日本最狂の妖刀で、誰も見た事がない異世界・骨董無双~狂気の娘を返品したいがもう遅い!!だから神が宿る骨董品達で、俺が世界を改変してやるッ!!

竹本蘭乃

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第九章:奪還作戦と、国の闇

398:帰ってきた我が家

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 興奮が冷めやらぬ会場を背景に、流は目の前の三人と話をする。
 そこにセリアとエドも加わり、今後について話す。

「俺はカーズの手紙の内容を確認しに、セリアの家に行きたいんだけど?」
「ええ、そのつもりよ。父上もナガレと会いたがっているし」
「あはん♪ じゃあミー達も行こうかしらん。ねぇヴァルファルド?」
「ああそうだな。今回のことも少し話しておきたいしな」
「では私達もついて行きましょうか。エドもドラゴンヘッドを代表して来てくれるな?」
「えええ!? 俺もクコロー伯爵様のところへか? 何も準備してねぇよ……」
「構いませんよ、父上はそういうのを気にしない人ですからね。じゃあ行きましょうか」

 そう話しが決まり、嵐影を笛で呼び寄せる流。そのままセリアを乗せ、観客たちの間を割って進む。
 セリアは周りからのひやかしに顔を真っ赤に染めながら、流の背中へ右手だけを添えて落ちないようにする。
 それを美琴は「仕方ないなぁ」ため息を吐きながらも、流の顔を見つめるのだった。

「すると、死人はセリアが倒したのか?」
「うん。でもまだ生きていてね、ワンコちゃんに助けてもらったんだ」

 道中これまであった事を話しながらも、セリアの騎士団やジェニファーたちがついて来る。
 お互いに情報交換しているようで、流の活躍や、龍人の娘Lを見て驚いたり色々だった。
 やがて城が見えてくると、その中であった事を説明するセリア。

「――と言うわけで、今城は混乱してるんだよ。でもそろそろ父上も目覚めるとは思うけど」
「そうか、そっちも根っこは一緒のような気がするな」
「ええ、流の話を聞く限りではそうね」
「そのアルマーク商会のエルヴィスだったか? そいつは今どこに行ったんだろうな。さっき俺を助けるために来てくれたやつだろ?」

 流とセリアは式が終わり先程の礼を言おうと探したが、その姿はどこに無かった。だが探している余裕も無かったので、二人はあきらめて現在にいたる。
 やがて城へと到着し、門番へと事情を説明してから内部へと入る。その巨大な建物に流やエドも驚きながら入り、王都でも珍しい魔具の昇降機にて謁見の間へとすすむ。

「いや、なんつーか……俺ほんと場違いな場所へ来ちまったなぁ」
「エドも初めてなのか? なんか凄い場所だなセリアの家……ここからの眺めがまた凄いわ」
「ふふ、私もあまり来ないけどね。そろそろ着くわ」

 謁見の間に来たセリアの騎士はルーセントのみであり、その他は下層で待機中である。衛兵にその到着を知らせると、結界師が一部を解除し中へと進む。
 先程とは違い、随分と落ち着きを取り戻した兄、アーセッドが流達を迎える。

「セリアちゃん、よく無事で戻った! それでその者たちが例の?」
「ええそうです。父上は?」

 そうセリアが言ったと同時にセルガルドは目を覚ます。
 どうやら治療師の魔力譲渡もうまくいき、回復しつつあるようだ。
 その未だにモヤがかかったような頭を振りながら、セルガルドは周囲を確認し、その中に見知った顔もいたが、それより一人の人物を見て飛び上がる。

「んん……。私は一体……あぁそうか。ん? 黒髪黒目……ま、まさか古廻 流さ、殿!?」
「え!? そ、そう。俺が古廻流だけど……え? 日本語??」
「っ! ぅおふぉん、異文化の事も領主は学ぶのですよ古廻殿。それよりよくおいでくださった。心より歓迎するデスネ!!」
「え、あ、はい。お世話になります」
「父上、先程仰せつかりました事ですが、実は――」

 セリアはセルガルドが倒れた後の事を報告する。それに驚き、イズンの愚行に怒り、そしてその後に極武級へ昇格した事を知り大いに喜ぶ。

「なんと!! だからジェニファーやヴァルファルド。そしてドズルまでいたのデスネ」
「あはん♪ そうなのよクコローちゃん。もぅ大急ぎで来たから、汗でベトベトよん」
「挨拶が遅れたが、久しぶりだなセルガルド。色々大変だったみたいだが、元気になってよかったよ」

 どうやら旧知の間柄らしく、実に親しげに話す三人。挨拶もすんだことで、セルガルドは改めて流へと話しだす。

「うむ、巨滅の英雄殿は今日から『極武の英雄』となったわけデスネ。実にめでたい」
「ありがとう。その、感謝します」
「はっはっは、古廻殿。そう固くならず、私にもジェニファーたちと同じように話してほしいデスネ。極武級はその資格があるデスヨ」
「そ、そうかい? では、あらためてよろしく頼むよ。クコロー伯爵」

 セルガルドはその言葉を聞き、少し物足りなくも感じるが、今はそれで満足しておく。
 そんな彼の顔を少し不思議に思いながら、流は疑問を聞いてみる。

「えっと、セルガルドさん。前から思っていたんだが、どうしてあんたの方がカーズより立場が下なんだい? 普通は伯爵の方が立場は上だろうに」
「なに簡単な事だ。元はうちの家はあの方、トエトリー家の家臣だったのデスネ。それをあの愚王がクコロー家と、トエトリー家の仲違いをさせるため、伯爵へとしたことが始まり。まぁ嫌がらせの一種デスネ」

 そう言う表向きの理由・・・・・・を話すセルガルドは、どこかふくむ言い方で、思うところがありそうだった。
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