1 / 8
ニセモノの大聖女
しおりを挟む
「ま、待ってください、お父様! 私は魔女なんかじゃありません!!」
「見苦しい……では聞こうエリーシアよ。そなたの聖印はどこへ消えたのだ?」
国王陛下の言葉に右手がふるえる。
涙ぐむ瞳で謁見の間を見渡せば、昨日まで愛すら感じた好意的な顔ぶれは別人と思えるほどに酷い。
それはまるでロウ人形と思えるほどに、冷酷で無慈悲な表情に貴族たちの顔が変わっていた。
だから思わず「ひぅッ」と息がつまり、誰か味方は居ないのかと視線が周囲を泳ぐ。
すると一人だけ表情がやわらかく、私を見つめる人物――コレットと視線が合う。
コレットはゆっくりと近づいてくると、聖印があった右手をやさしく両手で握りしめ、温かい表情で自分の胸元へと当てて話す。
「あれほど美しい聖印が消えてしまうだなんて、一体なにが……」
「わ、わからないの。昨日めまいがして倒れて、今日気がついたら消えていたの」
コレットは「まぁ」と驚いた表情と声をもらし、ゆっくりと自分の顔へと右手の甲をかかげ覗き込む。
瞬間、すこしズキリとした頭痛がおそい、思わず「痛ッぅ」と声が漏れだす。
その直後、謁見の間に悲鳴と怒声が巻き起こる。
「きゃあああ!? み、見てあの顔!!」
「なんという禍々しい……」
「くッ、このような穢れは見たことがないぞ!!」
「聖女だなどと我らを騙していたのかッ?!」
みんなが何を言っているのかがわからない。
だからますます困惑していると、コレットがコンパクトを胸元から取り出し、中指でそれを開くと鏡が見えた。
そこに映り込んでいたのは、左の顔全体が黒々とただれた皮膚になっていて、髪も黄金から漆黒へ。
さらに瞳もすんだ泉よりも深い蒼だったものが、金色となっていた。
別人が映り込んだ。そう思い「だ、誰なのこの人は?!」と叫ぶと、コンパクトをしまいながらコレットが悲しそうな表情で口を開く。
「誰も何も、コレは貴女ですよ、エリーシアお姉さま?」
「うそ……嘘だと言ってよコレット!!」
私と生き写しとまで言われるほどにそっくりな双子の妹、コレットの肩を掴む、が。
二人にだけ聞こえる小声で「やめなさい汚らわしい」と、手を振りほどかれてしまう。
「うそ、うそだよ。こんなの私じゃないよ」
あまりの現実に足に力が入らず、ひざから崩れ落ちたと同時にコレットが、美しい顔で謁見の間に響く声で叫ぶ。
「みなさんワタクシの愛する姉上を、そのように言うのをおやめください!」
その言葉を聞き「コレット、やっぱり貴女だけはいつも私の味――」とつぶやいたと同時に、そこに被せてコレットは宣言した。
☆*:゚♪+。.☆.+**:゚+。☆彡
【あなた様に大感謝♪】
☆*:゚+。.☆.+*♪*:゚+。★彡
お読みいただきありがとうございます。
本日中に完結いたしますので、お楽しみください。
応援、よろしくお願いします(。・ω・。)ノ♡
「見苦しい……では聞こうエリーシアよ。そなたの聖印はどこへ消えたのだ?」
国王陛下の言葉に右手がふるえる。
涙ぐむ瞳で謁見の間を見渡せば、昨日まで愛すら感じた好意的な顔ぶれは別人と思えるほどに酷い。
それはまるでロウ人形と思えるほどに、冷酷で無慈悲な表情に貴族たちの顔が変わっていた。
だから思わず「ひぅッ」と息がつまり、誰か味方は居ないのかと視線が周囲を泳ぐ。
すると一人だけ表情がやわらかく、私を見つめる人物――コレットと視線が合う。
コレットはゆっくりと近づいてくると、聖印があった右手をやさしく両手で握りしめ、温かい表情で自分の胸元へと当てて話す。
「あれほど美しい聖印が消えてしまうだなんて、一体なにが……」
「わ、わからないの。昨日めまいがして倒れて、今日気がついたら消えていたの」
コレットは「まぁ」と驚いた表情と声をもらし、ゆっくりと自分の顔へと右手の甲をかかげ覗き込む。
瞬間、すこしズキリとした頭痛がおそい、思わず「痛ッぅ」と声が漏れだす。
その直後、謁見の間に悲鳴と怒声が巻き起こる。
「きゃあああ!? み、見てあの顔!!」
「なんという禍々しい……」
「くッ、このような穢れは見たことがないぞ!!」
「聖女だなどと我らを騙していたのかッ?!」
みんなが何を言っているのかがわからない。
だからますます困惑していると、コレットがコンパクトを胸元から取り出し、中指でそれを開くと鏡が見えた。
そこに映り込んでいたのは、左の顔全体が黒々とただれた皮膚になっていて、髪も黄金から漆黒へ。
さらに瞳もすんだ泉よりも深い蒼だったものが、金色となっていた。
別人が映り込んだ。そう思い「だ、誰なのこの人は?!」と叫ぶと、コンパクトをしまいながらコレットが悲しそうな表情で口を開く。
「誰も何も、コレは貴女ですよ、エリーシアお姉さま?」
「うそ……嘘だと言ってよコレット!!」
私と生き写しとまで言われるほどにそっくりな双子の妹、コレットの肩を掴む、が。
二人にだけ聞こえる小声で「やめなさい汚らわしい」と、手を振りほどかれてしまう。
「うそ、うそだよ。こんなの私じゃないよ」
あまりの現実に足に力が入らず、ひざから崩れ落ちたと同時にコレットが、美しい顔で謁見の間に響く声で叫ぶ。
「みなさんワタクシの愛する姉上を、そのように言うのをおやめください!」
その言葉を聞き「コレット、やっぱり貴女だけはいつも私の味――」とつぶやいたと同時に、そこに被せてコレットは宣言した。
☆*:゚♪+。.☆.+**:゚+。☆彡
【あなた様に大感謝♪】
☆*:゚+。.☆.+*♪*:゚+。★彡
お読みいただきありがとうございます。
本日中に完結いたしますので、お楽しみください。
応援、よろしくお願いします(。・ω・。)ノ♡
0
あなたにおすすめの小説
はじめまして、私の知らない婚約者様
有木珠乃@『ヒロ弟』コミカライズ配信中
ファンタジー
ミルドレッド・カーマイン公爵令嬢は突然、学園の食堂で話しかけられる。
見覚えのない男性。傍らには豊満な体型の女性がいる。
けれどその女性から発せられた男性の名前には、聞き覚えがあった。
ミルドレッドの婚約者であるブルーノ王子であることを。
けれどミルドレッドの反応は薄い。なぜなら彼女は……。
この世界を乙女ゲームだと知った人々による、悪役令嬢とヒロイン、魔女の入れ替え話です。
悪役令嬢を救いたかったはずなのに、どうしてこんなことに?
※他サイトにも掲載しています。
【短編】花婿殿に姻族でサプライズしようと隠れていたら「愛することはない」って聞いたんだが。可愛い妹はあげません!
月野槐樹
ファンタジー
妹の結婚式前にサプライズをしようと姻族みんなで隠れていたら、
花婿殿が、「君を愛することはない!」と宣言してしまった。
姻族全員大騒ぎとなった
「華がない」と婚約破棄されたけど、冷徹宰相の恋人として帰ってきたら……
阿里
恋愛
「貴族の妻にはもっと華やかさが必要なんだ」
そんな言葉で、あっさり私を捨てたラウル。
涙でくしゃくしゃの毎日……だけど、そんな私に声をかけてくれたのは、誰もが恐れる冷徹宰相ゼノ様だった。
気がつけば、彼の側近として活躍し、やがては恋人に――!
数年後、舞踏会で土下座してきたラウルに、私は静かに言う。
「あなたが捨てたのは、私じゃなくて未来だったのね」
「お前の代わりはいくらでもいる」と笑った婚約者が、翌日から報告書一枚書けなくなった件
歩人
ファンタジー
子爵令嬢リーゼロッテの取り柄は、文章を書くことだけ。
華やかさのかけらもない彼女は、婚約者アルベルトの政務報告、外交書簡、
演説原稿——その全てを代筆していた。
「お前の代わりはいくらでもいる」
社交界の花形令嬢に乗り換えたアルベルトは、笑ってそう言った。
翌日から、彼の机の上には白紙の報告書だけが積み上がっていく。
——代わりは、いなかった。
聖女の力を妹に奪われ魔獣の森に捨てられたけど、何故か懐いてきた白狼(実は呪われた皇帝陛下)のブラッシング係に任命されました
AK
恋愛
「--リリアナ、貴様との婚約は破棄する! そして妹の功績を盗んだ罪で、この国からの追放を命じる!」
公爵令嬢リリアナは、腹違いの妹・ミナの嘘によって「偽聖女」の汚名を着せられ、婚約者の第二王子からも、実の父からも絶縁されてしまう。 身一つで放り出されたのは、凶暴な魔獣が跋扈する北の禁足地『帰らずの魔の森』。
死を覚悟したリリアナが出会ったのは、伝説の魔獣フェンリル——ではなく、呪いによって巨大な白狼の姿になった隣国の皇帝・アジュラ四世だった!
人間には効果が薄いが、動物に対しては絶大な癒やし効果を発揮するリリアナの「聖女の力」。 彼女が何気なく白狼をブラッシングすると、苦しんでいた皇帝の呪いが解け始め……?
「余の呪いを解くどころか、極上の手触りで撫でてくるとは……。貴様、責任を取って余の専属ブラッシング係になれ」
こうしてリリアナは、冷徹と恐れられる氷の皇帝(中身はツンデレもふもふ)に拾われ、帝国で溺愛されることに。 豪華な離宮で美味しい食事に、最高のもふもふタイム。虐げられていた日々が嘘のような幸せスローライフが始まる。
一方、本物の聖女を追放してしまった祖国では、妹のミナが聖女の力を発揮できず、大地が枯れ、疫病が蔓延し始めていた。 元婚約者や父が慌ててミレイユを連れ戻そうとするが、時すでに遅し。 「私の主人は、この可愛い狼様(皇帝陛下)だけですので」 これは、すべてを奪われた令嬢が、最強のパートナーを得て幸せになり、自分を捨てた者たちを見返す逆転の物語。
感情の無い聖女様は、公爵への生贄にされてしまいました
九条 雛
恋愛
「――私など、ただの〝祈り人形〟でございます。人形に感情はありませぬ……」
悪逆非道の公爵の元へと生贄として捧げられてしまった聖女は、格子の付いた窓を見上げてそう呟く。
公爵は嗜虐に満ちた笑みを浮かべ言い放つ。
「これからは、三食きちんと食べてもらおう。こうして俺のモノとなったからには、今までのような生活を送れるとは思わぬことだな」
――これは、不幸な境遇で心を閉ざしてしまった少女と、その笑顔を取り戻そうとする男の物語。
『呪いのせいで愛妻家になった公爵様は、もう冷徹を名乗れない(天然妻は気づかない)』
星乃和花
恋愛
【完結済:全20話+番外3話+@】
「冷徹公爵」と呼ばれるレオンハルトが、ある日突然“愛妻家”に豹変――原因は、妻リリアにだけ発動する呪いだった。
手を離せない、目を逸らせない、褒めたくなる、守りたくなる……止まれない溺愛が暴走するのに、当のリリアは「熱(体調不良)」と心配または「治安ですね」と天然で受け流すばかり。
借金を理由に始まった契約結婚(恋愛なし)だったはずなのにーー??
そんなふたりの恋は愉快な王都を舞台に、屋敷でも社交界でも面白……ゆるふわ熱烈に見守られる流れに。
甘々・溺愛・コメディ全振り!
“呪いのせい”から始まった愛が、最後は“意思”になる、にやにや必至の夫婦ラブファンタジー。
婚約者に裏切られた女騎士は皇帝の側妃になれと命じられた
ミカン♬
恋愛
小国クライン国に帝国から<妖精姫>と名高いマリエッタ王女を側妃として差し出すよう命令が来た。
マリエッタ王女の侍女兼護衛のミーティアは嘆く王女の監視を命ぜられるが、ある日王女は失踪してしまった。
義兄と婚約者に裏切られたと知ったミーティアに「マリエッタとして帝国に嫁ぐように」と国王に命じられた。母を人質にされて仕方なく受け入れたミーティアを帝国のベルクール第二皇子が迎えに来た。
二人の出会いが帝国の運命を変えていく。
ふわっとした世界観です。サクッと終わります。他サイトにも投稿。完結後にリカルドとベルクールの閑話を入れました、宜しくお願いします。
2024/01/19
閑話リカルド少し加筆しました。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる