転生ラーメン屋の異世界革命

根鳥 泰造

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第一章 異世界『ラーメン屋』開業記

1-12 思春期の再来

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 てっきり、トラックに乗って王都に帰るものと思っていたが、カレンがとんでもないことを言い出した。
「それじゃ、トンカツというのを作ってもらおうか」
「ここで作るんですか?」
「さっき説明したろう。内臓の液がついた肉は直ぐに腐るんだ。今食わないと食えなくなる」
 一応、そういう事も想定して、まな板、鍋、ボール、油、キャベツ、鶏卵、小麦粉、パン粉、トンカツソース等は持ってきた。
 だが、肝心の魔道コンロがない。持って来るのを忘れてしまった。
 でも、火なら魔法でなんとかなる。
「油を熱しないとならないので、薪になりそうな枯れ木を探してきてくれませんか」
「まかしとけ。直ぐに集めてくる」
 彼女が薪を集めてくる間に、俺は調理の準備をする。
 先ずは石を集めて積んで、鍋を温められる台座を組んで簡易コンロを作った。
 それから、さっき切り出しておいたロースとヒレのブロック肉を適当な大きさに切って、筋切りして、軽く塩、コショウする。キャベツを千切りにして水に浸し、卵をボールに溶いて、小麦粉、パン粉を袋に入れて準備した。
 そして、枯れ枝が届くと、簡易コンロの下にそれを並べ、鍋に油を注いで、コンロの上に置き、火球で薪に着火した。
「おいおい、水だけでなく火の魔法までつかえるのか。それなら剣士より、魔剣士の方がよかったんじゃないか」
 剣士一択だと思ったが、そんな職種もあったらしい。
 それより、直ぐにトンカツづくりに着手しなくてはならない。
 衣を油に入れて、適温を確認してから、ロースかつとヒレカツとをじっくり揚げて行った。
 トンカツは二度揚げするといいらしいが、俺はあくまで、ラーメン屋なので、これで十分だ。
「本当は、パンやスープも一緒に作って、トンカツ定食を作りたかったんですが、トンカツだけで我慢して下さい」
 そう言って、キャベツにもトンカツソースを掛けて、ロース&ヒレのカツ皿を二皿作って、提供した。
「こんなの食べたことがない。楽しみだ。あちっ」
 猫舌なのを忘れ、揚げたてのアツアツを提供してしまった。
「これは、とんでもなく上手いぞ。サクサクした衣に肉汁たっぷりのロース肉。特にこのソース。最高だ」
 また尻尾を左右に振っている。どうやら、御機嫌で嬉しい時の表現らしい。そういえば、子供の頃買っていた愛犬も、嬉しいと尻尾をしきりに振っていた。
 猫獣人は猫舌だと思い込んでいたが、そうではないみたいで、熱いカツにかぶりついている。
「このヒレ肉も柔らかくて美味いな」
 カレンは、本当に美味しそうに食べてくれて、俺も作った甲斐があった。
 でも、俺の息子が再び勝手に大きくなっていく。
 前屈みになって、食べているので、胸当てが浮いて、白い乳房が見えているのだ。
 こんなことくらいで、勃起などしないはずなのに、本当に今日は変だ。
 俺は慌てて、カツに食らいつき、胸を見ない様にして、興奮を治めようと努めたが、ダメだった。
「なに、テント張ってんだ。あたいと寝たいのか? あんたの事は気に入ったから抱かれてやってもいいぞ」
「何を言ってるんですか。俺はラーメン一筋で、女性には興味はありませんので」
「赤くなって、本当に可愛い奴だな。でも冗談だ。それ食べないなのなら、あたいにくれ」
 まだ食べかけなのに、勝手に最後のロースかつを奪われた。
 性格は、かなり悪いが、こんなことされても悪い気はしない。
 もしかして、彼女の事を好きになってしまったのかもしれない。

 でも、オークのトンカツを実際に食べてみて、わかったことがある。
 実際の豚肉のトンカツより硬く、うま味も少し劣るが、それは事前に分かっていたこと。むしろ、予想してたよりずっと豚肉そのもので、美味しかった。ソースとの相性も絶妙で、本当に美味しかった。
 でも、肉に少し臭みがあった。特にヒレ肉は油分が少ないので、顕著に臭みが分かる。
 オーク肉そのものが、臭いのかもしれないが、恐らく、血抜きをしなかった所為だ。
 肉は、十分に血抜きをしないと臭くなると聞いたことがある。
 香草で、匂いを誤魔化すこともできるが、次回は血抜きをして比較してみることにした。

 その後、カレンと車で王都に戻ったが、「解体を手伝てやる」と、俺を家まで送ってくれた。
「ここか。立派な看板じゃないか。でも、こんなところだと客が来ないんじゃないか」
 店の入り口上部には、既に『ラーメン屋』の看板も取り付けてある。この世界にラーメンは存在しないので、店名はずばり『ラーメン屋』とした。
「俺のラーメンを一度でも食べれば、リピーターになるのは間違いないですから」
 そういって、既に内装がほとんど完成している店内に、オーク二体を運び入れ、解体を始めた。
 先ずは、解体途中だった雄から解体した。
 カレンの指示通りに、手足を切り落とし、身体中の皮を剥いで、肉塊にして、少しずつ肉を削ぎ取っていく。
 殺生した命なので、肩ロース、モモ肉、バラ肉、トントロ、タンと、余すことなく肉をとった。
 皮も防具等に活用されるのだそうで、冒険者ギルドで買い取って引き取ってくれるらしいが、雄の皮は、もうボロボロなので、豚皮の料理に使う事にして、皮も保管した。
 そして、骨もバラバラにして、まずは一体目の解体が終了。
 でも、解体には相当の時間がかかり、既に午後六時になろうとしている。
 クラリス大聖堂が何時まで開いているのか知らないが、もう一体解体してからだと、女神への献上ができなくなりかねない。
 そこで、雌から、女神に献上するトンカツ用の肉だけ摘出することにした。
 今度は皮も売り物になる様に、丁寧に雌の背中の皮を剥ぎ、上質なロースとヒレをブロック肉だけ切り出した。
「これは、あたいの取り分な」
「ちょっと待ってください。これは女神に捧げる大切な肉なんですから」
「お前の分は、さっき食べたじゃないか。これはあたいが狩ったオークの肉だから、あたいの取り分。じゃあな」
 カレンは大事な肉を奪う様にして、店から出て行った。
 美人で魅力的だが、性格は本当に最低だ。
 カレンは自己中の我儘女だと分かっていたのに、優しくいい人だと信じてしまった事を後悔した。

 俺の取り分の肉は、まだ沢山残ってはいるが、あれから四時間以上も経っているので、もう腐敗しかけている。
 肉は魚と違い、少し寝かせて、腐りかけぐらいが、美味しいと聞いたことがあるので、これ位の方が、食べごろの様な気もするが、流石に気が引ける。
 女神への献上品なので、トンカツ定食を提供するのは来月に回すことにして、別の定食を提供することにした。
 今日は、全く腐敗していない雌の肩ロースを取り出し、それをスライスして、生姜焼き定食をつくる。
 味見してみたが、これも十分に美味しい。ショウガにより臭みも感じない。
 早速、その定食を献上盆にのせて、クラリス大聖堂を訪れた。

 既に、聖堂の門は締まり、施錠されていたが、ダメ元で門をドンドンと叩いてみた。
「こんな時間に、どのような用件でしょう」
 白い襟の黒いローブに身を包んだシスターらしい女性が現れた。
 浜辺美波にエルフの耳をつけたような超絶美女で、胸もかなり大きく、心臓がドキドキと高鳴り始めた。
 ほとんど露出していない服装なのだが、とても妖艶な雰囲気のする女性で、首に掛けた十字架が、かなりの巨乳をひときわ引き立てている。
「女神さまに、お供えを献上しに来ました」
「そうですか。セーレン様もきっとお喜びなります。祭壇迄、案内いたします」
 そういって、聖堂の中に入れてもらえ、俺の前を歩いて奥に案内してくれたが、お尻がブルンブルンと揺れるので、そんなことで興奮してしまった。
 もうかなりの重傷だ。
 シスターに指示された御饌棚よばれる献上台の上に、お盆を載せると、不思議な事に、お盆ごと定食が塵の様に消えて行った。
 この御饌棚が、地上と天界とを繋ぐ転送装置になっているらしい。
「料理人の方だったのですね。見たこともない珍しい料理を献上頂き、ありがとうございました」
 にっこりとほほ笑みかけてきて、丸で魅了に掛かったかの様に、胸がドキドキしてしまった。
 シスターが再び、教会の入り口まで案内してくれたが、無性に彼女に襲い掛かりたい衝動にかられた。
 そして、自宅に戻ったが、その間も、シスターの事が忘れられず、嫌らしい妄想迄してしまう。
 家にたどり着いても、ボーとしたまま興奮がおさまず、仰向けにしたオークの死体にすら、興奮してしまう。
 流石に、オークの死体を抱くことはしなかったが、解体するために必要な行為なんだと、自分に言い聞かせながら、胸を強く掴んで皮を剥ぎ、女性器にも触れて身体中の皮を剥ぎ取った。
 解体が終わった時は既に十時を回っていて、それからシャワーで、身体を綺麗に洗ったが、やはりあのシスターを思い出し、変な妄想をしてしまい、勃起がおさまらない。
 まるで、思春期に戻ったかのようだ。
 今から、ミミさんの所に行くことも考えたが、もう遅いので、今日は自慰で我慢することにした。
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