゴンドラの水の中へと落下する流……。
そのまま水中へと潜ったまま、妖力を足の裏に集中して「ゴンドラの底」へとくっつけるように踏ん張る。
(そのまま驚いて逝け! ジジイ流・水斬術! 水昇双牙)
――水昇双牙とは、水中での戦闘を想定して錬られた業であり、本来は気で足を地面に固定しながら高速で二連斬撃を放つことで、水を圧縮した斬撃を付与し敵を真っ二つにする業だ……だが妖力を得た流が放つと――
「ナンダト!! 水が襲ってくるだとおおおお!?」
突如真下から二本の水柱が出来たかと思った次の瞬間、それが自分へめがけてクロスしながら襲いかかってくる。
その水は紫色の光を纏、全てを切裂くように足場も下の水も何もかも真っ二つにしながら襲いかかる。
「チイイイイイイイイイイッ!!!!」
エスポワールは咄嗟に左手で印を切り、その左手を曲刀へと当てた瞬間、曲刀は赤黒く光りだす。
直後に水昇双牙はエスポワールへと牙を剥くが――。
「やられはせんぞおおおおおおおおお!!」
曲刀を全面に押し出しながら両手でガードする。そのまま拮抗するかに思えたが、直後に背後へとエスポワールはハデに吹き飛ぶのだった。
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