471 / 486
第九章:奪還作戦と、国の闇
471:理解力のバケモノ
しおりを挟む
流たちは氷狐王へと騎乗すると、エルヴィスの案内で光の起きた方角へと進む。
徐々に太陽は昇っており、光が草原を照らす。黒い茂みは朝日を受けて、生き返るようにその色輝かせる。
朝露に光る、腰ほどの草が眩しげに光りだすと、遠くからLが飛んでくるのが見えた。
特に怪我はしていないようだが、その表情が見える頃には、流は失敗を予感した。
「あいつ失敗したな。見ろ、あの気持ち悪い顔を」
『酷いこと言わないでくださいよ。確かにデロンとして気持ち悪いですけど』
「まったく、あなた達は酷いわね。まぁそう思うけど」
セリアたちがこう言うのも無理はない。だって本当に気持ち悪いから!!
そんな事を言われていると思わず、Lは流の姿を見ると急降下してくる。
「マイ・マスター申し訳ありませんッ!! 敵を見失いました!!」
「なぜそんなに嬉しそうに、失敗を報告する……。まぁい――」
「――よくありませんッ!! さぁこれで、あたしをッ!!」
Lが流の言葉に被せるように否定すると、即座に革製の黒い物を捧げ渡す。
流はこめかみをヒクつかせながら、それを見て一応聞いてみる。
「え、L。それは一体なんだ?」
「ムチです!! これで失敗した、あたしを『思いっきり』ぶって下さい!! さぁ、今です! 愛のムチでさぁッ!!」
「ええい、ムチを押し付けるな! まったくこの変態娘め! くそ、なんか自分を罵っているようで腹が立つ」
『いや、流様はまだそこまでは行っていないよ。普通の時は……多分……だといいね?』
「余計に落ち込むわ! おふざけはここまでだ。それで、そのムチはどうつかうんだ?」
そんなこんなで美琴とセリアに叱られながら、流は話しをすすめる。
Lは並走しながら、事の詳細を報告すると、驚きの声が広まった。
「消えただと?」
「はい、上空から監視していましたが、こつ然と」
「巨石はお前のながれ弾で砕け、その後には何もなかったと?」
「はい。その後には奴らの死体はおろか、破片すらありませんでした」
報告を聞くうち、流は一つ気になることがあった。そう、黒い豪華な衣装を着た男のことだ。
いや、だが、そんなはずは無い。多分気のせいだろうと思いながら、もう一度その男の特徴を聞く。
「L……その。黒い服を着た、首から白いストラを下げた男。黒髪糸目の二十代半ば程だったか?」
「え? あ、はい。よくご存知で。そうです、そんな感じの風体でした」
瞬間〝ゾクリ〟とした悪寒とも興奮とも言える、不思議な感情が流を包む。その余韻が冷めやらぬうちに、その先をLが口走る。
「ぁ、そう言えば……先生とか言っていたような? うーん」
「L!! 今なんて言った!? 先生とそいつは言ったのか?」
「ひゃぃ!? た、確かにそう聞こえました。この姿になって耳も格段に良くなったので、そこは間違い無いです、ハイ!!」
「アイツ……生きていやがったのか!? 美琴、あのとき俺はアイツ……先生を確かに葬ったはずだ。そうだよな?」
『うん、それは間違いないよ。流様は確実に先生に、とどめを刺したよ』
ただならぬ流の雰囲気。それに一同は黙り込む。だがイルミスは流の隣に来ると、真剣な表情で話し出す。
「流、その男は先生と言ったのね?」
「ああ。俺にそう名乗っていた。本当の名は知らないが、ヤツは俺にそう言った」
「そう……。多分その男は元、王宮の筆頭魔法師長であり、部下を実験に使って皆殺しにした男ですわ」
「筆頭魔法師長? ……まて、それは確か豚王が俺に言ったヤツか? 確か名は……」
『ザガーム。そうオークの王様は言っていたよ』
「そう、彼の名はザガーム。ザガーム・フォン・アクトレア……わたくしの弟弟子ですわ」
その言葉に流は驚く、そしてイルミスは辛そうに続ける
「あの子はわたくしの師から魔法を、共に学びましたわ。ですがあの子は天才だった。天才すぎたのですわ。水の属性魔法を教えれば、即座に氷へと応用が出来てしまう。火の属性魔法を教えれば、灼熱魔法の術式を自作してしまう。一を知り十を……いえ、百を知り応用する特別な才」
「まさか……それは固有スキルと言うやつか?」
「ええそうですわ。あの子は二百五十年前に、わたくしが拾った子。王宮から『固有者討伐令』で向かった先の、小さな領地の跡取り息子でしたわ。その固有スキルは『真理理解』と呼ばれるものでしたわ」
「そんな事があったのか……。それで国はお前が保護したと言うことで、処分から国のコマにしようとしたと?」
「その通りですわ。国は固有スキル持ちを忌避していますが、同時に自国のために働くと言えば、特殊な魔法で魂を国に縛りますわ。生来の天才肌、そして固有スキル。その二つで、国最強の魔法師の座を得たのは当然。そしてその魂の束縛すら、自分で魔法を開発し、破ったのも当然と言えますわ」
流のみならず、全員がその話に頷く。そして流はもう一つの疑問を聞く。
「あと真理理解と言うのはなんだい?」
「あの子から聞いた話では、結果が分かるそうですわ。それが何を意味しているのは、わたくしも知りませんが、『理解力のバケモノ』。それがわたくしの師があの子に与えた二つ名ですわ」
ザガームが魔法を極め、さらに魔術を復活させようとしていると、オークキングに教えてもらった事を思い出す。
確かにそのような、知のバケモノとも言える存在なら、それも可能だと思う流であった。
徐々に太陽は昇っており、光が草原を照らす。黒い茂みは朝日を受けて、生き返るようにその色輝かせる。
朝露に光る、腰ほどの草が眩しげに光りだすと、遠くからLが飛んでくるのが見えた。
特に怪我はしていないようだが、その表情が見える頃には、流は失敗を予感した。
「あいつ失敗したな。見ろ、あの気持ち悪い顔を」
『酷いこと言わないでくださいよ。確かにデロンとして気持ち悪いですけど』
「まったく、あなた達は酷いわね。まぁそう思うけど」
セリアたちがこう言うのも無理はない。だって本当に気持ち悪いから!!
そんな事を言われていると思わず、Lは流の姿を見ると急降下してくる。
「マイ・マスター申し訳ありませんッ!! 敵を見失いました!!」
「なぜそんなに嬉しそうに、失敗を報告する……。まぁい――」
「――よくありませんッ!! さぁこれで、あたしをッ!!」
Lが流の言葉に被せるように否定すると、即座に革製の黒い物を捧げ渡す。
流はこめかみをヒクつかせながら、それを見て一応聞いてみる。
「え、L。それは一体なんだ?」
「ムチです!! これで失敗した、あたしを『思いっきり』ぶって下さい!! さぁ、今です! 愛のムチでさぁッ!!」
「ええい、ムチを押し付けるな! まったくこの変態娘め! くそ、なんか自分を罵っているようで腹が立つ」
『いや、流様はまだそこまでは行っていないよ。普通の時は……多分……だといいね?』
「余計に落ち込むわ! おふざけはここまでだ。それで、そのムチはどうつかうんだ?」
そんなこんなで美琴とセリアに叱られながら、流は話しをすすめる。
Lは並走しながら、事の詳細を報告すると、驚きの声が広まった。
「消えただと?」
「はい、上空から監視していましたが、こつ然と」
「巨石はお前のながれ弾で砕け、その後には何もなかったと?」
「はい。その後には奴らの死体はおろか、破片すらありませんでした」
報告を聞くうち、流は一つ気になることがあった。そう、黒い豪華な衣装を着た男のことだ。
いや、だが、そんなはずは無い。多分気のせいだろうと思いながら、もう一度その男の特徴を聞く。
「L……その。黒い服を着た、首から白いストラを下げた男。黒髪糸目の二十代半ば程だったか?」
「え? あ、はい。よくご存知で。そうです、そんな感じの風体でした」
瞬間〝ゾクリ〟とした悪寒とも興奮とも言える、不思議な感情が流を包む。その余韻が冷めやらぬうちに、その先をLが口走る。
「ぁ、そう言えば……先生とか言っていたような? うーん」
「L!! 今なんて言った!? 先生とそいつは言ったのか?」
「ひゃぃ!? た、確かにそう聞こえました。この姿になって耳も格段に良くなったので、そこは間違い無いです、ハイ!!」
「アイツ……生きていやがったのか!? 美琴、あのとき俺はアイツ……先生を確かに葬ったはずだ。そうだよな?」
『うん、それは間違いないよ。流様は確実に先生に、とどめを刺したよ』
ただならぬ流の雰囲気。それに一同は黙り込む。だがイルミスは流の隣に来ると、真剣な表情で話し出す。
「流、その男は先生と言ったのね?」
「ああ。俺にそう名乗っていた。本当の名は知らないが、ヤツは俺にそう言った」
「そう……。多分その男は元、王宮の筆頭魔法師長であり、部下を実験に使って皆殺しにした男ですわ」
「筆頭魔法師長? ……まて、それは確か豚王が俺に言ったヤツか? 確か名は……」
『ザガーム。そうオークの王様は言っていたよ』
「そう、彼の名はザガーム。ザガーム・フォン・アクトレア……わたくしの弟弟子ですわ」
その言葉に流は驚く、そしてイルミスは辛そうに続ける
「あの子はわたくしの師から魔法を、共に学びましたわ。ですがあの子は天才だった。天才すぎたのですわ。水の属性魔法を教えれば、即座に氷へと応用が出来てしまう。火の属性魔法を教えれば、灼熱魔法の術式を自作してしまう。一を知り十を……いえ、百を知り応用する特別な才」
「まさか……それは固有スキルと言うやつか?」
「ええそうですわ。あの子は二百五十年前に、わたくしが拾った子。王宮から『固有者討伐令』で向かった先の、小さな領地の跡取り息子でしたわ。その固有スキルは『真理理解』と呼ばれるものでしたわ」
「そんな事があったのか……。それで国はお前が保護したと言うことで、処分から国のコマにしようとしたと?」
「その通りですわ。国は固有スキル持ちを忌避していますが、同時に自国のために働くと言えば、特殊な魔法で魂を国に縛りますわ。生来の天才肌、そして固有スキル。その二つで、国最強の魔法師の座を得たのは当然。そしてその魂の束縛すら、自分で魔法を開発し、破ったのも当然と言えますわ」
流のみならず、全員がその話に頷く。そして流はもう一つの疑問を聞く。
「あと真理理解と言うのはなんだい?」
「あの子から聞いた話では、結果が分かるそうですわ。それが何を意味しているのは、わたくしも知りませんが、『理解力のバケモノ』。それがわたくしの師があの子に与えた二つ名ですわ」
ザガームが魔法を極め、さらに魔術を復活させようとしていると、オークキングに教えてもらった事を思い出す。
確かにそのような、知のバケモノとも言える存在なら、それも可能だと思う流であった。
0
あなたにおすすめの小説
異世界召喚でクラスの勇者達よりも強い俺は無能として追放処刑されたので自由に旅をします
Dakurai
ファンタジー
クラスで授業していた不動無限は突如と教室が光に包み込まれ気がつくと異世界に召喚されてしまった。神による儀式でとある神によってのスキルを得たがスキルが強すぎてスキル無しと勘違いされ更にはクラスメイトと王女による思惑で追放処刑に会ってしまうしかし最強スキルと聖獣のカワウソによって難を逃れと思ったらクラスの女子中野蒼花がついてきた。
相棒のカワウソとクラスの中野蒼花そして異世界の仲間と共にこの世界を自由に旅をします。
現在、第四章フェレスト王国ドワーフ編
45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる
よっしぃ
ファンタジー
2巻決定しました!
【書籍版 大ヒット御礼!オリコン18位&続刊決定!】
皆様の熱狂的な応援のおかげで、書籍版『45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる』が、オリコン週間ライトノベルランキング18位、そしてアルファポリス様の書店売上ランキングでトップ10入りを記録しました!
本当に、本当にありがとうございます!
皆様の応援が、最高の形で「続刊(2巻)」へと繋がりました。
市丸きすけ先生による、素晴らしい書影も必見です!
【作品紹介】
欲望に取りつかれた権力者が企んだ「スキル強奪」のための勇者召喚。
だが、その儀式に巻き込まれたのは、どこにでもいる普通のサラリーマン――白河小次郎、45歳。
彼に与えられたのは、派手な攻撃魔法ではない。
【鑑定】【いんたーねっと?】【異世界売買】【テイマー】…etc.
その一つ一つが、世界の理すら書き換えかねない、規格外の「便利スキル」だった。
欲望者から逃げ切るか、それとも、サラリーマンとして培った「知識」と、チート級のスキルを武器に、反撃の狼煙を上げるか。
気のいいおっさんの、優しくて、ずる賢い、まったり異世界サバイバルが、今、始まる!
【書誌情報】
タイトル: 『45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる』
著者: よっしぃ
イラスト: 市丸きすけ 先生
出版社: アルファポリス
ご購入はこちらから:
Amazon: https://www.amazon.co.jp/dp/4434364235/
楽天ブックス: https://books.rakuten.co.jp/rb/18361791/
【作者より、感謝を込めて】
この日を迎えられたのは、長年にわたり、Webで私の拙い物語を応援し続けてくださった、読者の皆様のおかげです。
そして、この物語を見つけ出し、最高の形で世に送り出してくださる、担当編集者様、イラストレーターの市丸きすけ先生、全ての関係者の皆様に、心からの感謝を。
本当に、ありがとうございます。
【これまでの主な実績】
アルファポリス ファンタジー部門 1位獲得
小説家になろう 異世界転移/転移ジャンル(日間) 5位獲得
アルファポリス 第16回ファンタジー小説大賞 奨励賞受賞
第6回カクヨムWeb小説コンテスト 中間選考通過
復活の大カクヨムチャレンジカップ 9位入賞
ファミ通文庫大賞 一次選考通過
無能認定され王宮から追放された俺、実は竜の言葉が話せたのでSSS級最凶竜種に懐かれ、気がついたら【竜人王】になってました。
霞杏檎
ファンタジー
田舎の村から上京して王宮兵士となって1年半……
まだまだ新人だったレイクは自身がスキルもろくに発動できない『無能力者』だと周りから虐げられる日々を送っていた。
そんなある日、『スキルが発動しない無能はこの王宮から出て行け』と自身が働いていたイブニクル王国の王宮から解雇・追放されてしまった。
そして挙げ句の果てには、道中の森でゴブリンに襲われる程の不遇様。
だが、レイクの不運はまだ続く……なんと世界を破壊する力を持つ最強の竜種"破滅古竜"と出会ってしまったのである!!
しかし、絶体絶命の状況下で不意に出た言葉がレイクの運命を大きく変えた。
ーーそれは《竜族語》
レイクが竜族語を話せると知った破滅古竜はレイクと友達になりたいと諭され、友達の印としてレイクに自身の持つ魔力とスキルを与える代わりにレイクの心臓を奪ってしまう。
こうしてレイクは"ヴィルヘリア"と名乗り美少女の姿へと変えた破滅古竜の眷属となったが、与えられた膨大なスキルの量に力を使いこなせずにいた。
それを見たヴィルヘリアは格好がつかないと自身が師匠代わりとなり、旅をしながらレイクを鍛え上げること決める。
一方で、破滅古竜の悪知恵に引っかかったイブニクル王国では国存続の危機が迫り始めていた……
これは"無能"と虐げられた主人公レイクと最強竜種ヴィルヘリアの師弟コンビによる竜種を統べ、レイクが『竜人王』になるまでを描いた物語である。
※30話程で完結します。
貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。
黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。
この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。
神の加護を受けて異世界に
モンド
ファンタジー
親に言われるまま学校や塾に通い、卒業後は親の進める親族の会社に入り、上司や親の進める相手と見合いし、結婚。
その後馬車馬のように働き、特別好きな事をした覚えもないまま定年を迎えようとしている主人公、あとわずか数日の会社員生活でふと、何かに誘われるように会社を無断で休み、海の見える高台にある、神社に立ち寄った。
そこで野良犬に噛み殺されそうになっていた狐を助けたがその際、野良犬に喉笛を噛み切られその命を終えてしまうがその時、神社から不思議な光が放たれ新たな世界に生まれ変わる、そこでは自分の意思で何もかもしなければ生きてはいけない厳しい世界しかし、生きているという実感に震える主人公が、力強く生きるながら信仰と奇跡にに導かれて神に至る物語。
異世界転移からふざけた事情により転生へ。日本の常識は意外と非常識。
久遠 れんり
ファンタジー
普段の、何気ない日常。
事故は、予想外に起こる。
そして、異世界転移? 転生も。
気がつけば、見たことのない森。
「おーい」
と呼べば、「グギャ」とゴブリンが答える。
その時どう行動するのか。
また、その先は……。
初期は、サバイバル。
その後人里発見と、自身の立ち位置。生活基盤を確保。
有名になって、王都へ。
日本人の常識で突き進む。
そんな感じで、進みます。
ただ主人公は、ちょっと凝り性で、行きすぎる感じの日本人。そんな傾向が少しある。
異世界側では、少し非常識かもしれない。
面白がってつけた能力、超振動が意外と無敵だったりする。
男女比がおかしい世界の貴族に転生してしまった件
美鈴
ファンタジー
転生したのは男性が少ない世界!?貴族に生まれたのはいいけど、どういう風に生きていこう…?
最新章の第五章も夕方18時に更新予定です!
☆の話は苦手な人は飛ばしても問題無い様に物語を紡いでおります。
※ホットランキング1位、ファンタジーランキング3位ありがとうございます!
※カクヨム様にも投稿しております。内容が大幅に異なり改稿しております。
※各種ランキング1位を頂いた事がある作品です!
《レベル∞》の万物創造スキルで追放された俺、辺境を開拓してたら気づけば神々の箱庭になっていた
夏見ナイ
ファンタジー
勇者パーティーの雑用係だったカイは、魔王討伐後「無能」の烙印を押され追放される。全てを失い、死を覚悟して流れ着いた「忘れられた辺境」。そこで彼のハズレスキルは真の姿《万物創造》へと覚醒した。
無から有を生み、世界の理すら書き換える神の如き力。カイはまず、生きるために快適な家を、豊かな畑を、そして清らかな川を創造する。荒れ果てた土地は、みるみるうちに楽園へと姿を変えていった。
やがて、彼の元には行き場を失った獣人の少女やエルフの賢者、ドワーフの鍛冶師など、心優しき仲間たちが集い始める。これは、追放された一人の青年が、大切な仲間たちと共に理想郷を築き、やがてその地が「神々の箱庭」と呼ばれるまでの物語。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる